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地上波テレビの字幕を全文書き起こします

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セリフ書き起こし 「耳をすませば」

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(月島雫)こんばんは。
暑いわね。
ただいま。
(月島朝子)ありがと。
またビニール袋?牛乳1本なのに。
だってくれるんだもの。

 

 

 


(朝子)断ればいいじゃないあっ私にもちょうだい。
お父さんは?麦茶。
(月島靖也)うんもらう今そっちへ行く。
ありがと…ワープロあいた?今プリントアウト中だよ。
やっぱりノートワープロ買おうかしら。
(朝子)は〜っタバコ臭い。
雫も柏崎へ行けばよかったのに。
いいお姉ちゃんとだと疲れる。
そうだ明日出勤だった。
(朝子)え〜っお弁当?いいよ外食にする。
わが図書館もついにバーコード化するんだよ準備に大騒ぎさ。
やっぱり変えちゃうの?私カードのほうが好き。
僕もそうだけどね。
(朝子)ねぇこの文章おかしいわよ。
えっどこ?
(朝子)1行抜けてるのかしらここ。
(靖也)あっそうだいけねえ。
(朝子)あぁ先貸して急いでこれまとめなきゃ教授うるさいんだから。
この人…。
雫本もいいけど適当に寝なさい。
うんおやすみなさい。
やっぱり…見覚えある名前だと思った。
これにも…。
すごいこの人みんな私より先に借りてる。
「天沢聖司」…どんな人だろう?素敵な人かしら?
(朝子)雫!いいかげんに起きなさい私出掛けるよ。
何あなたそのまま寝てたの?お米といどいてよ。
いってらっしゃ〜い。
わっもうこんな時間!夕子と会うんだ!
(ドアが開く音)お財布。
何また下まで下りちゃったの?
(朝子)そう!おかしいなぁ。
電話のとこは?
(朝子)あった!自分で置いたくせに。
ヒャ〜遅刻する!戸締まりしてよ!粗こつ〜。
あぁ…。
わぁ随分低い!今日はいいことありそう!わ〜暑い!
(吠え声)ヤッホ〜元気だね。
ほらかっ飛ばせ!お〜い!雫〜!ヤッホ〜!頑張ってね〜!高坂先生います?
(高坂)あれ?月島じゃんどうした?先生お願い聞いてくれます?な〜に?変なことじゃないだろうね?図書室開けてください。
図書室?次の開放日まで待てないの?みんな読んじゃったんです。
市立図書館は今日休みだし。
私休み中に20冊読むって決めたんです。
20冊!?月島は仮にも受験生なんだよ。
(高坂)ほれ早くしな。
え〜っと…あった。
早く持っといで。
ほれほれ読書カードと貸出カードを出す出す。
お願いしま〜す。
うひゃ〜何これ!?今まで1人も借りてないじゃん。
貴重な本なんですよ市立図書館にもないんだから。
「天澤」…。
先生この天沢って人どんな人か知ってます?あ〜失敗しちゃったじゃないか。
寄贈した人だろそんな古いこと分からないよ。
ベテランの先生に聞いてみな。
(夕子)・雫!・
(夕子)あ〜もうこんな所にいた!11時に昇降口って言ったくせに15分も太陽の下にいさせて!またソバカスが増えちゃうじゃない!ご…ごめん。
(高坂)こらこら騒ぐな原田は気にし過ぎなんだよソバカス。
先生!私真剣に悩んでるんです!あ〜分かった分かった!ほれ2人とも出た出た。
上がれ上がれ!一応やってみたけどうまく行かないよ。
やっぱり英語のまんまでやったら?♪〜白い雲湧く丘を♪〜まいてのぼる坂の町♪〜古い部屋小さな窓
(雫:夕子)♪〜帰り待つ老いた犬♪〜カントリー・ロードはるかなる♪〜故郷へつづく道♪〜ウエストジーニア母なる山♪〜懐かしいわが町悪くないよ。
ダメだありきたり。
そうかなぁ。
こんなのも作った。
♪〜コンクリートロードどこまでも♪〜森を切り谷を埋め♪〜ウエスト東京マウント多摩
(雫:夕子)♪〜故郷はコンクリートロードハハハ…。
アハハ…何これ!で何よ?相談って。
訳詞はまだいいんでしょう?うん…雫好きな人いる?えっ…。
両思いの人がいたらいいなって思うよね。
受験だし励まし合って頑張れたらって…。
夕子好きな人いるんだ。
ラブレターもらったの!?シッ!やだ…。
いつ?どんな人?カッコいい?他のクラスの子少しカッコよかった。
付き合ってみたら?それでイヤなら断る。
でも…。
さては他に好きな人いるんでしょ。
えっ…。
隠してもダメほ〜れ白状しちゃえ。
えっ…あ…す…す…。
(杉村)・月島〜!・
(杉村)俺のバッグ取ってくれる?杉村。
(杉村)ねぇ!そこの青いスポーツバッグ!頼むよ月島!それ投げて〜!うるさいなぁもう!万年球拾い!
(杉村)ひでぇなぁレギュラーで3回戦突破したんだぞ。
夕子?わ〜!
うわ〜お!知ってるセリフばっかりね
カードにあるセリフが放送されると…
よくこんなの作れるねまるで魔法みたい。
あっマスが光った!
『金曜ロード』で検索して今すぐチェック!
杉村だったのか夕子が好きな人って。
どうしよう分かっちゃったかもしれない。
私あんな…。
大丈夫だってあいつにぶいから。
でもどうすんの?ラブレターのほうは。
うん…。
もう少し1人で考えてみる。
そっか。
(夕子)いいなぁ雫ん家は勉強勉強って言わなくて。
あんまり言われないのもつらい時あるよ。
そうかなぁ。
あっいっけない!どうしたの?本忘れて来ちゃった私帰るね。
乗っけてこうか?いい。
夕子塾遅れるよ。
また電話するね。
うん。
あ…。
あぁ…。
そ…その本…。
あぁこれあんたのか。
ほらよ月島雫。
名前どうして…。
さてどうしてでしょう?あ…図書カード。
お前さ「コンクリートロード」はやめたほうがいいと思うよ。
読んだな〜!やな奴やな奴やな奴。
やな奴!やな奴!やな奴!やな奴!!「『コンクリートロード』はやめたほうがいいぜ」。
何よ!
(月島汐)ただいま。
お姉ちゃん!?今日だったの。
あ〜疲れた!ちょうどこっちへ車で帰る人がいたんで乗せてもらっちゃった。
お母さんは?夏期集中講座だってお父さんは出勤。
雫少しは片付けな。
晩ごはんの支度は?お米といどくの。
・何これ雫!散らかしっ放しじゃない!・今やるとこ。
お母さん大変だから応援しようって決めたでしょ。
お米といだら洗濯物しまって。
シャワー浴びたら私がごはん作るから。
おばさんが高校生になったら雫も来いって。
うん…。
勉強進んだ?うん…。
ウチの親は何も構わないからって安心してるとひどいことになるからね。
してるよ〜!
(汐)でねお醤油まで持たせようとするのよ。
(朝子)おばさんらしいわねぇ。
(朝子)・確か去年もそんなことあったじゃない・
(汐)・そうお味噌持たされてさ重かったよ忘れないわ・
(朝子)・2kgぐらいあったわよね・
(掃除機の音)う〜ん…。
(掃除機の音)
(掃除機の音)雫いいかげんに起きな自分のとこ掃除機かけなさい。
シーツ洗うから出してフトンも干すのよ。
ん〜…お母さんは?
(汐)とっくに行った。
さっさと片付けてそのお弁当お父さんに届けてあげて。
え〜っ!?何よその声図書館に行くんでしょ。
代わりに私が行こうか?雫がトイレと風呂場に玄関掃除して生協に行ってくれるのよね?フトンを取り込んで買い物をして晩ごはんの支度するのよ?いってきま〜す。
(汐)・雫!・これポストに出しといて。
何?ポ・ス・ト!ああっ…。
見なくていいの!クリップごと出すんじゃないよ。
彼氏?バカ。
(発車の笛)
(アナウンス)次は杉の宮杉の宮お出口は同じく左側です。
ネコ君ひとり?どこまで行くの?外面白い?お〜い答えてよ。
私ここで降りるの君は?じゃあねネコ君。
あっ!あっネコ!図書館のほうへ行く!あ〜あせっかく物語が始まりそうだったのに…。
いた!あっ!あ〜!すごい坂…どこまで上るのかしら。
ハァハァ…。
あっ!ネコ君?ネコ君?この辺りに住んでるのかしら…。

(犬の吠え声)うわっ!ネコ君どこ行くの?この辺に住んでるの?あっ…。
丘の上にこんな所があるなんて知らなかった。
(犬の吠え声)性悪〜犬をからかって回ってるんだ。
(吠え声)う〜ん…私のことをからかってるのかも。
うわ〜お!知ってるセリフばっかりね
カードにあるセリフが放送されると…
よくこんなの作れるねまるで魔法みたい。
あっマスが光った!
『金曜ロード』で検索して今すぐチェック!
こんなお店が丘の上にあるなんて知らなかった。
素敵な人形…。
あなたはさっきのネコ君?ハッ!
(物音)
(西)やぁいらっしゃい。
あ…あの…。
いやそのままそのまま。
自由に見てやってください男爵も退屈してるから。
男爵ってこのお人形の名前ですか?そうフンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵すごい名でしょう。
あ〜すまん。
ありがとうもう大丈夫だ。
立派な時計ですね。
あるお城で眠ってたんだよすっかりサビついていたんだ。
ご覧。
わ〜きれい!これ何ですか?フフフ…。
出来上がってのお楽しみ。
(ゼンマイを巻く音)♪〜♪〜わぁ…。
♪〜よく出来てる!♪〜ドワーフですね。
よくご存じだ♪〜そうかお嬢さんはドワーフを♪〜知ってる人なんだね。
♪〜♪〜文字盤を見てごらんなさい。
♪〜うまく行くかな?♪〜
(時計の鐘の音)エルフ!ガラスが光るねここへ来なさい。
はい。
王女様?そうだね。
2人は愛し合ってるの?うん。
しかし住む世界が違うんだ彼はドワーフの王だからね。
12時の鐘を打つ間だけ彼女は羊から元の世界へ戻れるんだよ。
それでも彼は時を刻むごとにああして現れて王女を待ち続けるんだ。
きっとこの時計を作った職人が届かぬ恋をしていたんだよ。
それで2人とも何だか悲しそうなのね。
ああっ!この時計進んでますよね?ん〜でも5分ぐらいかな。
大変!私図書館に行かなきゃ!さよなら!おじいさんまた来ていいですか?ああ…図書館なら左行ったほうがいいよ。
・キャ〜!・わぁ図書館の真上!フフフ…。
いいとこ見つけちゃった物語に出て来るお店みたい!素敵〜!
(クラクション)・月島!月島雫!・これお前のだろ?えっ…ああっ!忘れっぽいんだな。
ありがとうでもどうして…。
さてどうしてでしょう?ネコ…そのネコ君の?お前の弁当随分デカいのな。
え…?違う!♪〜コンクリートロードどこまでも…違うの!コラ〜!!あれ?来てくれたのか。
どうしたんだ怖い顔して。
ちょっと説明しようがないの。
はぁ?とてもいいことがあって洞窟で宝物を見つけた感じだったの。
それが心ないひと言で生き埋めになった気分!ハハ…そりゃ複雑だ。
今日も借りてくかい?うんあと7冊は読まなきゃ。
相変わらずだね。
飯どうする?売店で済ます。
そうかじゃあありがとう。
「6月16日」。
すごい!天沢って人この本も読んじゃってる。
どんな人なんだろう…。
違うお前なんかじゃない!!
(朝子)雫早くしな!うわ〜遅刻!傘…傘取って。
新学期なのに雨ばっかりね。
文句言わない。
あなたは好きで勉強してるんでしょう。
は〜い。
しっかり勉強しなさい。
任せといて〜。
(夕子)雫〜!ヤッホ〜!早く!遅れるよ。
イヤね〜テストばっかりで。
毎日何かかんかあるね。
あれ返事した?ううん。
何も言って来ない?うん。
私やっぱり断る。
そっかうんそのほうがいいかもね。
杉村〜!
(杉村)ギリギリだぞ〜!分かってる〜!はい終わり集めて。
(チャイム)午後は通常だからな。
こっち来いよ飯食うぞ!雫高坂先生のとこへ行こう。
その前に職員室寄っていい?いいよ。
月島聞いて聞いて!何よ。
バッチシヤマ当たりすげぇの!この幸せ者。
休み時間に見た所がそのままドンピシャだぜ。
ただの野球バカじゃなかったんだ。
ヤマ張りなら夕子得意だよね今度一緒に勉強したら?原田が?杉村杉村。
何だよ?行こう雫。
無理やりくっつけようとしないで!分かった?私ヤマなんか当たったことないもの。
ごめん!失礼します。
本の寄贈者?僕に分かるかなぁ。
すみませんお食事中に。
この蔵書印なんです。
え〜っと…。
あぁ天沢さんじゃないか。
これ僕も読んだよいい本でしょう?はいとても。
それでこの天沢さんていう方はどんな人なんですか?何年か前に確かPTAの会長をされていた方だよ。
PTAの…あのその方の名前は分かります?名前?え〜っと…。
木村先生天沢さんは何ていいましたっけね?天沢医院のほら…。
(木村)天沢さん?確か航一ですよ天沢航一。
天沢航一。
月島同じ学年に天沢さんとこの末っ子がいるじゃないか知らないのか?ええっ!?あ…あの…。
ありがとうございました!失礼します。
うわっ!すみません!
(夕子)雫!どこ行くの?あ〜驚いた!驚いたのはこっちよ!ちゃんと説明してもらいますからね。
ごめん。
フ〜っ。
雫どっち行くのよ?何よ!完璧に無視してくれちゃって!雫誰?あいつどこへ行く気?あいつやな奴なの逃げるのやじゃない!
(絹代)アハハ…。
(ナオ)かわいい〜。
(夕子)私雫のお弁当を持って走り回ってたのよ。
ハハハ…。
(高坂)月島に男がねぇ…。
(絹代)先生雫にもようやく春が来たんですね。
違うって言ってるのに!本当は本の王子様に会ったんでしょ?ハンサム?だからどんな人かと思っただけ。
ねぇ夕子はその人の名前知ってんでしょ教えなよ。
夕子!それがとっさのことでさ「マ」がついてたんだけどマサキだっけアマ…。
ねぇ雫。
さぁね。
でもさ話を最後まで聞かずに飛び出して来るなんて月島らしいね。
知りたいけど知りたくないのよね。
揺れる心が苦しくてうれしい!まあロマンチックですこと。
そうやってからかってればいいでしょ。
せっかく『カントリー・ロード』の詩書いて来たのに。
出来たの?見せて見せて!雫様大詩人様もうしませんのでお見せください。
よろしい。
本当は自信ないんだ。
故郷って何かやっぱり分からないから正直に自分の気持ちで書いたの。
過激ね〜これ。
♪〜カントリー・ロードこの道♪〜ずっとゆけば♪〜あの街につづいてる♪〜気がするカントリー・ロード雫いいよ!私好き!歌いにくくない?何とかなるんじゃない。
後輩にあげるだけじゃつまらない私達も謝恩会で歌おうよ。
えっ謝恩会!?気が早い。
ここいいな「ひとりで生きると何も持たず街を飛び出した。
さみしさ押し込めて強い自分を守っていた」。
諸君予鈴だよ!
(一同)は〜い。
(チャイム)あ〜晴れた晴れた!
(夕子)雫〜!コーラス部にちょっと寄ってかない?あの詩見せるの。
いい!図書館に行かなきゃ。
え〜!?明日もテストあるよ。
図書館でやるもん。
(夕子)好きね。
じゃあね。
(夕子)バイバ〜イ!
(杉村)原田。
あのさ悪いんだけどちょっといいかな?うん…。
やっぱりお休み。
お花に水はやってあるのかなぁ。
男爵がいないわ。
買われちゃったのかしら…。
「西司朗」。
あいつも西っていうのかな…。
(自転車のブレーキ音)フ〜っ。
(汐)・雫!雫!・♪〜夕子ちゃんから電話!耳悪くなるよ雫。
夕子?えっ何?聞こえない。
うん今すぐ行くから。
うんじゃ切るよ。
どこ行くの?すぐそこ。
(ドアが閉まる音)どうしたの?夕子。
雫…。
どうしたのよ?何その顔!?雫どうしよう…。
杉村が友達に頼まれてあの手紙の返事くれって…。
ええっ!?あちゃ〜。
何で杉村がそんなこと言うのよ!おい…あいつにぶいからなぁ。
でもさ杉村だって夕子の気持ち知ってるわけじゃないし…。
杉村には謝る。
でもこんな顔じゃ学校へ行けないから明日は休むね。
テストも?うん。
そっか…。
バカ…。
何だよ…。
うまく行ったらしいよ。
あっ雫今日も図書館?夕子のとこ行ってみる。
あっそうかよろしくね。
うんバイバイ。
バイバ〜イ。
(杉村)・月島〜!・待てよ〜!原田のことなんだけど…。
そしたらさ原田の奴急に泣きだして…。
なぁ俺何か悪いこと言ったかな?杉村さ夕子は「あんたがどうしてそんなこと言うの」って言ったんでしょ?うんだから「野球部の友達に頼まれた」って。
違う!それって杉村にはそんなこと言われたくないってことよ!この意味分かるでしょ?分かんないよ!ハッキリ言ってよ!もう!本当ににぶいわね。
夕子はねあんたのことが好きなのよ!えっ!?そんな…俺困るよ!困るって…かわいそうなのは夕子よ。
ショック受けて休んじゃったんだから!だ…だって俺…。
俺お前が好きなんだ!えっ…!?や…やだこんな時冗談言わないで。
冗談じゃないよ!ずっと前からお前のことが好きだったんだ!ダメだよ私は…だってそんな…。
俺のこと嫌いか?付き合ってる奴がいるのか?付き合ってる人なんかいないよ。
で…でも…。
ごめん!待てよ!月島ハッキリ言え!だってずっと友達だったから。
杉村のこと好きだけど好きとかそういうんじゃ…。
ごめんうまく言えない…。
ただの友達か?これからもか?そうか…。
(吠え声)フ〜っ。
バカにぶいのは自分じゃないか。
(ドアが開く音)・月島さんちょっと待ってお届け物預かってるの・
(朝子)・あっいつもすみません・
(ドアが閉まる音)悪いわねいつももらっちゃって。
いいのよウチじゃ食べ切れないから。
帰ってたの?雫?ヤッホ〜。
君も閉め出されたの?君はこの家で飼われてるの?お腹へってない?君もかわいくないね私そっくり。
どうして変わっちゃうんだろうね。
私だって前はず〜っと素直で優しい子だったのに。
本を読んでもねこの頃前みたいにワクワクしないんだ。
こんなふうにさうまく行きっこないって心の中ですぐ誰かが言うんだよね。
かわいくないよね。
へぇ〜月島か。
あっ!よくムーンが触らせたな。
おいムーン寄ってかないのか?あのネコムーンっていうの?ああ満月みたいだろ。
だからムーンって俺は呼んでるけどね。
(吠え声)ムーンは君ん家のネコじゃないの?あいつを引き留めるのは無理だよ。
よその家で「お玉」って呼ばれてるのを見たことあるんだ。
他にもきっと名前があるよ。
ふ〜ん渡り歩いてるんだ。
そうか!ムーンは電車で通勤してるのね。
電車?そうなのひとりで電車に乗ってたの。
それで後をつけたらここへ来てしまったの。
そしたら素敵なお店があるでしょ。
物語の中みたいでドキドキしちゃった。
悪いこと言っちゃったな。
ムーンに「お前かわいくないね」って言っちゃった。
「私そっくりだ」って。
ムーンがお前と!?全然似てないよ!あ…あいつはもう半分化け猫だよ。
あの…。
お前…。
おじいさん元気?ず〜っとお店お休みだから元気かなって。
ピンピンしてるよ。
この店変な店だから開いてるほうが少ないんだ。
そうなのよかった。
窓からのぞいたら男爵が見えないんで売れちゃったのかなって…。
あぁあのネコの人形か。
見る?来いよ。
ドア閉めて。
わぁ…!空に浮いてるみたい…。
高所恐怖症?ううん高い所好き素敵…。
この瞬間が一番きれいに見えるんだよ。
こっち。
ちょうどいいやそこに座って。
時計がない!あぁそこにあったやつ?今日届けに行ったんだここへ来いよ。
売れちゃったの…。
もともと修理の仕事だもん。
そっか…もう一度見たかったなぁ。
3年がかりでさ月島が弁当を忘れた日に出来たんだよ。
あっあのお弁当…。
分かってるよお前のじゃないことぐらい。
ここへ来てネコの目ん中を見てみな。
早くしろよ光がなくなるぜ。
あぁ…!エンゲルスツィマー天使の部屋っていうんだ。
布張りの時に職人が偶然つけた傷で出来るんだって。
きれいね…。
男爵はなくならないよおじいちゃんの宝物だもん。
宝物?何か思い出があるみたいなんだ言わないけどね。
好きなだけ見てていいよ俺下にいるから。
電気そこねつけたかったらつけて。
不思議ね。
あなたのことず〜っと先から知っていたような気がするの。
時々会いたくてたまらなくなるわ。
今日は何だかとても悲しそう。
あぁもういいの?う…うんありがとう。
ねぇそれもしかしてバイオリン作ってるの?あ…ああ。
見ていい?うん。
こうなるんだよ。
わぁこれ全部自分で作ったの!?手で?当たり前だよ。
信じらんない!バイオリンは300年前に形が完成してるんだ。
あとは職人の腕で音の良しあしが決まるんだよ。
あれも全部作ったの?まさか!ここでバイオリン作りの教室もやってるからさ。
でもあなたのもあるんでしょ?うん。
ねぇどれ?どれ?あれ。
うわ〜これ?すごいなぁ!よくこんなの作れるね。
まるで魔法みたい。
お前なぁよくそういう恥ずかしいこと平気で言えるよな。
あらいいじゃない本当にそう思ったんだから。
そのくらいのもん誰でも作れるよ。
まだ全然ダメさ。
ねぇバイオリン弾けるんでしょ?まぁね。
お願い!聴かせてちょっとでいいから。
あのな〜。
お願いお願いお願〜い!よ〜しその代わりお前歌えよ。
えっ?ダ…ダメよ私音痴だもん!ちょうどいいじゃんか。
♪〜歌えよ知ってる曲だからさ。
♪〜『カントリー・ロード』♪〜♪〜ひとりぼっちおそれずに♪〜生きようと夢みてた♪〜さみしさ押し込めて♪〜強い自分を守っていこ♪〜カントリー・ロードこの道♪〜ずっとゆけば♪〜あの街につづいてる♪〜気がするカントリー・ロード♪〜どんなさみしい時だって♪〜決して涙は見せないで♪〜心なしか歩調が速くなっていく♪〜思い出消すため♪〜カントリー・ロードこの道♪〜故郷へつづいても♪〜僕は行かないさ♪〜行けないカントリー・ロード♪〜カントリー・ロード
(北)♪〜カントリー・ロード♪〜明日は♪〜あああ〜あ〜♪〜いつもの僕さ♪〜帰りたい帰れない♪〜さよなら♪〜♪〜カントリー・ロード♪〜♪〜
(聖司:雫)アハハハ…。
(西)いやいや愉快愉快。
月島雫ですこの間はありがとうございました。
いやお嬢さんにはまた会いたいなぁと思ってました。
この2人は僕の音楽仲間です。
(南)ナイスボーカル!例の時計が完成した時に居合わせた幸運な方ですな。
聖司君にこんなかわいい友達がいたとはねぇ。
えっ!?セイジ?あなたもしかして天沢聖司?ああ…あれ?言ってなかったっけ俺の名前。
言ってな〜い!だって表に「西」って出てた。
あれはおじいちゃんの名前だよ俺は天沢。
ひどい不意打ちだわ洞窟の生き埋めよ!空が落ちて来たみたい!何バカなこと言ってんだよ。
名前なんてどうだっていいじゃないか。
よくな〜い!自分はフルネームで呼び捨てにしておいて!お前が聞かないからいけないんだろ!聞く暇なんかなかったじゃない!あぁ天沢聖司って私てっきり…。
何だよ?優しい静かな人だと思ってたの!お前な本の読み過ぎだよ!自分だっていっぱい読んでるじゃない!ハハハハ…。
ホントに楽しかったみんないい人達ね。
また来いよじいちゃん達喜ぶから。
聴くだけならなぁ歌うのはつらいよ。
でも天沢君バイオリン上手だねそっちへ進むの?俺くらいの奴はたくさんいるよ。
それより俺さバイオリン作りになりたいんだ。
そうかぁもうあんなに上手だもんね。
イタリアのクレモーナにバイオリン製作学校があるんだよ。
中学を出たらそこへ行きたいんだ。
高校行かないの?家中が大反対だからまだどうなるか分からないけどおじいちゃんだけが味方してくれてるんだ。
すごいねもう進路を決めてるなんて。
私なんか全然見当もつかない。
毎日何となく過ぎちゃうだけ。
俺だってまだ行けるって決まっちゃいないんだぜ。
毎日親とケンカだもん。
行けたとしても本当に才能があるかどうかやってみないと分からないもんな。
送って行かなくていいの?うんもうそこだからじゃあね。
あ…月島。
何?お前さ詩の才能あるよ。
さっき歌ったのもいいけど俺「コンクリートロード」のほうも好きだぜ。
何よ!この前はやめろって言ったくせに!俺そんなこと言ったっけ?言った〜!そうかぁ?今日はありがとうさよなら。
雫スタンドちゃんと消しな昨日つけっ放しだったよ。
お姉ちゃん進路っていつ決めた?
(汐)えっ?進路!
(汐)あんた『杉の宮』受けるんでしょ?そうじゃなくって。
(汐)それを探すために大学へ行ってるの。
ふ〜ん。
(汐)おやすみ。
おやすみ。
うわ〜お!知ってるセリフばっかりね
カードにあるセリフが放送されると…
よくこんなの作れるねまるで魔法みたい。
あっマスが光った!
『金曜ロード』で検索して今すぐチェック!
お母さんってば自分が休講だからって起きないんだから!おはよう。
おはよう。
もっと速く走れ!先行っていい!
(チャイム)ヒャ〜助かった…。
雫!雫!ひどい顔ねぇ。
そういうあなたは立ち直り早いわね。
昨夜よそのクラスの男の子と歩いてたって?えっ!誰がそんなこと言ったの!?噂よ恋人同士みたいだったって。
そんなんじゃないよ。
原田あのことだけど俺のほうから断っとく。
ごめんな。
ううん私こそごめんね。
いいよ。
おい昨夜の『サスケ』見たか?すげぇんだ俺感動した。
(チャイム)この公式は中間に出すからねよく覚えときなさい。
え〜っ!?
(教師)終わります!
(チャイム)あのさ月島いるかな?天沢じゃん何?月島ってこのクラスだろ?月島?ああいるよ。
お〜い月島面会だぞ!男の!ほらあそこだよ。
聖司君!月島ちょっといいかな?は…はい!わ〜い!月島に男がいたぞ〜!・お・と・こ!お・と・こ!・違う!そんなんじゃないわよ!何?一体。
行けることになったんだイタリアへ。
えっ!?あっち行こう!どこ行くんだよ?屋上!あぁ…。
すげぇなぁ。
だって…あんなにたくさん人がいる所で呼び出すんだもん。
悪い一番先に雫に教えたかったんだ。
ご…誤解されるぐらい構わないけど。
親父がやっと折れたんだよただし条件つきだけどね。
えっ何?じいちゃんの友達が紹介してくれたアトリエで2か月見習いをやるんだよ。
見習い?その親方はとっても厳しい人なんで見込みがあるかどうか見てくれるって。
それに俺自身が我慢できるかどうかも分かるだろうってさ。
ダメだったらおとなしく進学しろって言うんだ。
俺そういうの好きじゃないよ逃げ道つくっとくみたいで。
でもチャンスだから行って来る。
いつ?いつ行くの?パスポートがとれ次第。
学校とは今日親父と話をつけるんだ。
じゃあすぐなんだ…。
よかったね夢が叶って。
ああとにかく一生懸命にやってみる。
お…。
あの…。
雨上がるぞ。
ホントだ。
わぁあそこ見て。
虹が出るかもしれない。
うん。
クレモーナってどんな町かな。
素敵な町だといいね。
うん古い町だって。
バイオリン作りの職人がたくさん住んでるんだ。
すごいなぁぐんぐん夢に向かって進んで行って…。
私なんかバカみたい。
聖司君と同じ高校へ行けたらいいなぁ…なんて。
ハハハ…てんでレベル低くてやんなっちゃうね。
シ〜!いるいる。
いたぞ。
俺図書カードでず〜っと前から雫に気がついていたんだ。
図書館で何度もすれ違ったの知らないだろ。
隣の席に座ったこともあるんだぞ。
ええっ!?俺お前より先に図書カードに名前書くため随分本読んだんだからな。
俺…イタリアへ行ったらお前のあの歌歌って頑張るからな。
私も…。
押すなバカ!キャ〜!コラ〜!!月島が怒った!怖いぞ〜!わっ来た!はい。
あぁすまん。
ごちそうさま。
(朝子)雫もう食べないの?夕子と待ち合わせ。
駅のほうへ行くなら牛乳買って来て。
え〜っ。
雫がガブ飲みしたんでしょ!
(ドアが閉まる音)この頃てんでたるんでるんだからあの子。
死んだ人間を蘇らせるっていうのか?はぁ…正確には死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口それが使者です。
使者はこれを使って死者を呼び出すんだ。
本物?彼女が死んだっていう事実が受け入れられない。
今どんな気持ちであの人が待ってるか考えたのかよ!ごめんなさい…。
あんたは優しいから。
あのコが消えるまでそばにいてあげて。
(踏切の音)ごめんサボらした?いいよ。
もう頭グジャグジャ。
(夕子の母)あら雫ちゃんいらっしゃい。
こんばんは。
(夕子の父)おかえり。
失礼しま〜す。
お茶いれるから取りに来なさいね。
(夕子)は〜い。
お父さんとケンカしてるの口きいてやらないんだ。
男の子ってすごいなぁ。
2か月で帰って来ても卒業したらすぐ戻って10年くらいは向こうで修業するんだって。
ほとんど生き別れじゃない!でもさこういうのこそ赤い糸っていうんじゃない?素敵だよ。
相手がカッコ良過ぎるよ。
同じ本を読んでたのに片っぽはそれだけでさ片っぽは進路をとっくに決めててどんどん進んでっちゃうんだもん。
そうかぁ…そうよね。
絹ちゃん1年の時同じクラスだったじゃない。
天沢君ってちょっととっつきにくいけどハンサムだし勉強もできるって言ってたわ。
どうせですよ〜。
そうあからさまに言わないでよますます落ち込んじゃう。
何で?好きならいいじゃない告白されたんでしょ?それも自信なくなった。
フ〜っ。
私分かんない私だったら毎日手紙書いて励ましたり励まされたりするけどな。
自分よりずっと頑張ってる奴に頑張れなんて言えないもん。
そうかなぁ…。
雫の聞いてるとさ相手とどうなりたいのか分からないよ。
進路が決まってないと恋もできないわけ?雫だって才能あるじゃない。
『カントリー・ロード』の訳詞なんか後輩達大喜びしてるもの。
私と違って自分のことハッキリ言えるしさ。
「俺くらいの奴たくさんいるよ」。
えっ?ううんあいつが言ったの。
あいつは自分の才能を確かめに行くの。
だったら私も試してみる。
決めた!私物語を書く。
書きたいものがあるの。
あいつがやるなら私もやってみる。
でもじき中間だよ。
いいの。
夕子ありがとう何だか力が湧いて来た。
帰る?うん。
お邪魔しました。
おかあさんによろしくね。
はい。
夕子も頑張ってね。
うん…。
夕子の良さきっと杉村にも分かるよ。
さよなら。
さよなら。
そうかぁ簡単なことなんだ私もやればいいんだ。
ムーン。
・ムタ!ムタ!・お母さんムタまた行っちゃったよ〜。
ムタ〜!ムタだって。

(西)ほうバロンを主人公に…。
お許しをいただけますか?聖司君からこのお人形がおじいさんの宝物だと伺ったものですから。
ハハハ…それでわざわざ。
いいですともただし条件が1つある。
はい。
僕を雫さんの物語の最初の読者にしてくれること。
あ…あの…。
どうですかな?やっぱり見せなきゃダメですか?だってちゃんと書けるかどうかまだ分からないから…。
ハハハ…。
それは私達職人も同じです。
初めから完璧なんか期待してはいけない。
そうだいいものを見せてあげようかな。
これこれ。
見てごらん。
雲母片岩という石なんだがね。
その割れ目をのぞいてごらん。
そうそうして…。
わぁ〜きれい…。
緑柱石といってねエメラルドの原石が含まれてるんだよ。
エメラルドって宝石の?そう。
雫さんも聖司もその石みたいなものだ。
まだ磨いてない自然のままの石。
私はそのままでもとても好きだがね。
しかしバイオリンを作ったり物語を書くというのは違うんだ。
自分の中に原石を見つけて時間をかけて磨くことなんだよ。
手間のかかる仕事だ。
その石の一番大きな原石があるでしょ。
はい。
実はそれは磨くとかえってつまらないものになってしまう石なんだ。
もっと奥の小さいもののほうが純度が高い。
いや外から見えない所にもっといい原石があるかもしれないんだ。
いや〜いかんいかん。
年をとると説教くさくていかんな。
自分にこんなきれいな結晶があるのかどうかとても怖くなっちゃった。
でも書きたいんです。
書いたらきっとおじいさんに最初にお見せします。
ありがとう楽しみに待ってますよ。
死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口それが使者です。
今どんな気持ちであの人が待ってるか考えたのかよ!ごめんなさい…。
しょうがない子だねぇ。
あのコが消えるまでそばにいてあげて!原石…。
ラピス・ラズリの鉱脈…。
(バロン)いざお供つかまつらん。
ラピス・ラズリの鉱脈を探す旅に。
恐れることはない新月の日は空間がひずむ。
遠いものは大きく近いものは小さく見えるだけのこと。
飛ぼう!上昇気流をつかむのだ!急がねば小惑星が集まって来た。
あああ…。
あっ!いいぞ!気流に乗った!このままあの塔を一気に越そう。
あんなに高く!?なぁに近づけばそれほどのことはないさ。
「行こう恐れずに。
午後の気流が乱れる時星にも手が届こう」。
あれ?へぇ〜珍しいな雫が物語以外の本を探してるなんて。
この人牢屋でバイオリン作ってるんだ。
あ…。
聖司君!もう行っちゃったのかと思ってた。
おじいちゃんに聞いてここじゃないかと思ったんだ。
会えてよかった明日行く。
明日…。
いいよ雫が終わるまでここで待ってる。
送れなくってごめんな。
ううん来てくれてとてもうれしかった。
見送りには行けないけど帰りを待ってるね。
うんたった2か月さ。
私…泣き言ばかり言ってごめんね。
私も頑張るね。
あ…。
じゃあいってくる。
いってらっしゃ〜い!私といいなずけのルイーゼは遠い異国の町に生まれた。
その町にはまだ魔法が生きていて魔法使いの血を引く職人達が工房を連ねていたものだった。
私達を作ったのは見習いの貧しい人形作りだった。
しかしルイーゼと私は幸せだった。
彼が人を愛する思いを込めてくれたから。
ところが…。

(夕子)雫…雫…。
(夕子)雫…!どうしたんだ?月島!わ…分かりません聞いてませんでした。
(教師)しっかりしろよ大事な時だぞ。
すみません。
(教師)原田代わりに読め。
はい。
え〜っまた4時まで起きてたの?平気だよ全然眠くならないもん。
でもさぁ雫この頃ポ〜っとしてること多いよ。
さっきだって…。
考え込んでただけよ。
書きたいことがあり過ぎてまとまらないんだ。
何か食欲ない…。
(ドアが開く音)
(朝子)雫?いるんじゃない。
(朝子)や〜ね明かりもつけないで。
(朝子)あ〜あ洗濯物ぐらいしまってくれればいいのに。
(朝子)雫!ちょっと来なさい雫!雫は?いるんだろ?欲しくないって。
あっお待ちしてました。
お手数をおかけします。
さぁこちらへ…進路指導室空いてるだろ?ああ。
どうぞ。
(ドアが開く音)
(朝子)・ただいま・おかえりなさい。
今日は早いのね汐。
はぁ〜疲れた。
コーヒー飲む?頼むわ。
お母さんちょっと相談があるんだけど。
(朝子)何?私家出ようと思うんだ。
(汐)もう部屋見つけてあるの。
でもお金かかるんでしょ?大丈夫バイトで貯めたし。
塾の先生の口見つけたから何とかやって行ける。
そうか…汐には手伝いばかりやらせちゃったもんね。
頑張りなおとうさんに話しとく。
ホント?うれしい!春までは何かと物入りだけど卒業したら私も働けるからそしたら少しは応援するね。
うん期待してる。
ごめんね修士論文で大変な時に。
ありがと。
データの整理手伝ってくれただけで大感謝してる。
部屋が広くなって雫も少しは勉強に集中できるよ。
あの子この頃変だもの。
やっぱりそう思う?今日学校に呼び出されたのこれ見て。
何?これ。
信じらんない!100番も落っことしてるじゃない!あの子机にかじりついて何やってるのかしらね…。
あっこんばんは。
おかえりなさい。
すいませんね。
(汐)あんな成績で一体どんな高校に行くつもりなの!いいわよ高校なんか行かないから!高校行かない?世の中甘くみるんじゃないわよ!中学出ただけでどうやって行く気!?自分の進路ぐらい自分で決めるよ!生意気言うんじゃないの!雫のはただの現実逃避だよ。
2学期で内申決まるの分かってるでしょ!勉強するのがそんなに偉いわけ!?お姉ちゃんだって大学入ったらバイトしかしてないじゃない!
(汐)私はやるべきことはやってるわ。
(汐)今やらなきゃいけないことから逃げてるのは雫でしょそれが分からない?逃げてなんかいないもっと大事なことがあるんだから。
大事なことって何よ?ハッキリ言ってごらん。
(靖也)汐雫もうよしなさい。
だって…お父さん雫ったらひどいのよ。
うん2人ともこっちに来て訳を話してごらん。
雫ちゃんと服を着替えておいで。
早くしな。
なるほど…。
雫汐の言った通りかい?テストがどうでもいいなんて思ってない!さっき高校へ行かないって言ったじゃない。
だってお姉ちゃんがどこへも行けないって言った!汐雫と2人で話をするから席を外してくれないか。
はい。
かあさんは?田中さんとこ。
(朝子)・ただいま・
(汐)おかえりなさい…お母さん。
(朝子)・おとうさん帰ってるの?・
(汐)・うん・
(靖也)かあさんもここへ来てくれないか雫のこと汐から聞いたとこなんだ。
(朝子)・はい・
(靖也)さて…雫。
今雫がやってることは勉強よりも大切なことなのか?
(靖也)何をやっているのか話してくれないか?言える時が来たら言う。
雫それって今すぐやらなきゃいけないことなの?時間がないのあと3週間のうちにやらないと。
私その間に自分を試すって決めたんだからやらなきゃ…。
試すって何を?何を試してるの?
(朝子)黙ってちゃ分からないでしょ。
おとうさんやおかあさんには言えないことなの?あなた。
あ…すまんついな。
雫が図書館で一生懸命何かやってるのを見てるしなぁ。
感心してたんだよ。
雫のしたいようにさせようかかあさん。
(靖也)1つしか生き方がないわけじゃないし。
(朝子)う〜ん…。
そりゃ私にも身に覚えの1つや2つはあるけど…。
よし雫自分の信じる通りやってごらん。
でもな人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。
(靖也)何が起きても誰のせいにもできないからね。
それからごはんの時はちゃんと顔を出しなさい。
そうだ家族なんだからね。
はい。
汐を呼んで来て。
お茶いれるわ。
うん。
(汐)雫。
お父さんああ言ってるけど本当は勉強してもらいたいと思ってるんだからね。
分かってる背中に書いてあるもん。
私今度の日曜日に引っ越すからね部屋1人で使えるよ。
お姉ちゃん家出るの?
(汐)そうしっかりやんな。
ハァハァハァ…早く!早く!早く!本物は1つだけだどれ?どれが本物?早く!早く!早く!キャ〜!!ルイーゼ来てくれたのか私はもうすっかり年をとってしまったよ
(薪が落ちる音)フ〜…。
雫さん…さぁどうぞ。
いやすっかり眠ってしまった。
すみませんあの…物語を書いたので持って来ました。
お〜それで…出来たんですね。
約束です最初の読者になってください。
これは大長編だ。
あの今すぐ読んでいただけませんか?何時間でも待ってますから。
しかしせっかくの作品だから時間をかけて読みたいがなぁ。
つまらなかったらすぐやめていいんです。
いえご迷惑でなかったらあの…。
ドキドキしてとても…。
分かりましたすぐ読ませてもらいます。
さぁ火のそばへ今日は冷え込む。
これで邪魔者は来まい。
あの…私下の部屋で待ってちゃダメでしょうか?ん…?平気ですちっとも寒くありません。
ふ〜む構わんがしかし…。
(ドアが開く音)
(西)こんな所で…雫さん読みましたよ。
ありがとうとてもよかった。
ウソ!ウソ!本当のことを言ってください!書きたいことがまとまってません後半なんかメチャクチャ。
自分で分かってるんです!そう荒々しくて率直で未完成で聖司のバイオリンのようだ。
雫さんの切り出したばかりの原石をしっかり見せてもらいました。
よく頑張りましたねあなたは素敵です。
慌てることはない時間をかけてしっかり磨いてください。
(泣き声)
(泣き声)さぁここは寒い中にお入り。
私…私書いてみて分かったんです。
書きたいだけじゃダメなんだってこと。
もっと勉強しなきゃダメだって…。
でも聖司君がどんどん先に行っちゃうから無理にでも書こうって…。
私怖くて怖くて…。
聖司を好いてくれてるんだね。
味はどうかな?おいしいです。
聖司の時はラーメンだったな。
最初のバイオリンが出来た時さ。
それもジャンボ大盛りだ。
やぁありがとう。
さてどこまで話したかな?ドイツに留学して町のカフェでバロンを見つけたって…。
そうそう。
メランコリックっていうのかなぁこの表情に引かれてね。
店の人にぜひ譲ってほしいと申し出たんだ。
でも断られた。
「このネコの男爵には連れがいる恋人同士を引き離すことはできない」ってね。
ちょっとした修理に職人の元へ戻してある貴婦人のネコの人形の帰りをバロンは待ってるって言うんだ。
それってまるで私の作った物語と…。
そうなんだ不思議な類似だね。
帰国の日も迫っていたし僕はあきらめようと思った。
その時ね一緒にいた女性が申し出てくれたんだ。
恋人の人形が戻って来たら彼女が引き取って2つの人形をきっと一緒にするからって。
店の人もとうとう折れてね。
僕はバロンだけを連れてドイツを離れることになった。
必ず迎えに来るからそれまで恋人の人形を預かってほしいとその人に約束してね。
2つの人形が再会する時は私達が再会する時だと…。
それからすぐ戦争が始まってね僕は約束を果たせなかった。
ようやくその町に行けるようになってから随分捜したんだ。
しかしその人の行方もバロンの恋人もとうとう分からなかった。
その人おじいさんの大切な人だったんですね。
追憶の中にしかいなかったバロンを雫さんは希望の物語によみがえらせてくれたんだ。
そうだあれを…。
さぁ手を出して。
あの…。
その石はあなたにふさわしい。
差し上げます。
しっかり自分の物語を書き上げてください。
はい。
ありがとうございました。
さよなら!
(ドアが開く音)・ただいま・おかえり。
お父さんは?お風呂。
あなた今何時だと思ってるの?ご心配をおかけしました。
今日からとりあえず受験生に戻ります。
ご安心ください。
あらじゃあ「試し」とやらが終わったのね。
とりあえずね。
ごはんは?カレーあるよ。
・いい・はぁ〜「とりあえず」か…。
フ〜っ。
(靖也)・雫入るぞ風呂に入れ・戦士の休息だな。
よいせっ!と…。
(戸が閉まる音)フ〜っ。
ウ…ウソ!ま…待ってて。
あっ…。
奇跡だ!本当に会えた!夢じゃないよね?飛行機を一日早くしたんだ乗れよ。
あっちょい待ちそれじゃ寒いぞ。
さぁ乗った。
私コート取って来る。
時間がないんださぁ乗って。
しっかりつかまってろ。
雫に早く会いたくてさ何度も心の中で呼んだんだ。
「雫〜!」って。
そしたらさ本当に雫が顔を出すんだもん。
すごいよ俺達!私も会いたかった。
まだ夢みたい。
(クラクション)クレモーナはどうだった?見ると聞くとは大違いさでも俺はやるよ。
あ…明るくなって来たな。
降りようか?大丈夫だ。
お前を乗せて…坂道上るって…決めたんだ!そんなのずるい!お荷物だけなんてやだ!私だって役に立ちたいんだから!分かった頼む。
もう少しだ。
雫!早く乗れ!うん。
間に合った。
わぁ〜。
持とうか?平気。
こっち。
すご〜い朝もやでまるで海みたい。
ここ俺の秘密の場所なんだ。
もうじきだぞ。
これを雫に見せたかったんだ。
おじいちゃんから雫のこと聞いてさ。
俺何も応援しなかったから…。
自分のことばっかり考えてて。
ううん聖司がいたから頑張れたの。
私背伸びしてよかった。
自分のこと前より少し分かったから。
私もっと勉強する。
だから高校へも行こうって決めたの。
雫あのさ…。
俺…今すぐってわけにはいかないけど…。
俺と結婚してくれないか?俺きっと一人前のバイオリン作りになるからそしたら…。
うん。
ホントか!?うれしいそうなれたらいいなって思ってた。
そうかやった〜!待って…風冷たい。
雫大好きだ!!『カントリー・ロード』ひとりぼっちおそれずに生きようと夢みてたさみしさ押し込めて強い自分を守っていこカントリー・ロードこの道ずっとゆけばあの街につづいてる気がするカントリー・ロード歩き疲れたたずむと浮かんで来る故郷の街丘をまく坂の道そんな僕を叱っているカントリー・ロードこの道ずっとゆけばあの街につづいてる気がするカントリー・ロードどんな挫けそうな時だって決して涙は見せないで心なしか歩調が速くなっていく思い出消すためカントリー・ロードこの道故郷へつづいても僕は行かないさ行けないカントリー・ロードカントリー・ロード明日はいつもの僕さ帰りたい帰れないさよならカントリー・ロード
(サッシャ)
来週は…
死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口それが使者です。
2017/01/27(金) 21:00〜23:19
読売テレビ1
金曜ロードSHOW!「耳をすませば」宮崎駿脚本 近藤喜文監督[解][字][デ]

あなたの人生に刻まれる忘れられない映画体験を…全人類必見の青春物語!初めて人を好きになったあの頃の気持ち…ピュアな思いがいっぱい詰まったスタジオジブリ作品!

詳細情報
おしらせ
▽公式ホームページ「金曜ロードシネマクラブ」では作品の裏話や制作秘話をチェックできる特設サイトを開設!
 放送中はスマホ&データ放送で楽しいゲーム「セリフでBINGO」を実施します!
 フェイスブックやツイッターも!詳しくは「金曜ロード」で検索!!
番組内容
中学3年生の夏休みを前にした雫には、気になっていることがある。図書室で本を借りると、必ず図書カードに「天沢聖司」という名前が書いてあるのだ。読書家で自分と本の好みが似ている男の子…。雫が彼に恋にも似たほのかな想いを抱きはじめていたある日。同級生の聖司とサイアクな出会いを果たした雫は、偶然迷い込んだアンティークショップ「地球屋」で彼と再会する。そこには美しい猫の人形・バロンが飾られていて…
出演者
<月島雫>本名陽子
<天沢聖司>高橋一生
<月島靖也>立花隆
<月島朝子>室井滋
<バロン>露口茂
<西司朗>小林桂樹
<月島汐>山下容莉枝
<高坂先生>高山みなみ
<原田夕子>佳山麻衣子
<杉村>中島義実
原作・脚本
【原作】
柊あおい
【脚本・絵コンテ】
宮崎駿
監督・演出
【監督】
近藤喜文