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字幕書き起こし 嫌われる勇気 #05【美しき計画殺人!血塗られたバレンタイン】 2017.02.09

(大文字)《気に入ったようだね》
(大文字)《アドラーの考え方が》
(蘭子)《はい》《大文字先生のゼミを希望しています》《心理学科2年庵堂蘭子です》《知ってるよ》《奇麗になったね》《蘭子ちゃん》・
(道子)蘭子さん。
大文字先生がそろそろ出るって。
分かりました。
間雁さんはOB会には行かないんですか?
(道子)コピー機が壊れちゃって。
(道子)もうすぐ新しいのが届くので待ってます。
楽しんできてくださいね。
そうですか。
ではいってきます。

 

 

 


(道子)はいもしもし。
えっ別の車が止まってる?
(道子)すいませんすぐに総務課に確認して折り返します。

(男性)ホントすごいよな捜査一課の刑事って。
(女性)ねえ。
政治家の狸穴勝利の事件も庵堂さんが解決したんですよね?
(一同)へえ〜。
それが仕事ですから。
(大文字)みんな庵堂君に会いたがってたんだよ。
ゼミのOB会開いても君は忙しくて参加できなかったからね。
(男性)先生それじゃ僕たちがいつも暇みたいじゃないですか。
そういうつもりで言ってないよ。
(塔子)ごめんなさい遅れちゃって。
(男性)霧島今日来れたんだ。
(塔子)いけませんか?私来ちゃ。
(男性)いや全然いいんだけどさ。
(大文字)霧島君こっち空いてるから座って。
(塔子)はい。
邪魔なんだけど。
(美沙)通れるでしょ。
(男性)誰だよ?呼んだの。
駄目だろあの2人会わせちゃ。
連絡は確か全部土方さんが。
(土方)はいはいはいはい!すいません。
では皆さま集まりましたのでこれより余興をやらせていただきます。
(一同)お〜。
(土方)ハッ!ハッ!あっあっ…。
(道子)すいません。
お待たせしちゃいまして。
ここから中へ運べますのでお願いします。
(一同)お〜!庵堂君は何でもできるね。
たしなむ程度です。
(大文字)君がよくお手玉で遊んでいたことを思い出したよ。
(男性)子供のころから知ってるんですか?いや庵堂君のお父さんとは古いお付き合いがありまして。
(女性)だから庵堂さんは大文字ゼミに入ったんですね。
いいえ彼女は僕のことを知らなくて入ってきたんですよ。
きっとお父さんが私たちを引き合わせてくれた。
私はそんなふうに思ってますよ。
私もそう思います。
はい山岸です。
ええ。
山岸直也は夫ですけど。
殺された?
(男性)おい大丈夫か?現場はどこですか?
(青山)殺害されたのは山岸直也さん40歳。
この帝都大学の理工学部の准教授です。
ドアは開いていたんですか?はい。
ドア止めが挟まれていて巡回中の警備員が不審に思って中をのぞいたところ死亡している山岸さんを発見しました。
凶器は見つかりました?
(由稀菜)まだ見つかっていません。
死亡推定時刻は?
(梶)午後7時から9時の間ってところかな。
何かこの部屋暑くないですか?うわっ28℃に設定されてます。
(浦部)被害者と犯人は顔見知りだ。
(浦部)コップが2つある。
被害者は犯人をこの部屋に招き入れ椅子に座らせてコーヒーを出した。
それにキャビネットの鍵が壊されて荒らされた跡がある。
つまりこれは顔見知りによる物取りの犯行だ。
その推理明確に肯定します。
(一同)えっ!?
(梶)いいの?肯定で。
犯行現場の状況から見れば浦部さんの言ったとおりです。
おっ…おう。
(小宮山)めちゃくちゃうれしそうだな。
あっ大文字先生お疲れさまです。
どうも。
(小宮山)先生駄目ですよ。
勝手に入って来ちゃ。
半田さんの許可はもらってます。
(小宮山)どうぞご覧ください。
オーバーキルですね。
オーバーキル?必要以上に攻撃を与えることです。
女性がオーバーキルをする場合そのほとんどが痴情のもつれが原因であり相手の苦しむ顔を見ながら刺すために真っ正面から襲い掛かります。
(青山)なるほど。
ただ逆に男性の場合はめった刺しすることを目的としているのでどの位置から刺すかは気にも留めません。
遺体の状況からして犯人は男性である可能性を示していますね。
(梶)これぞ本物のプロファイリングだな。
(由稀菜)ってことは犯人は物取りを目的とした被害者と顔見知りの男ってことですね。
すごい。
一気に絞れましたね。
研究室内が荒らされていたんです。
何か心当たりはありませんか?近々新しい音声認識システムを使ったAI技術の論文を発表するとは言ってました。
ここ最近それで忙しくて研究室で寝泊まりすることも…。
論文を。
ありがとうございます。
調べてみます。
はい。
足どうされたんですか?小さいときにケガしちゃって。
そうですか。
最後に一つよろしいでしょうか?はい。
ご主人の研究室にこれが置かれていました。
何か心当たりはありますか?駄目ですよ勝手に持ってきちゃ。
(美沙)これあの人が…。
FlowerValentine?ええ。
バレンタインデーに男性から女性に花を贈って気持ちを伝えるんです。
男の方から?
(塔子)欧米ではこっちの方がポピュラーなんです。
それを広めるイベントを母校でやらせてもらうことになって。
それでここ3日間ほど大学に来ていました。
殺された山岸さんもイベントに参加していたんですか?美沙へサプライズで贈りたいって頼まれて。
それで昨日私が作り方を教えたんです。
奥さんのために花を。
愛されていたんですね。
あの人に会ってたの?
(塔子)それが何?何で私に隠れて会ってるわけ?それじゃサプライズにならないでしょ?
(美沙)ふざけないでよ!塔子が殺したのよ。
あの人を塔子が!
(塔子)言い掛かりはやめてよ!2人とも落ち着いてください。
ちょっと落ち着いて!ちょっと庵堂さん止めてください!私の課題ではありません。
(めい子)死斑もないですし確かに死亡推定時刻は午後7時から9時の間ですかね。
(めい子)詳しくは解剖所見をお待ちください。
(浦部)分かった。
それにしてもうちの大学で殺人事件が起きるなんて。
この先生学内での評判はどうだったんだ?悪くありません。
生徒たちからも人気があった先生です。
私はタイプじゃありませんけどね。
どんなのがタイプなの?イケメン以外は目に入りません。
分かりやすくていいね。
ここを見てください。
犯人は背中を30カ所以上も刺しています。
相当恨みがある人物の犯行かもしれませんね。
恨みか…。
(小宮山)何?
(半田)三角関係?15年前まだ学生のころ霧島塔子は殺された山岸准教授と交際していたそうです。
(半田)それを今の女房の美沙が略奪したってことか。
はい。
ゼミのOBの話によると2人はもともと幼なじみで小学校から大学までずっと一緒。
大の仲良しだったそうです。
でもそれを機に犬猿の仲になったって。
(小宮山)男の奪い合いか。
昼ドラみたいなドロドロの展開ですね。
嫌いじゃない。
(半田)昔俺もあったなぁ。
女2人とパンクバンド組んでてさ。
(小宮山)取っ組み合いのケンカになったんだろ?初めて間近で見ましたよ。
女同士のガチのケンカ。
俺を巡って言い争いになってバンドは解散に追いやられた。
参ったよ。
女2人に泣かれちゃってさぁ。
(三宅)係長。
(半田)うん?
(三宅)誰も聞いてませんよ。
(半田)うん。
霧島塔子のアリバイは?7時から大文字ゼミのOB会だったんですけど1時間遅れて参加したそうなんです。
庵堂さんも証人の一人です。
(三宅)大学から居酒屋までは電車で30分ほどです。
(三宅)殺害してから参加するのはじゅうぶん可能ですね。
(浦部)アリバイはなく動機はじゅうぶんにある。
犯人は霧島塔子で間違いありませんよ。
今回はスピード解決だなおい。
でもドロドロしてたのは15年も前ですよね。
いまさら昔の男殺したりしますかね?女ってのはな執念深い生き物なんだよ。
よし。
浦部と小宮山は霧島塔子の当日の足取りを追ってくれ。
三宅君申し訳ないんだけど大学内に設置されている防犯カメラの解析をお願いできるかな?
(三宅)はい。
(半田)青年お前は大文字先生から話を聞いてくれ。
学部は違えど被害者とは同じ大学の同僚だ。
先生も何かと心穏やかじゃないだろ。
はい。
ああ!それから逮捕前に余計なことでトラブルを起こさないように庵堂を見張ってろ。
はい。
あれ?庵堂よもう〜。
おはようございます。
何してるんですか?あんなことがあったのでイベントを中止しようかと思って。
中止にする必要はありません。
イベントに参加するかしないかはそれぞれの課題です。
先生のお気持ちお察しします。
教え子が疑われるのは私の課題ではありません。
庵堂君ならきっとそう言うんでしょうね。
はい。
それいつも言います。
私の課題じゃないって。
彼女はアドラーが提唱する課題の分離を実践しています。
課題の分離?何ですか?それ。
例えば勉強しない子供がいたとします。
授業は聞かず宿題はせず教科書すら学校へ置いてくる。
あなたが親だったらどうしますか?将来のために勉強はしっかりやれって言い聞かせますよ。
では勉強するのは誰の課題ですか?それはもちろん子供の課題です。
うん。
子供の課題に対して親が「勉強しなさい」と命じるのは他者の課題に対して土足で踏み込む行為なんです。
これじゃあ衝突を避けることはできません。
私たちはこれが誰の課題なのかという視点から自分と他者の課題を分離する必要があるのです。
分離してどうするんですか?他者の課題には踏み込まない。
それだけです。
いやそれは違いますよ。
子供の将来を思って最低限勉強させるのは親の課題じゃないですか。
確かに世の親たちはあなたのためを思ってという言葉を頻繁に使います。
しかし実際は自分の目的や世間体支配欲を満たすために使っているんです。
そこにある嘘や欺瞞を察知するから子供は反発するんですよ。
じゃあ放任すればいいってことですか?放任しろとは言っていません。
それが本人の課題であることといつでも援助する用意があるということを伝えればあとは見守ればいい。
他者の課題を切り捨てることができず自分の希望を押し付ければ時に悲劇を生むことにつながります。
悲劇…。
今回の事件のように。
先生はもう犯人が分かってるんですか?犯人は男だっていうのは先生の見立てでしたよね?私はあくまで遺体の状況がそう物語っていると言っただけです。
(土方)失礼します。
(土方)青山さん庵堂さんが呼んでいますよ。
FlowerValentineのイベントはこちらです。
よろしくお願いしまーす。
愛する人に意中の人に花で思いを伝えてみませんか?ちょっと庵堂さん?FlowerValentineのイベントは…。
庵堂さん?こちらです。
何やってるんですか?待っていました。
私にも下さい。
何をですか?FlowerValentine。
えっ?よろしくお願いしまーす。
FlowerValentineかぁ。
あげてみようかな嫁に。
(由稀菜)それ私に意見聞いてます?いや独り言だよ。
喜ぶと思いますよ。
(梶)やっぱそうだよね。
まあ好きな人からもらったって条件付きですけどね。
やっぱそうだよね…。
どこにもありませんね。
論文に関するデータも資料も。
何で僕が庵堂さんのためにバレンタインなんか…。
できました?はいどうぞ。
やっぱり人にプレゼントできるような代物じゃありませんね。
ひどい。
人に作らせといて。
だいたい僕はバレンタインなんておかしいと思ってるんですよ。
チョコをもらったもらわないで優劣をつけるなんて。
あなたのモテない自慢なんか聞いてません。
別に僕はモテなかったわけじゃ…。
ありがとうございました。
手伝ってもらっちゃって。
いいえ。
あの一つお聞きしてもよろしいでしょうか?
(塔子)はい。
山岸さんは花をあげるような愛妻家には見えませんでした。
何でですか?結婚指輪をしていませんでした。
それと棚には趣味である模型ばかりが飾ってあり夫婦の写真は一枚もありませんでした。
それに花を扱い慣れてない人がそれなりのものを作ろうとしたときご覧のとおり時間が必要です。
論文発表前で忙しい人がそれに時間を割くとは思えません。
そんな人がなぜこのイベントに参加しようなどと思ったんでしょう。
よその夫婦のことは分かりません。
事件当日の夜OB会に遅れてきましたよね?何をしていたんですか?どうしてそんなこと聞くんですか?まさか私を犯人だと思ってるんですか?いえ形式的な質問なので…。
大学に残ってイベントの準備をしていました。
お一人で?夕方6時までは学生たちと一緒に。
それ以降は1人です。
そうですか。
確認させていただきます。
(バイブレーターの音)あっ相馬先生。
はい青山です。
はい今ちょうど大学にいますけど。
分かりました。
すぐ伺います。
解剖結果に関して話したいことがあるって。
ああちょっと…。
死亡推定時刻が間違ってた?胃の中の残留物を調べたら本当の死亡推定時刻は午後4時から6時の間だってことが分かったの。
間違っていたわけではありません。
犯人によって偽装されたんです。
偽装?死亡推定時刻は遺体を温めれば遅くなり冷やせば早くなるの。
発見当時遺体は温かかったでしょ?ああ確かに。
でも遺体には死斑もなかったですよね?大量出血している場合死斑は現れにくくなります。
これ厄介な事件かもね。
(浦部)どうりでおかしいと思いましたよ。
あの部屋は異様に暑かった。
エアコンで遺体を温めてたんですよ。
なるほどエアコンでか。
浦部今回は神ってんな。
(半田)霧島塔子の夕方4時から6時までのアリバイは?それが…ちょうどその時間学生たちと一緒にイベントの準備をしていたんです。
死亡推定時刻がずれたことでかえって塔子さんに完璧なアリバイができちゃいましたね。
霧島塔子犯人じゃないのか?そういうことになりますね。
じゃあ誰なんだよ?一瞬だったな神ってたの。
鑑識からも論文に関するデータが見つからないって報告がありましたし。
(半田)やはり物取りの線は捨てられないか。
(三宅)産業スパイとか。
(半田)おお…。
さすが三宅君。
(チャイム)
(ドアの開く音)こんにちは。

(美沙)どうぞ。
ありがとうございます。
この花がご主人からプレゼントされたものですか。
はい。
バレンタインの日は研究室にこもりっきりかもしれないからってその前にもらったんです。
主人からの最後のプレゼントです。
花が傷んでいます。
あの捜査に何か進展が?ありました。
霧島塔子さんにはご主人を殺害することは不可能でした。
そうですか。
じゃあ犯人はまだ…。
今回犯人の描いたとおりのシナリオで捜査が進んでいます。
つまりこの犯人は犯罪心理の知識にたけた人物です。
塔子さんと仲が良かったんですよね?はい。
昔はよく一緒にいました。
いつから仲が良かったんですか?家が近所で。
物心ついたころからよく一緒に遊んでいました。
足を悪くしてからはいじめに遭うようになってそれを助けてくれたのも塔子でした。
(児童)《遅くない?》
(児童)《キモい。
こっち見ないでよ》
(塔子)《美沙大丈夫?》
(塔子)《何してんの?美沙に何したの!?》それなのにあなたの結婚を機に仲が悪くなったんですね。
私が塔子から主人を略奪したっていう噂を流されて。
それ以来一度も会ってません。
久々に再会したのが先日のOB会だったということですか?はい。
事件当日の午後4時から6時のアリバイを教えてください。
その時間は家にいたと思います。
ずっと?いえ。
近所のスーパーに買い物に出掛けたりはしました。
そのときのレシートもまだ取ってあると思います。
見せていただけますか?はい。
解決できる。
解決できない…。
何してるんですか?あれ。
彼女にな今回は最短記録で解決するって宣言したらしい。
彼女…。
えっ?浦部さん結婚してますよね?まあな。
だがそれとこれとは別だ。
あっ!それ僕が作ったやつ…。
(浦部)解決できない。
解決できねえじゃねえか!お疲れさまです。
山岸美沙には夫を殺害する動機がありました。
(半田)どういうことだ?3カ月前山岸さんとの子供を流産しています。
自宅に水子地蔵があったので近所の産婦人科を回ったところ判明しました。
原因は精神的なストレスからくるものです。
精神的なストレスって?夫からのモラハラです。
山岸さんの行きつけの小料理屋で話を聞いてきました。
(美沙)《大丈夫?もう閉店の時間だから帰らないと》
(山岸)《俺に指図するな》《誰の金で飯が食えてると思ってんだよ》《どうせお前なんていっつも家で横になってるだけなんだろ》《飲み過ぎよ。
帰りましょう》
(山岸)《触るな!》《役に立たねえクズのくせして》《うっ…》学内での評判とはまるで別人ですね。
美沙さんをなじるのは日常茶飯事だったようです。
そのことで美沙さんも悩んでいました。
子供ができたら変わるだろうと願っていたそうですが結局はストレスで流産を。
よし。
山岸美沙の当日の足取り洗うぞ。
(小宮山・青山)はい。
(半田)浦部!
(浦部)はい!スーパーの防犯カメラを確認しました。
犯行当日午後4時半から約30分間山岸美沙は自宅近くのスーパーで買い物をしていたことが確認できました。
午後4時半から30分間だな。
三宅君。
(三宅)はい。
(半田)それで?・
(小宮山)その後5時20分ごろ自宅で宅配業者からの荷物を受け取っていたことも確認が取れてます。
(半田)分かった。
あとはこっちで調べてみる。
(三宅)駄目ですね。
山岸美沙には犯行は不可能です。
(三宅)自宅から大学まで車で30分。
スーパーに行き5時20分に自宅にいたとなると殺害はできませんね。
(半田)そうか。
いったいどうなってるんだこの事件は。
これではっきりしました。
(半田)何がだ?被害者は二度殺されたんです。
ちょっ…庵…。
二度?二度?
(塔子)庵堂さん。
どうしたんですか?こんなとこまで。
一つ花のプロの方に話を伺いに来ました。
美沙さんの自宅にあったフラワーアレンジメントがしおれていました。
新しい花がしおれる原因は何でしょうか?しっかり水あげされてなかったか。
他には?何でそんなこと聞くんですか?山岸さんが殺害されたのは別の場所だったかもしれません。
別の場所って…。
あの犯行現場は警察を欺くためつくられた偽物でした。
犯罪心理学を学んだ者ならあれぐらいの犯行現場をつくりだすことは難しいことではありません。
複数の刺し傷があったのはあたかもあの場所で殺害されたかのように見せ掛けるため。
その後捜査を誤った方向に導くため論文データを盗み物取りの犯行であるかのように細工し遺体が温かいうちに見つかるようドアを開けて立ち去った。
だったら本当の犯行現場は?
(小宮山)山岸美沙さんですね。
令状に基づいてこれより家宅捜索を行います。
何も見つからなかった!?
(小宮山)はい。
どこからもルミノール反応は出ませんでした。
家宅捜索までして何も出なかったじゃ済まされんぞ。
(三宅)係長が庵堂さんの推理に懸けてみるって言ってましたよ。
(半田)いや俺はあいつがドヤ顔で二度殺されたんですなんて言うからつい許可を…。

(浦部)係長。
山岸美沙の午後6時以降のアリバイの確認が取れました。
OB会の前に最寄り駅の喫茶店に寄ってます。
つまり自宅で殺害したとしても大学まで遺体を運び偽装工作する時間はありません。
(小宮山)庵堂お前どう責任取るつもりだ?
(浦部)何とか言えよおい。
逃げんのか!?おい!
(大文字)そんなに心配ですか庵堂君のことが。
はい。
見立てを間違えたってみんなから責められちゃって。
何かかわいそうで…。
そうですか。
力になってあげたいんですけど何をしたらいいか…。
馬を水辺に連れていくことはできるが水を飲ませることはできない。
(大文字)いくら援助しようとしても水を飲むか飲まないかは本人の課題です。
つまり本人の意向を無視した援助などは必要がないということです。
それも課題の分離ですか?
(大文字)庵堂君なら大丈夫ですよ。
他者から何と思われようがそれは庵堂君の課題ではありません。
それは分かってるんですけど…。
アドラーはこう言っています。
自分の人生に嘘をつくことなく自らの課題に立ち向かっていく勇気と強さが必要なんだと。
(教師)2人は本当に仲が良くていつも一緒に遊んでいました。
でもあの事故が起きてから少し関係が変わったように思います。
事故?
(教師)2人で校舎の階段で遊んでいたときに…。
(悲鳴)
(教師)私があの手を離さなかったらって塔子ちゃん泣きながらずっとそう口にしていました。
その事故で今でも美沙さんの足に後遺症が?
(教師)はい。
そうですか。
ありがとうございました。
また調べるんですか?これが最後です。
(美沙)また何も出てこなかったら訴えますよ。
覚悟の上です。
分かりました。
どうぞご自由に。
ではここに立ってください。
はい?ゼミで習いましたよね。
憎んでいる相手を女性が刺殺する場合その多くは相手の苦しむ顔を見たいと願います。
犯人は見たかったはずです。
いつも自分を苦しめていた人のおびえる顔を。
だから真っ正面から追い詰めた。
そして逃げようとした際背後から…。
《あっ…》刺した。
花。
えっ?花がしおれてしまっていたのは遺体を温める際暖房の風が直接花に当たってしまっていたからです。

(美沙)《小さいときにケガしちゃって》
(塔子)《よその夫婦のことは分かりません》
(美沙)《塔子が殺したのよ。
塔子が!》
(美沙)《それを助けてくれたのも塔子でした》見つけた。
(道子)霧島さん。
(塔子)こんにちは。
今日はどうしたんですか?総務部から構内の観葉植物の手入れを任されてね。
この車霧島さんのだったんですね。
あの事件があった日ここに止めてましたよね?あっ…。
いいんです。
失礼します。
(バイブレーターの音)間雁さん?どうしました?事件があった日に研究棟の搬入口に車が止まっていてその車の持ち主が…。
(悲鳴)もしもし?間雁さん?間雁さん!?
(道子)霧島さん。
ごめんね。
・塔子さん!塔子…。
大丈夫ですか?はい。
あの事件があった日研究棟の搬入口に止まっていた車は彼女のだね?はい。
間違いありません。
遺体を運ぶときに使用したんですよね?だからあの場所に止めていたんですよね?何言ってんですか。
美沙さんの自宅から山岸さんの血痕が発見されました。
あのフラワーアレンジメントは山岸さんが愛妻家であるとカムフラージュするためあなたが用意したものです。
今回の犯行は単独では不可能だとずっと思っていました。
美沙さんのアリバイが証明されればされるほど事件へのあなたの関与を確信していきました。
学生のころ山岸さんは塔子さんを捨てて美沙さんと付き合いだし周囲は面白がって2人を噂し始めた。
男を取り合って2人は仲が悪くなったと。
でもそれは違っていたんですね。
美沙さんに乗り換えた山岸さんはあなたたちが仲良くすることをよく思っていなかった。
だから2人は距離を置くようになったんです。
今回その噂を利用して僕たちの前でも仲が悪いふりをして共犯関係であることを隠そうとしたんです。
でもおかしいと思ったんです。
あなたに塔子さんには殺害は不可能だと伝えたときあなたはほっとした表情を見せました。
《そうですか》本当に嫌っていたのならあんな顔はしません。
美沙さんの携帯電話の通話記録を調べたらあなたの携帯電話の番号が何件も見つかりました。
美沙さんが流産した後も。
(美沙)《塔子…》
(塔子)《どうしたの?美沙》
(美沙)《殺されたあの男に》《私の赤ちゃん》
(美沙)《もう無理だよ。
許せないの》《同じ目に遭わせたい》《塔子お願いがあるの》あなたは断ることができなかったんです。
美沙さんの足をケガさせてしまったという負い目があったから。
そして美沙さん。
あなたは自分が頼めば塔子さんは必ず手を貸してくれると思っていたはずです。
足をケガした自分にはその権利があると。
ある種のねじ曲がった見返りを求め続けていたんです。
山岸さんを自宅で殺害したのはあなた。
現場を細工したのはあなた。
お互い補い合うことで完璧なアリバイをつくりだそうとしていたんです。
2人で計画を練り犯行日に合わせて大学でFlowerValentineのイベントを開催した。
《あっ…》事件当日美沙さんが山岸さんを殺害した後2人で遺体を処理。
そして塔子さんは学生たちに交じってアリバイをつくり自宅で死亡してる山岸さんの元へ向かうと大学へと運んで偽の犯行現場をつくったんです。
一連の犯罪計画は犯罪心理を学んだあなたたちだからこそできたことです。
(道子)最低です。
先生から教わった知識を犯罪に利用するなんて…。
臆測だけでここまで話すことはできません。
全て美沙さんが話してくれました。
塔子ごめん。
血痕が見つかって怖くなって…。
美沙…。
あなたたちの友情明確に否定します。
あなたは美沙さんには自分が必要だと思い込み勝手に美沙さんの課題に介入したんです。
それは今に始まったことではありません。
あなたは昔から安易に手を差し伸べることで美沙さんが自分で立ち上がり課題に立ち向かう勇気を奪っていたんです。
《美沙はいいよ。
私が取ってくるから》ケガをした足で生きていくことはあなたの課題ではありません。
ケガを負わせてしまったという負い目があったとしても他者の課題に介入するべきではありませんでした。
あなたは美沙さんを救いたかったのではなく美沙さんを救うことによって自分が救われたかった。
罪の意識を払拭したかった。
ホントの目的は自分が許されることだったんです。
ごめん塔子。
(美沙)ごめんなさい。
先生。
(塔子)ごめんなさい。
大切なのは何を与えられているかではなくて与えられたものをどう使うかです。
いいですか。
自分を変えることができるのは自分だけです。
行きましょう。
何ですか?こんな所に呼び出して。
いや…勘違いされたりするとあれなんでここがいいかなと思って。
これ。
いや日ごろの感謝の気持ちとしてですからね。
ありがとうございます。
いえ。
実は昔からバレンタインが大嫌いだったのはチョコをもらう人を見て何で僕はもらえないんだろうって悩んじゃったからで…。
フランスにあるヴァレンタイン村まで答えを探しに行ったんですけど結局分かんなくて。
けどもう気にしません。
今回すごく勉強になったんです。
人は人自分は自分。
課題の分離ですよね。
あなたがどう捉えたかは私の課題ではありません。
はい。

(三宅)係長。
(半田)はい。
一つ気になることがあるんですけど。
(半田)どうしました?三宅君。
(三宅)大学の防犯映像の解析を全部したんですけど遺体を運び入れた搬入口の映像だけが消えていたんです。
ただ壊れていたのか誰かが消したのか。
霧島塔子がやったんですかね?いやそういう供述はしてないけどな。
あっ。
えっ!?え〜…。
マジで…?2017/02/09(木) 22:00〜22:54
関西テレビ1
<木曜劇場>嫌われる勇気 #05[字][デ]【美しき計画殺人!血塗られたバレンタイン】

大学構内で殺人事件発生!容疑者は大文字ゼミの教え子たち…犯罪心理学が生んだ計画殺人の真相とは!?フラワーバレンタインが事件解決の鍵を握る!?

詳細情報
番組内容
蘭子(香里奈)は、大文字(椎名桔平)ゼミのOB会に出席していた。そこには、犬猿の仲で知られる塔子(内山理名)と美沙(中島亜梨沙)の姿もあった。その時、美沙の夫で帝都大学の准教授・山岸(六角慎司)が殺害されたとの報せが入る。
山岸は、自分の研究室で刺殺されていた。遺体を見た大文字は、遺体の状態だけを見ると、犯人は男の可能性が高いと指摘。蘭子は、山岸の机に置かれた「フラワーバレンタイン」という
番組内容2
イベントのチラシに塔子の名前があることに気づく。
蘭子が青山(加藤シゲアキ)とともに、イベントについて塔子から事情を聞いていると、美沙が来て、自分に隠れて夫に会っていたのかと激怒する。山岸は美沙へのサプライズを考えていたのだ、と山岸と会っていた理由を説明する塔子。しかし美沙は納得せず、2人は大ゲンカになる。もともと塔子と美沙は、大の仲良しだった。しかし、学生時代に塔子が交際していた山岸を美沙が略奪
番組内容3
してから絶縁状態となっていた。
山岸殺害時のアリバイがなく、動機もあることから、塔子が容疑者として浮上。青山は、15年以上前の恨みで今さら男を殺そうと思うかと疑問を投げかけるが、小宮山(戸次重幸)は、女は執念深い生き物だと一蹴する。後日、塔子主催のイベントが開かれ、蘭子も手伝いで参加する。そこへやってきた青山に、蘭子は自分にもフラワーバレンタインをくれと頼む。青山は、蘭子へ贈る花束を作り始める。
出演者
香里奈 
加藤シゲアキ(NEWS) 
相楽樹 
戸次重幸 
丸山智己 
桜田通 
飯豊まりえ 
岡崎紗絵 
寿大聡
 ・ 
正名僕蔵 
升毅 
椎名桔平
スタッフ
【原案】
岸見一郎 
古賀史健「嫌われる勇気」(ダイヤモンド社) 

【脚本】
徳永友一 
大石哲也 
ひかわかよ 

【音楽】
得田真裕 

【主題歌】
大塚愛 「私」 

【オープニングテーマ】
NEWS 「EMMA] 

【企画】
渡辺恒也 
橋爪駿輝 

【プロデュース】
目黒正之 
井元隆佑 

【演出】
池澤辰也 
及川拓郎 
星野和成 

【制作】
フジテレビ 
東映