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字幕書き起こし ダーウィンが来た!「巣を守れ!アマゾン 鳥の大作戦」 2017.02.19

寒〜い季節にうれしいものといえば毛糸の編みもの。
繊細な手仕事ですね。
こちらではなんと鳥が編みものをしています。
南米アマゾンに住むツリスドリ。
今日の主人公です。
クチバシをまるで編み針のように巧みに使い巣を編んでいきます。
丹精込めて作られた独特な形の巣。
大人2人で引っ張っても破れません。
とっても頑丈なんです。
枝にずらりと並ぶ巣はアマゾン屈指の安全性を誇ります。
巣に迫るさまざまな天敵にあの手この手の防衛策を繰り出すツリスドリ。
今回高い木の上の攻防に長期間密着。
すると…えっ!カメラマンの…なんとこれも…驚きいっぱい知恵いっぱい。

 

 

 

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鳥たちの命をつなぐ大作戦に迫ります。
世界最大の流域面積を誇るアマゾン川。
私たちが目指したのはペルー南部にあるその源流部です。
手つかずの森と水辺に鳥の楽園が広がっています。
カラフルな鳥がたくさんやってきましたよ。
大きさ1メートルほど。
世界最大級のインコベニコンゴウインコです。
奇妙な姿の鳥がいます。
ツメバケイです。
青い顔に赤い目。
インパクトありますね。
こんな怖い顔をして鳥の仲間で唯一木の葉を主食にしています。
この辺りで見られる鳥はなんと1,000種近く。
その生態を知り尽くしている人がこちら。
ベテラン野鳥ガイドのバウティスタさんです。
バウティスタさんがひときわ興味を持っている鳥がいます。
地上30メートル。
10階建てのビルに相当する高〜い木の上。
奇妙な形のカゴのようなものがたくさんぶら下がっています。
これ全部鳥の巣なんです。
巣の大きさはおよそ40センチ。
おや巣が動きだしました。
主人公の登場です。
大きさは25センチほど。
真っ黒な体に鮮やかな黄色い羽。
そして澄んだ青い目を持つ美しい鳥です。
周りには20個ほどの巣があります。
ツリスドリは1か所にまとまって巣を作るんです。
まるで団地みたいですね。
こちらの大木。
40個もの巣が鈴なりです。
大規模団地といったところでしょうか。
そんなツリスドリの暮らしぶり。
まずは独特な巣作りから見ていきましょう。
巣を作るのはメスの仕事です。
材料はこの細い糸のようなもの。
一体何でしょうか?メスが飛んで行った先にはヤシの木があります。
あっクチバシでヤシの葉を引っ張っています。
葉を縦に細く割いて材料にするんです。
ちょうど巣作りを始めた1羽を見つけました。
木の枝に絡ませようとしますがなかなかうまくいきません。
ヤシの葉は丈夫で弾力性があるため扱うのは大変なんです。
数日かけてようやく枝に巣を取り付ける最初の部分が出来ました。
新たな材料を付け足し巣を大きくしていきます。
ここからがまさに職人技。
まずクチバシで葉をくわえ押し込みます。
ぐいぐいと何度も押し狭い隙間に通しました。
さらに反対側から引っ張りしっかり締めつけます。
器用なものです。
1本の材料を1回。
2回。
3回。
4回。
5回!先のとがったクチバシをまるで編み針のように器用に使い繰り返し編み込みます。
だいぶ巣の形が出来てきましたね。
巣作りは20日もかかる大仕事なんです。
一生懸命巣作りに励むメスのそばでなんにもせずに眺めている者がいます。
オスです。
メスより一回り大きいこと以外ほとんど見た目は変わりません。
巣作り中のメスに求愛するため何羽ものオスが団地に集まってきます。

(鳴き声)オスたちが鳴き始めました。
(鳴き声)これはメスを巡るオス同士の鳴き合い合戦です。
(鳴き声)にぎやかですね〜。
鳴き合い合戦で勝負がつかないと…。
ケンカが勃発。
鋭いクチバシで相手を攻撃します。
オスはとっても気性が荒いんです。
激しい争いでどちらかが傷つくこともあるといいます。
ケンカが終わりました。
巣作り中のメスのすぐ近くに争いに勝ったオスが陣取ります。
でも負けたオスたちも団地から離れることはありません。
これはツリスドリならではの習性です。
1か所にまとまって巣を作るツリスドリ。
新たなメスが次々とやってきて巣作りをするのでオスたちは次のチャンスを待ち団地から離れないんです。
オスの大騒動の間にもメスの巣作りは着々と進んでいきます。
巣作りが終わりに近づいたころメスが鳥の羽根を運んできました。
ようやく完成です。
手間ひまをかけて作り上げた力作。
驚くほど丈夫だといいます。
今は使われていない巣で確かめてみました。
大人2人で力いっぱい引っ張っても…。
破れる気配は全くありません。
1つの巣に使われる材料は1万本。
丈夫なヤシの葉が複雑に絡み合っているためこれほど頑丈なんです。
巣の中を見てみると…。
底には柔らかい材料が敷き詰められていました。
メスはここで卵を産みヒナを育てます。
それにしてもツリスドリはなぜこんなに手の込んだ巣を作るんでしょうか。
最大の理由は天敵のサル対策です。
アマゾンには鳥の卵やヒナが大好物のサルがたくさん暮らしています。
もし卵が見つかってしまうとこのとおり。
すぐに食べられてしまいます。
でもツリスドリの巣ならそうはいきません。
細長い巣の底に卵があるためサルは簡単には取り出すことができないんです。
ツリスドリは周りが開けた背の高い木に好んで団地を作ります。
こちらではひときわ高いヤシの木に所狭しと巣がぶら下がっています。

 

 

 

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目立つ所に堂々と作られた巨大団地。
さすが大繁栄している鳥は違いますね〜。
ちょちょっと待った!どうしたんですか?ヒゲじい。
いやいくらなんでも目立ち過ぎですよ。
これじゃサルを呼んでいるようなもんじゃないですか。
大切な卵やヒナを育てるんだからもっと目立たないほうが安全だと思いますが?いえいえ。
目立つからこそ安全なんです。
どういうこと?森には木の上のサルを狙うオウギワシなどの天敵が暮らしています。
うわ〜怖そう。
開けた場所にある高い木はこうした天敵に見つかりやすいため用心深いサルたちはめったに近づかないんです。
ほう。
敵の敵を利用してサルが自然に「去る」というわけですな。
サル対策はそれだけではありません。
こちらの団地真ん中にある茶色い塊何だと思います?うん?え何ですか?これ。
なんとハチの巣です。
えっハチの巣!?ツリスドリは毒針を持つハチをガードマンのように利用して自分たちの巣を守るんです。
ほうガードマンですか。
一体全体どうやって守るの?取材班が実験をして確かめてみました。
用意したのはカメラをつけたサルのぬいぐるみ。
アッハハハこりゃかわいい。
これをハチの巣に近づけると…。
ハチが怒って飛び出してきました。
うわ〜怖い!あ〜あハチだらけだ。
はい。
これではサルはツリスドリの巣に近づくことはできません。
なるほど。
でもツリスドリは大丈夫なんですか?はい。
理由はよくわかっていないんですが鳥はほとんど襲われないといいます。
へえ!なんとも賢い作戦ですなぁ。
そうですね。
実際2か月にわたる撮影の間サルがツリスドリの巣を襲う様子は一度も目撃されませんでした。
へえ〜!ツリスドリすごい!これぞサルにまさる知恵。
なんちゃってね。
ある日のことです。
バウティスタさんが異変に気付きました。
巣が地面に落ちています。
何者かに襲われたようです。
中からは割れた卵が出てきました。
ほかにも地面に巣が転がっています。
驚くことにあれほど頑丈な巣に大きな穴が開いています。
一体何者の仕業なんでしょうか?高〜い木の上に巣を作るツリスドリ。
その撮影は苦労の連続でした。
最初に行ったのは撮影用のやぐらの建設。
巣を詳しく観察するためには欠かせません。
高さ25メートル。
ビルの8階にも相当します。
命綱をしっかりと締めていざやぐらのてっぺんへ!地上のスタッフにも手伝ってもらいますが狭くて不安定なはしご。
重た〜い機材を背負って登っていくのは大変です。
撮影スペースは畳2畳足らず。
いったん上がると一日中降りることはありません。
いつ訪れるかわからない決定的瞬間をひたすら待ち続けます。
ここで悩まされたのがツリスドリの団地からやってくるハチ。
う〜つらい〜!お昼どき。
お待ちかねの荷物が届きます。
この日のメニューは?2か月間ほとんど毎日こんな生活だったんです。
やぐらの上で粘りに粘った撮影。
このあとさらに驚きの展開が待っています!何者かによって地面に落とされたツリスドリの巣。
犯人の手がかりが残されていました。
巣にぽっかりと開いた穴です。
数日後。
バウティスタさんの予想が当たってしまいました。
オスたちの様子が変です。
興奮し大騒ぎしています。
(鳴き声)団地に侵入者が現れたんです。
見て下さいこの大きなクチバシ!名前はオオハシ。
鳥の卵やヒナが大好物です。
バウティスタさんによると巣に大穴を開けた犯人はこの鳥だといいます。
ツリスドリのオスたちが警戒の鳴き声を上げています。
オオハシが近づいてきます。
オスたちはさらに声を大きくします。
(鳴き声)オオハシは鳴き声にとまどっている様子。
あっ飛びました!諦めたんです。
オスたちの気迫が勝ってオオハシを追い出しました。
オスの勇敢さを物語る映像があります。
ツリスドリの仲間のオスが集団でオオハシを攻撃しています。
相手が逃げ出してもしつこく追いかけていきます。
空中でオオハシを攻撃!ケガを負わせることもあるといいます。
血気盛んなツリスドリのオス。
オオハシはその手ごわさを知っているに違いありません。
思い出して下さい。
巣作り中のメスを求めて常にオスがいるツリスドリの団地。
強力な守りがおのずと生まれる仕掛けが備わっているんです。
撮影を始めてひとつき。
メスたちが盛んに巣を出はいりするようになりました。
ずいぶん忙しそうですね。
あっクチバシに何かくわえて飛んできました。
巣の中でヒナがかえっていたんです。
捕まえてきたのは虫です。
子育てはメスだけで行います。
ヒナが巣立つまでひとつき近くの間お母さんはひたすら子育てに追われます。
毎日何十回と食べ物を探しに出かけなければなりません。
ところが…お母さんが巣から離れている間にとんでもないことが起きてしまったんです。
ツリスドリの団地に現れた大きな影。
あのオオハシです。
メスがいなくなるのを待っていたかのように巣の物色を始めました。
ヒナは大丈夫でしょうか?うわっやられてしまいました!まだ物足りないんでしょうか。
今度はクチバシで巣の脇を強引にこじあけようとしています。
あ〜またもややられた!ひとしきり傍若無人に振る舞ったオオハシ。
静かに飛び去っていきました。
団地に戻ってきたお母さんたち。
異変に気付いたようです。
突然いなくなってしまったわが子。
辺りを探してウロウロするばかりです。
もうちょっと待った!あ〜やっぱり来ちゃいましたか。
そりゃそうでしょ!オスたちは一体何をしてるんですか!いや実はこの時ほとんどのオスは近くにいなかったんです。
はぁいなかった?一体どうして?はい。
そもそもオスが団地にとどまるのは巣作り中のメスに求愛するためでしたよね?ああそうでした。
でもこの団地では巣をかけるスペースがなかったためか新たに巣作りを始めるメスがいなかったんです。
えそうなの?そのためほとんどのオスはチャンスを求めてほかの団地に行ってしまいました。
その結果巣の守りが手薄なタイミングが生まれてしまったんです。
う〜んツリスドリといえども無敵ではないんですな。
ヒナがやられてしまったら子育てはもう諦めるしかないんですか?いえいえヒゲじいそんなことはありません。
こちらは少し離れた所にある別の団地です。
ほらツリスドリがたくさん集まってますよ。
あホントだ!ヒナを失ったメスたちが新たに引っ越ししてきたんです。
しかも見て下さい。
えっ?おっ!巣作りを始めておりますぞ!はい。
ツリスドリは失敗しても何度でも諦めずに子育てを繰り返す習性があるんです。
へえそれはたくましいですなぁ。
でしょ?メスが巣作りを始めるとオスも自然と集まってきます。
こうして以前にも増して安全な団地が生まれるというわけなんですよ。
うんこれで団地はだんちがいに安全!なんちゃって。
あらら。

 

 

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今度こそ子どもたちが無事に巣立つといいですな。
ツリスドリたち子育て頑張ってね!悲劇からしばらくたったある日。
メスたちが引っ越してきたこの団地にもオオハシが現れました。
しかも2羽連れ立っています。
オスたちが一斉に鳴き始めます。
(鳴き声)様子をうかがうオオハシ。
オスたちは今にも飛びかからんばかりに威嚇の声を荒らげます。
(鳴き声)あっオオハシが離れていきます。
やりました!多くの仲間が集まったおかげで団地は堅い守りを手にしました。
決して諦めずに子孫を残そうとするツリスドリたちの執念が最強の敵を退けたんです。
撮影を始めて2か月。
ツリスドリの団地から無事に育った子どもたちが巣立っていきます。
こちらは若鳥。
目の青い大人とは違い黒いのが特徴です。
やがて仲間とともに新たな命をつないでいくことでしょう。
南米アマゾンのツリスドリ。
頑丈な巣を何日もかけて編み上げるメスの粘り強さ。
そしていざという時には一致団結して敵を追い払うオスの勇敢さ。
天敵に囲まれた大自然を不屈の精神で生き抜いているのです。
次郎は井伊の行く末を考え2017/02/19(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「巣を守れ!アマゾン 鳥の大作戦」[字]

クチバシを巧みに使い、頑丈な巣を作るツリスドリ。天敵のサルなどから巣を守る作戦を次々と繰り出す。中には怖いハチを用心棒にする秘策まで!鳥たちの驚きの知恵に迫る。

詳細情報
番組内容
アマゾン川の源流域に住むツリスドリ。クチバシを編み針のように巧みに使い、頑丈な巣を編み上げる。枝に並ぶ巣には数々の天敵対策が施され、アマゾン屈指の安全性を誇る。圧巻はハチを用心棒として利用する秘策。毒針を持つハチの巣近くに営巣することで、天敵のサルを寄せ付けないのだ。だが、大型の鳥・オオハシには巣を壊され、ヒナが大ピンチに!その時、ツリスドリがとった行動とは?鳥たちの命をつなぐ大作戦。歌:平原綾香
出演者
【語り】秋鹿真人,龍田直樹,豊嶋真千子