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字幕書き起こし ハートネットTV ブレイクスルー67「闘いの果てに〜バイオリニスト・式町水晶」 2017.01.16

恥ずかしがらずに耳の定期検診のつもりで耳のお掃除もお医者さんを頼って下さいね。
(拍手)
まだあどけなさが残る19歳

しかしその音色は美しく深い
今全国を演奏で飛び回る注目の若手バイオリニスト
脳性まひがある水晶さん。
幼少期は…
その音色からは想像もつかない苦しみを歩んできた
障害を理由にいじめを受けた小学生時代
健常者を見返すためにはバイオリンしかない。
そう心に決めた
闘い続けた。
でも…

 

 


二十歳を前に新たな一歩を踏み出そうとする式町水晶さんのブレイクスルー
体育館に続々と集まる子どもたち。
その中心に式町水晶さんの姿がありました。
すごいリスキーだ…フフフ。
ウォーミングアップってあんまりできなかったから。
今日朝6時に起きたんですけどね。
即興で曲を作り上げていく水晶さん。
16歳でバイオリニストとして活動を開始。
月に3〜4回コンサートを行うほか数々の作曲も手がけています。
(拍手)この日のコンサートは休憩なしの1時間半。
脳性まひのため立っているだけでも体力を激しく消耗します。
手足につけているおもり。
平衡感覚が鈍いためこれで体のバランスをとっています。
かつてまひで思うように動かなかった指先も常に気にかかります。
1,800グラムの低体重で生まれた水晶さん。
産声を上げず保育器の中で生死をさまよいました。
3歳の頃「脳性まひ」と診断。
小脳の大きさが半分ほどしかなく手足や視覚に障害が出ると告げられました。
せめて楽しんでリハビリをしてほしいと母が与えてくれたのがバイオリンでした。
外で遊ぶ事もできなかった水晶さんはのめり込んでいきます。
11歳運命の出会いが訪れます。
ポップスの世界で活躍するバイオリニスト中西俊博さんです。
ちょっとここで聴いてほしいんですけど僕が一番最初に中西先生のレッスンで一番これ思い出深いんですけど…20番に入ってる…20番20番。
この曲から全て始まった。

(水晶)これですこれです。
こうやってひたすら…こうやってず〜っとですよ。
1234って。
初めてのレッスンは3時間ひたすらステップを踏むだけ。
「バイオリン習いに来たのかな?」みたいな。
それとも「ダンスをやりに来たのかな?」みたいな。
その後も型破りなレッスンが続きました。
あ〜どうも。
こんにちは。
(中西)僕厳しいんだけど…こんなステップこうやって…これをやれとか言って。
自分でも動かないと思っていた体。
新たな喜びが全身に満ちていきました。
(水晶)足って結構使えてまだ脳とつながってるんだと思って。
割と動けるんだなと思って。
すごいうれしかったです。
中西さんは水晶さんのただならぬ熱意に押されたと言います。
本当に。
フ〜!
(拍手)すばらしい。
イエ〜イ!本日はバイオリニストの式町水晶さんにお越し頂きました。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ゆっくりお話聞きたいので是非とも座って頂いて。
ありがとうございます。
いや〜いかがでした?AIさん。
いやもうすごいじゃないですか。
本当にかっこいい。
すごく繊細な感じと。
すごい色っぽい曲でしたね。
曲が何かセクシーな感じ。
今から2年前のちょうど高校生最後の時の18歳の時に作りました。
これはどういう思いを込めて?実はちょっとかなり僕奥手で女性に対して何のアプローチもできないんですよねいつも。
なるほど。
できない。
その気持ちを込めて…まあいつかは結婚したいなと思ってもし僕に相手がいたらこういう気持ちになるんじゃないかと思って書いたんです。
将来出会う運命の人にささげた曲。
そうですね。
まだいないんですけどね。
まだいないんですけどね。
まだいないんですけどね2年たってるのに。
いやもうこの話聞いただけで水晶君の事大好きになるでしょ。
本当に。
本当ですか?うれしいです。
僕らも今演奏してるところ見させて頂いたけど脳性まひがあるっていうのが分からないって言われる事って多いんじゃないですか?多分一番分かりやすいのは僕の背中を触って頂くと分かるんですけども。
ちょっとよろしいですか。
普通おじぎする時に…やる時滑らかになるはずなんですけど僕は緊張が走ってガクガクになるんですよ。
こういうふうに…ガクガク。
あ〜今ギシギシギシって。
カタカタカタ…。
ガガガガガって。
背中にもまひがあって。
私もいいですか?ロボットみたいだ…こういうふうに。
あっ本当だ。
足は勝手にけいれんしたり…。
足にウエイトをつけてるっていう…。
これね。
弱点があるのが階段の下りになると難しいんですよ。
スムーズに下りれないので。
これは脳性まひ特有の症状みたいで。
手は今は症状が出てないだけかもしれないんですけど今は普通に動くんです手だけは。
でも逆にそれちょっと怖いですよね。
また急にあれがやって来るのかもしれないっていう心の葛藤っていうのも…。
あとさっきの中西さん…中西さんと会って最初にステップを3時間やらされたみたいな話がありましたけど…。
スティーヴィー・ワンダーさんの…あれでひたすらステップですよね。
相当体力持ってかれたんじゃないですか?当時は3時間と言いつつも30分もできなくて20分やって「すいません先生体が痛いんでごめんなさい」って言って。
「少し休ませて下さい」って。
「じゃあいいよ」って言って。
でもちゃんとリズムをドンピシャで踏めるようにずっと訓練して。
最初バイオリン習えるのかなと思ったらえっ…みたいな。
何でこんな事やらされるんだろうって言ってやめていっちゃう人も多分いると思うんですけどそこで食いついたっていうのは何が刺さったんですかね?まさに僕のやりたい音楽。
こう…中西先生はああいう普通の…こういう普通の木のバイオリンからエレクトリックバイオリンとかやっててすっごいかっこよくって多分人生で初めて本当の意味でのどうしても習いたいっていうどうしてもこの方に会いたいってただそれだけだったんです。
会って話だけでもっていう。
水晶さんがプロを目指すと決めたのは小学生の頃。
この日友達と10年ぶりに母校を訪ねました。
ここは低学年の頃に過ごした特別支援学級。
うわ〜懐かしいこれ。
うお〜!見てこれ。
懐かし〜いこれ。
これをいじりまくって昼休み3人で踊ってた事がある。
曲を流してね。
この3人は結構よかったからね。
最高の…。
今も…。
今も…まあ今もね。
いつも一緒だった3人。
高学年になると水晶さんだけが通常クラスに移ります。
車いすを使っていたものの少しは歩く事ができたため周囲が勧めました。
向かったのは6年生の教室。
うわ〜。
あんまりいい気分はしないなやっぱり。
僕が……あったりしたのかなそうそうそうここだよ。
理不尽ないじめ。
(水晶)努力してもいくら頑張ってもどうせバカなんだよ障害なんだよって言われた事もあったから「は?」って。
何でそんな事言われなきゃなんないんだって。
障害者バカにしてんじゃないよって思って。
やっぱり何か…たどりついたのが世界最高のバイオリニストになる事でした。
毎日練習に明け暮れ高度な曲や速弾きの特訓に没頭します。
車いすを使わなくてもいいようリハビリや筋トレも始めました。
強くなる事に執念を燃やしたのです。
死に上がった時に。
16歳の時初めてコンサートを開き本格的にバイオリニストの道を歩み始めます。
もう負けはしない。
そんな時コンサートを見に来た男の子が1通の手紙をくれました。
「僕もみっくんみたいなバイオリニストになりたいです」。
今までは健常者の人をある種敵意はなかったというか好敵手として捉えてた…ライバル。
健常者と闘う事ばかり考えてきた自分。
(水晶)一番僕障害者と健常者で差別されるのが嫌いでここまで頑張ってきたのにそうやって…気が付けばたくさんの人に支えられていた。
水晶さんは闘争心を捨てようと決意します。
水晶さんは二十歳のバースデーライブを間近に控えていました。
バースデーなんでちょっと自分の曲をちょっと…ごり押しな感じで。
闘争心にこだわらない自分をどう表現したらいいか。
まだ見つけられずにいました。
ライブを前に向かったのは楽器のメンテナンス。
6歳の頃から水晶さんを夫婦で見守ってきました。
妻でバイオリニストのきみ子さんは初めて本格的なレッスンをしてくれた恩人です。
ちょっと一回音を出してみて下さいますか?ハハハハ。
すごいプレッシャーかかりますね。

(拍手)めっちゃ…。
5,000人の前で弾いてるぐらいですよこれハハハ。
もう本当に夢のようですよね。
本当に今日の日まで弾いててくれてありがとうって感じ。
レッスンの時に何か「1の次2の指だよ」って言っても2が下りてこないんだもんね。
「2の次3だよ」って言っても3が下りてこない。
(水晶)本当不便でしたよね。
本当ね。
よく頑張ったね〜。
もう二度と健常者の人にバカにされたくないからひたすらバイオリン頑張るっていう気持ちも逆によかった事もあるんですけど…だってその…今の水晶ちゃんも過去の水晶ちゃんも全部このバイオリンの中に出るんだもん。
それがすごいすてきよ。
それをひっくるめた水晶ちゃんがやっぱりね出す音楽が最高なんだと思う。
それが平気になっちゃって弾いちゃったらもしかしたら…ねえ普通になっちゃうかもしれない。
そう…全部このバイオリンの音だから。
すばらしい二十歳になると思う。
いや〜今のやっぱり奥様のお言葉すごく心に残るんですけれども泣いてらっしゃいましたけれどもどうでした?演奏してる時は「障害者も健常者も関係ない。
全力で弾くだけだ」とかって思ってて。
やっぱいじめられた時のトラウマもすごく僕の中で大きかったんで今まで闘争本能の塊だと自分は思ってたし思いたかったんですけどでもあの言葉で何か優しさに包まれたかのような解放された次の…それこそ二十歳を迎えて次のステップに行くためにはどうしても何か必要な事だったんだなと思ってほっとしたっていうのが一番ですね。
そういうの分かっててもなかなかね捨てられなかったその闘争本能っていうのってそれ相当自分にとってやっぱり大事なものだったんですか?小学校6年の時にいろんな事があって当時いじめだけじゃなくて失明宣告を受けてで更に中学校にそのまま上がった時に体力がもう絶望的になかったんですよね車いす生活で。
ちょっとは歩けてたのに車いすに安全のために乗らなきゃいけなかったんで周りを見ると元気だしそういう姿を見ると羨ましい…まあ妬むというかクソ悔しいなってまだ歩けるのになって思いながら。
そうしていくうちに少しずつ少しずつ闘争本能が燃えてきてしまって何でもっと体を動かさせてくれなかったのかなって思った時にもう誰も信頼できないみたいな。
もう自分の判断に全部任せてっていう。
だからちょっと傲慢にもなりますよね。
自分が生きてく上での…見せつけるための道具であった。
ある種…だから言い方かえると武器ですよね。
必死に闘ってきてわ〜って。
だけど向こう側から「あなたのようなバイオリニストになりたい」って言われた時に「あれ〜?なぎ倒す対象だったんだけどな」っていう。
ふっ…ううっ…みたいな。
(笑い声)やっぱりその言葉は大きかったですね。
…っていうかもう健常者の方と関わる事とか障害者の方と関わる事関係なしに実は結構人大好きなんです僕。
周りを見渡した時にみんな健常者の方障害者の方関係なくみんないい人じゃないのって思って。
みんないい人なのに何やってるんだろうと思って。
この水晶さんっていうのがいろんな全部の自分のものを全部吸収して今あるんだなと思って。
AIさんはどんな感じでいつもライブに挑むんですか?いや〜こうちょっとイライラしてる時はクソって…いろんな事が起きてあ〜あってなって行くとやっぱりそういう曲ですごい力が入りますね。
ドッカン!みたいな。
そうですね。
すごいハッピーな時はハッピーイエ〜イみたいな。
その時によって全部違いますね。
これからどんな音出していきましょうね。
自分でタイトルがあるとしたら静かなる闘争本能というか…。
なるほどね。
火をコントロールするっていう…。
前まではそれこそもっともっとうまくなってすごいバイオリニストになるぞとかって思ってたんですけど今は泣いてる人たちがいたら結構我慢してる人多いと思うんですよ。
でも一緒に例えばそれを聴いてくれたお客さんが「今日は我慢しないで一緒に泣こうよ」みたいにそういう語りかけられるような…で本当に楽しくなりたい時は楽しい演奏して一緒に楽しもうよみたいな解放できるような。
自分が閉じ込められてたのでそういう解放…相手に解放できるようなそんなバイオリニストに…それって死ぬまでその目標ってかなわないっていうかなかなかかなえられるか分からないんですけどでもそれが今のぼやっとした目標なんですけど。
楽しみすぎないですか?今…。
いやもう本当に二十歳だもんね。
いろんな事に悩んでいろんな事全部吸収してきっと20代これからのたうち回るじゃないですか。
本当のたうち回るってあるね。
絶対。
楽しみです。
ねえ本当に。
でもAIさんさっきのバースデーライブどんな…どんな音出したのか気にならないですか?いやもうすっごい気になります。
もう完全にうちら司会者じゃなくて今日はテレビの前で見てる人たちです。
早く見たい。
VTR早く見せて下さい。
バースデーライブ当日。
お願いします。
今日…今日はねちょっと派手に。
怖い。
ここが一番怖い。
(取材者)調子よさそうだよ。
本当ですか。
体の調子はいいですよ。
あとは心の調子を調律すれば大丈夫。
会場にはずっと水晶さんを応援してきたファンが集まりました。
(司会者)皆さんこんばんは。
(観客)こんばんは。
みっくんをお呼びしたいと思います。
みっくん!
(拍手)
(司会者)おめでとうございま〜す。
(拍手)
(拍手と歓声)こんにちは〜。
もしまひがひどくなるか分かんないけどもその恐怖になるべく動じないっていうのは無理だけどなるべく気持ち的にラフに構えられるくらいの精神力をつけてこうかなってボクシングで。
(水晶)ありがとうございます。
そうだった。
二十歳になりました。
(水晶)ありがとうございます。
(笑い声)はいワンツーワンツー!入れ入れ!何で下がるそこで。
ありがとうございました。
いいねいいね。
もうちょい丸めた方が…。
オーケーオーケー。
でも指が動かなくなったとしても…なったとしてもそれはねやっぱり音楽なの。
よく生きてた。
結局僕…2017/01/16(月) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV ブレイクスルー67「闘いの果てに〜バイオリニスト・式町水晶」[字]

バイオリニスト式町水晶さん。バイオリンを「闘うための道具」とし、健常者と競ってきた自分に疑問を持ち始める。新たな自分を表現しようと模索する20歳のブレイクスルー

詳細情報
番組内容
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