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字幕書き起こし 地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子 第5話 2016.11.02

(登代子)恩返して。
(折原幸人)えっ?
(尾田)よいしょっと。
(尾田)もうえっちゃんこんなとこで寝ちゃダメだって。
(尾田)えっちゃんえっちゃん!何本気にしてんの?バカじゃない?何があった?話してみたら楽になるかもしれないよ。
いやなんない。
言ってみなきゃ分かんないじゃん。
分かるよ!不倫相手とうまく行ってないって言ったところで楽になるわけがないじゃん!だって不倫だよ?超ダサいじゃん。
ハッ…それだけじゃない。
上司にはくだらないって言われるし先輩には何もかも負けてる気がするし。
自分が何なのか何がしたいのかそういうの全然分かんないんだよ!えっえっ!?偶然奇遇全く同じ。
俺も自分が何してんのか分かんない。
大学作家モデルも全部中途半端で何がしたいのかこの先どうしたいのか全然分からない同士だぜイェイ!えっ?イェ〜イ!オイイェ〜イ!ホ〜!ホ〜!ちょっと痛い!イェ〜イ!バカじゃないのあんた!痛い!バカは地球を救うんだよ?あっえっ何だっけ?それ。
あれあれ?俺のデビュー作にして史上最年少文学賞を受賞した唯一売れた本でしょ?あっ何かその辺にあったやつだ。
おい何だ「その辺」ってゴミ扱いか!フフフ…!はい笑った。
あ〜もう!はぁ…飲もっか!うんビール!

 

 

 

 

(りおん)ハァ〜…。
(河野悦子)すんごい量の書き込みですね。
はいただこの作家の担当編集者は作家に渡す前にチェックしてほとんど消してしまいますが。
えっじゃあ藤岩さんがやった作業全部無駄になっちゃいますよね?気になったことは全て指摘出しをするのが我々の仕事です。
あくまで常識の範囲内での話ですが。
ですから仮に採用されなくても無駄になったとは思いません。
なるほど。
(正宗)おはようございます!
(一同)おはようございます。
(りおん)今日は何か?ゲラのお届けに上がりました。
(りおん)編集の担当はどなたですか?貝塚さんです。
「自分の所に持って来る必要ないから直接校閲に持ってけ」だそうです。
チェックする気ゼロですね。
ホントにまったくとんだタコ野郎だわ。
(りおん)分かりました。
確かに受け取りました。
よろしくお願いします。
米岡さん。
(米岡)えっ?ちょっと自分の趣味で申し訳ないんですけどこれこの間の本のお礼です。
よかったら着てみてください。
えっ何?プロレス?
(青木)あっ!
(正宗)はい俺大好きで!よかったら今度それ着て試合見に行きませんか?おそろいのやつ持ってるんで。
あぁ…うん考えとく。
これキャプテン・ノアのTシャツですよね?そうですよ!青木さん知ってるんすか?は…はい!好きなの?実は。
ありがとう。
はい。

貝塚)おいおいおいこれは何でしょうか?あらこちらは私がいつも以上に懇切丁寧に校閲したゲラじゃないですか。
そうですか。
…って付箋だらけじゃねえかよ!何だ?と思って見たら大したことない所にもたっくさん付けやがって!このまま作家に渡すとこだったよ!っしゃあ!大成功。
はぁ?いやこんだけ付箋付けとけばさすがのあんたもね作家に返す前にチェックするかなと思って試してみたのよ。
ヒントをくれたのは藤岩さんだからお礼を言ってあげてね。
ありがとうございました。
あのなこれチェックするのにどんだけ時間がかかったと思うんだ?俺忙しいんだよ無駄なことさせんなよ!何?それ。
作家にノーチェックでゲラをスローインさせてる手抜き編集者を教育し直してあげてんだから感謝してほしいぐらいだよねぇ藤岩さん!私を巻き込まないでください。
あのな…あのな俺はなコーエツ俺はなお前と違って先生方を接待するのにとっても忙しいんです。
そんなこと知らないわよ。
経費で飲み食いしといて文句言ってんじゃないわよこのタコが!タコタコ言うなっつうんだよ!何でそんなこと言うの?貝塚タコ八郎は親からもらった大事な名前でしょ?まぁそうなんだけど…。
…って違うわ!フフっ。
俺は貝塚八郎だよ誰が貝塚タコ八郎だよ!そんな勝手なお前ミドルネーム付けんな!ミドルネームウケる!はぁ?ハハハ…!
(茸原渚音)はい今日のじゃれ合いはそこまで。
茸原さん勘弁してくださいよ!ハハハ。
では河野さん次はこれをお願いします。
はい。
ふぅ…。
来たこれ!!
貝塚)うるせぇな何が来たんだよ?フロイライン登紀子だよ!あ〜。
ん?誰?知らないの?うん。
『Lassy』でずっとファッションエッセーを書いてた超人気スタイリストフロイライン登紀子!全然知らない。
えぇ…。
本来ね編集者が中心となって作る雑誌ページをフロイライン登紀子は主導権を握って作ったの!それまでは裏方だったスタイリストを人気職業の一つに押し上げたっていう伝説のスタイリストよ!あっでも何年か前にイタリアに移住してからは日本で仕事してませんよね?イタリアで出版したエッセーを自ら翻訳して出版することになったんです。
お〜!うわ〜!
貝塚)ただし今回はお前の好きな事実確認は必要ない。
誰がそんなもの好きだなんて言いました?向こうの版元がどれくらいの校閲をしたか分からないがわざわざイタリアに行って調べる…っていうわけにもいかないからこのまま出版することになったんだ。
まぁ今回は翻訳後の文字校正だけやっとけばいい。
分かりました!ついについに…私の好きだからこそできることを発揮する時が来たぁ〜!うるさいなぁお前ホントに分かってんのか?分かってます!よし!
(さやか)いよいよ来月号で専属モデルを決める投票を行いますそこで投票ページのスタイリングをフロイライン登紀子さんにお願いすることになりました。
(さやか)イタリアから一時帰国してるって聞いてダメもとで頼んでみたら快く引き受けてもらえたの。
この目玉企画にはふさわしいゲストよ。
ただ撮影にはものすごくこだわる人だから抜かりのないように準備をお願いします。
(一同)はい。
(望)森尾水島。
(2人)はい。
撮影のコンセプトそれぞれ考えてると思うけど明日までに企画書にして。
(琴音)はい。
はい。
また残業?だね。
まともな休みもないし勘弁してほしい。
よし。
よっしゃリーチ!え〜どうしよう…かなぁ。
ちょっと待ってちょっと待って。
ん?待たない。
そこ置かれたらさ俺…。
素直に負けを認めたら?参りました。
イエス!3連勝!クッソ〜…。
ねぇ何でそんな強いの?初めてってウソでしょ。
いや〜何ていうかここの差かなぁ?ムッカ〜っしゃあ!もう一回勝負じゃい!いいよあっ待ってビール。
飲む?飲む。
いや違うマジ今の油断しただけ。
(登代子)家帰って誰かいるっていいよね。
ん?いやさぁ今の人なんていっつも時間ないし絶対に泊まって行かないし。
部屋で待ってるなんてことまぁまずないからね。
そんな人と付き合ってて楽しいの?ん〜隙間は埋まる。
何か大人。
フッ。
よし!いいよ。
よっしゃ!ちょっとハンディもらえないですかね?ちょっと待って何言ってんの?
(着信音)あっえっちゃんだ!ごめんちょっと待って。
(登代子)うん。
(着信音)
(着信音)はいもしもし。
もしもし悦子です今大丈夫?大丈夫だよ明日の時間だよね?うん。
仕事何時に終わるんだっけ?え〜っと6時ぐらい。
ん〜じゃあ7時でいい?うんフフフ大丈夫分かったアハハねぇねぇねぇちなみにどこ行くの?内緒。
え〜ヒントは?フフフ…。
ん〜…昭和レトロ。
昭和レトロ?うん。
うん分かったうんうんうん。
OKじゃあまた明日ねおやすみバイバ〜イ!昭和レトロ?昭和レト…。
え〜!楽しみ!何着てこう?どうしようかなぁ。
あ〜どうしようかなワクワクワクワク。
ん〜ホントにこれで合ってるのかなぁ?ん?フロイライン登紀子のエッセー?ん〜事実確認必要ないって言われたんだけどでもこのままホントに出していいのかなと思って。
いいんじゃないの?だって調べようがないじゃん。
まぁそうなんだけどね。
しかし今日はまた一段と派手だね。
そう?
(りおん)以前私に言いましたよね?TPOを大切にしなさいと。
今日のあなたの服装はとても仕事向きの服装とは思えませんが。
そりゃそうですよ。
仕事の後のデートに標準を合わせた服装ですから。
わっもう時間だ。
じゃあデートなんでそろそろ失礼しま〜すフフフ。
お疲れさまでした〜。
(米岡)お疲れさまでした。
・FujinRaijinWow!・幸人君お待たせ!おっ。
かわいい!えっホント?うれしい!よかった!フフフ。
・Sobeautiful!・IsitOK?Wetakeapicture.えっ?えっえっ何何?キレイだから写真撮らせてくれだって。
えっ?英語うわっ幸人君カッコいい。
えっ幸人君と一緒に…。
はい行くよはいチーズ。
Cheese!うわ〜キレ〜イ!この時間に入れるの今の時期だけなんだよ。
そうなんだ!何乗りたい?ジェットコースター!OK!
(着信音)あっごめん。
(着信音)森尾さんだ出ていい?もちろんもちろん。
もしもし。
デート中ごめんね実はさ投票ページのスタイリングをしてくれるスタイリストさんが服を選ぶ前にモデルを見たいって言いだしてさっきイタリアから帰国したばっかなんだけど今すぐ見せろって聞かないんだよね。
あ〜…。
分かりましたすぐ行きます。
仕事?うん。
何か投票ページのスタイリストさんに顔見せしなきゃいけないんだって。
さっきイタリアから帰国したばっかりらしくて。
えっそれってフロイライン登紀子じゃない?えっ知ってる人?大ファンなの!いやすごい人だよ!『Lassy』伝説のスタイリストはぁ〜!幸人君フロイライン登紀子にスタイリングしてもらえるなんてすごいよ!楽しみ!頑張って来て!うんごめんねせっかくのデートだったのに。
いやだってデートだってまたできるじゃないねぇ!だから行って来な!ありがとう頑張る!じゃあまた連絡するね。
うんじゃあねまたね。
頑張って!頑張って!ありがとう。
ただいま〜。
(西田)おかあさんいくつ?
(セシル)48歳です。
(北川)え〜若っ!
(東山)紹介して〜!
(北川)バカ!何を考えてんだよおめぇは!
(東山)だってさ〜!あっえっちゃんおかえり!
(西田:東山:北川)おかえり!あれ?先輩デートは?ん〜…。
・ん?・
(呼び出し音)
(琴音)あっつながりました。
あっ。
フロイライン登紀子さんはじめまして。
副編集長の波多野です本日はよろしくお願いします。
(登紀子)企画書見ました。
はいありがとうございます。
全然使えない。
(望)えっ?
(登紀子)コンセプトは私が決めるから任せてくれる?あ〜…あっはい。
あ〜…あっモデルの3人見えますか?
(登紀子)左の彼はスポーツマンっぽいからワイルド。
真ん中の彼は優しい顔してるから日常の中に起きる奇跡。
右の彼はちょっと独特な感じね。
コンセプトは…ギャングで行こう。
ギャング!?ギャング…。
(登紀子)今から必要な小道具メールするわ。
明日チェックするから用意しておいて。
はい。
では本日はこれで。
えっ。
(登紀子)急に悪かったわね。
でもおかげで時間を無駄にしないで済んだわ。
では明日編集部に伺います。
あっはいどうもありがとうございました。
明日までって…。
でももう小道具屋さん閉まってますよ。
そうですよ。
何とかして!皆さんはお疲れさまでした撮影の時間追ってご連絡します。
(3人)お疲れさまでした。
(望)ありがとうございましたどうもありがとうございました。
(登代子)デート中ごめんね。
あ〜全然大丈夫。
それにさっきのスタイリストさんさえっちゃんがすごい好きな人らしくて応援してくれた。
そっか。
ていうか何?その…俺はギャングなの?う〜んそうみたい小道具何言われるかな〜。
う〜ん葉巻とかワイン樽とか?あ〜樽。
森尾メール来てるよ。
早っじゃあお疲れ。
頑張って。
ギャング…樽樽か。
樽ってどこで借りられるんだろう?樽…。
でねいつの間にか手つながれてたの〜。
え〜やだドキドキする〜。
アハハ…。
って中学生じゃないんですからもう手ぐらいでいちいち騒いでどうするんですか。
久しぶりだった〜。
でも夜の遊園地って何か意外と普通ですね。
えっいいじゃんロマンチックだったよ〜。
いやロマンチックなのはいいんですけど何か普通だな〜と思って。
見た目変なのに。
変って言うなえっ変じゃないし。
しかも変な小説書くんですよね?いやだからって本人が変とは限らないでしょ?えっセシルの彼氏はどういう人なの?至って普通ですよイタリア人ですけど。
えっ?全然普通じゃないし。
いやそれが普通なんですよ。
何かイタリア人なのに情熱に欠けるっていうか。
真面目でおとなしい人で。
え〜えっちょっと待って。
えっ?何語で会話してんの?日本語とイタリア語の半々です。
えっセシルイタリア語できるの?いやまぁ日常会話程度なら。
えっすご〜い!いやいやそんな大したことないですよ。
あっそれより森尾さん返信来ないですね。
ホントだね。
すみません。
はい。
こちらにワイン樽ってあったりしませんか?ワイン樽?はい。
いやうちには置いてないですね。
あぁ…そうですか。
う〜ん…無理だな〜。
申し訳ありません当店では扱っておりません。
あ〜そうですか。
(登代子)あっすいません。
(店員)はい。
あのこちらにワイン樽ってありますか?
(店員)いやうちではないですね。
ありがとうございました。
河野さん。
はい?フロイライン登紀子さんのエッセーどうですか?はい絶賛校閲中です!週明けにはイタリアに戻られるそうなので少しだけスピードアップでお願いします。
はい分かりました。
ではプランツォ行って来ます。
ランチね。
(一同)いってらっしゃい。
今何の作業してるんです?文字まわりの校正はとっくに終わってますよね?まぁ…調べられるとこまで調べようかと思って。
(米岡)事実確認いらないって言われたんでしょ?ネットで調べたところで限界あるし。
いや〜それもそうなんだけどやれるとこまでやりたくてさ〜。
このままだと校閲したって言えない気がして。
いやホントはね今日の夜あたりからイタリア行けたら最高なんだけどダメかな?ダメだねごめんね。
(ベル)はい校閲部。
業務連絡業務連絡。
フロイライン登紀子さん地下駐車場に入られました。
了解しました直ちに現場に急行します。
あぁ森尾!
(登代子)先輩!あっ樽あったんだねよかったね。
そうなんですよ。
昨日12軒お店回ってやっと見つかったんです。
うわ〜。
朝イチで倉庫取り行ってギリ間に合いました。
偉かったね〜よかったねよく頑張ったよね〜。
やめてくださいよ。
ハハハ…。
初めてのお使いじゃないんだからもう。
はぁあれ?先輩どこ行くんですか?ん?ほら…。
(エレベーターの到着音)
(琴音)いらっしゃいました。
ようこそフロイライン登紀子さん副編集長の波多野です。
本日はお忙しいところありがとうございます。
うん?このトランク誰が用意したの?はい。
(登紀子)何の個性もない。
子供のお使いじゃないのよ。
すみません。
(登紀子)これは?私こんなの用意してって言ってないけど。
あの…あったらいいかと思いまして。
必要なものも何も用意できてないのに何無駄なことしてるの?言われたものをちゃんと用意すればいいのよ。
使えないレベルのものをいくらそろえても時間と労力の無駄だって分からない?こういうことが起きると嫌だから昨日指示しておいたのに。
何?その顔あなたもう外れていいわ。
亀井さんは?
(望)あっ…もう来るかと。
何で先に来てないかな。
私ホテルに戻ってるから来るように言って。
(望)はい。
あの…。
そんな方でしたっけ?
(登紀子)はっ?この世に無駄なことなんてない。
そう考えてる方かと思っていました。
先輩。
あなたも『Lassy』のコ?いえ…校閲部の河野悦子です。
校閲部?あなたが『Lassy』のコだったらこの仕事降りるところよ。
立場をわきまえなさい。
ハァ〜ショックだったなぁ〜。
うん…。
ってかまた余計なこと言っちゃってごめんね森尾。
いやいいよ全然。
あっねぇ森尾そうだ!そうだそうだ!あった!これだ。
ねぇこれ見て見て見てこれ。
これ。
このパッチワークかわいくない?
(登代子)かわいいですね。
フロイライン登紀子の手作りなんだよ。
えっ?そうなんですか。
この頃登紀子さんまだアシスタントで撮影用にあれも用意しろこれも用意しろって一日中走り回って探してで見つけたんだけど結局何にも使ってもらえないってこともザラで。
でもうこの仕事辞めようかなって思った時にこの端切れのパッチワークを作ってスタジオに置いといたら撮影で使ってもらえたんだって。
で仕上がりを見たらページ全体のテンションが上がってるってことが分かってあぁ私のしていることって無駄じゃなかったんだなって初めて思えたんだって。
でこのことがきっかけで将来撮影のコンセプトからセット小道具まで全部ディレクションできるスタイリストになろうって思った…っていうのが『Lassy』のエッセーに書いてあったの。
へぇ〜。
森尾さぁこのパッチワーク作ってみたら?いや撮影で使ってもらえないかもしれないけどでも登紀子さん懐かしくて喜ぶかもよ。
ほらよかったら私手伝うし。
いいよこんなことやるだけ無駄だよ。
そう?うんっていうか私は先輩みたいにさぁ好きでこの仕事やってるわけじゃないから。
えっ?そうなの?
(登代子)う〜ん何ていうかみんながみんな先輩みたいに夢とかやりたいこととかあるわけじゃないんだよね。
好きでも何でもない仕事してる人なんて山ほどいる。
ってかそっちのほうが多いんじゃないかな?うん。
そもそも楽しい仕事なんて世の中にあんのかなぁなんて思ったりするし…。
まぁもしそんなのあったとしたらみんなその仕事してるよね。
いや…。
それは違うんじゃない?森尾が楽しめてないのは楽しもうとしてないからでしょ?仕事に限らず人生だって何だってつまんないって思った時点でもうつまんなくなっちゃうよ。
楽しめるかどうかってその人の気持ち次第なんじゃないの?いやうん…先輩は偉いよね。
だって校閲でも楽しんでんだもん。
私にはマネできない。
あっそろそろ帰るわ。
えっ。
実はまだ仕事残ってんの。
ごちそうさまでした。
えっちょ…え〜。
(登代子)じゃあね。
(ドアが閉まる音)え〜…。
ハァ。
おはよう。
おはよういたんだ。
静かだったからどっか出掛けてるかと思って。
大将。
ん〜?大将はさぁ仕事楽しい?ハハっ何だよいきなり当たり前じゃねえか。
フフっだよね〜フフフ…。
(尾田)フフフ…。
じゃあ私行って来る。
どこに出掛けんの?イタリア。
イタリア!?
(メッセージの受信音)
(悦子の声)じゃあ近々また飲もうね。
イタリア語
(着信音)Aspetta!コーエツ先輩?どうしたんですか?セシル今何してる?折り入って頼みたいことがあるんだけど。
えっ?
(店員)ありがとうございました。
ブオンジョルノアーユーイタリアン?ノー?OKセンキュー。
コーエツ?ブオンジョルノアーユーイタリアン?ノーノーOKセンキュー。
あっブオンジョルノ待ってアーユーイタリアン?
(女性)Si.あっ!シーやった!あのこれ…ディスイズイット違うあのリード。
リードイットOK?OK?
(女性)Si.シー?シー?よかった!サンキュー!サンキューベリーマッチ!Prego.プレーゴプレーゴって何だ?プレーゴハハっやった。
あっごめんなさい。
何やってんだ?お前。
やだ貝塚タコ八郎じゃん!その呼び方やめろ!ブオンジョルノ!何してんの?こんなとこで。
お前こそ何やってんだよ。
やだ暇だったら手伝ってはい。
貝塚)俺言ったよな?今回事実確認は必要ないって。
何だよこのビラは。
部長にイタリアに連れてってくれって言ったらダメって言うからじゃあこのビラを配ることで一つでも事実確認できればいいなと思って。
無駄だなぁ無駄無駄。
お前のやってることは全部無駄だ。
結果的に無駄になってもいいの。
でも気になったことは確認しないと気が済まないから。
それが校閲の仕事だと思うし私のやり方だから。
あっブオンジョルノあのアーユーイタリアン?
(女性)No.ノーOKセンキュー。
あっブオンジョルノあのアーユーイタリアン?YesSi.シーよかったあのこれプリーズ。
ブオンジョルノ!あのリード…。
ブオンジョルノチャオ!あのあなたもイタリアン?OKOK.ん〜すいませんねぇ。
ビラ配り手伝ってもらった上にお団子までごちそうになっちゃってフフ。
自分がおごるからとか言って財布開けたら280円しかないってどういうことだお前。
アハハ…!かたじけないアハハ…。
あ〜でもこれおいしい。
疲れ取れるわ〜。
幸人君に食べさせてあげたい。
すいませんけどお金ちょっと…。
銀行行って下ろしなさい。
言ってみただけでしょ怒んないでよ。
(着信音)ん!
(着信音)ん!ウソ!
(着信音)以心伝心!幸人君!
(着信音)もしもし幸人君?もしもしえっちゃん?今日も元気そうだね。
ってか何か食べてるの?うんお団子。
お団子?うん。
今ね浅草にいるんだけど偶然貝塚タコ八郎さんに会ってさおいしいお店教えてもらったの。
ふ〜んいいなお団子。
あっ幸人君お団子好き?だったら後で届けてあげるよ。
えっ!いやいいよいいよ。
いいよいいよ…あのほら後で会社行くからいつものスポーツセンターの所で会わない?うん分かった。
じゃあまた後でね。
バイバイ
は〜いフフっ。
やった。
何で言った?何を?俺と会ったことなんてわざわざ言う必要ないだろ。
えっ隠す必要あった?えっ何で…えっ…。
もしかして幸人君誤解するとか思った?ないから!ないない…!違うわ!はぁ〜?違うわ!お前はどうしてそう何でもかんでも口に出すんだ…ってことを言ってんだよ。
登紀子さんにもやったらしいじゃないか。
あのな何でもかんでも口に出しゃあいいってもんじゃねえんだぞ?それがたとえ正しいことであったとしても。
それが今言っていいものなのか言っていい相手かどうかなのかお前の頭でも分かんだろうが。
ごめんなさい。
おいおい…急に謝んなよそれは何か調子狂うわ。
いや昨日森尾とケンカしちゃってさ。
あぁ…。
森尾が仕事のことでちょっと落ち込んでてねだから励ますつもりが何かまた余計なこと言っちゃって。
何か私の言動が誰かを傷つけたり迷惑掛けてるってことは分かるんだけど…。
何かこう性分っていうか何か…。
何か頭と口が直結してるっていうか考える前に口ついて出ちゃうんだよね。
何でなんだろうホントに。
貝塚)まぁお前は単細胞の見本みたいなヤツだからな。
お前が考えてしゃべるようになったらそれはそれでビックリするわ。
貝塚)まぁ森尾ちゃんもお前の性格はよく分かってるだろうし。
そこまで気にする必要もねえんじゃ…。
ブオンジョルノアーユーイタリアン?
貝塚)…っていねえし。
シー?あ〜よかった!プリーズあのこれ。
リードリードイット。
OK.OK?フフフ…。
アーハー?ウフフ…シー?OK?よかった。
(女性)Ciao!チャオ!へぇ〜浅草でイタリア人探しか考えたね。
幸人君のおかげだよ?えっ俺?うんほら花やしきで外国の人がいっぱいいたでしょ。
あれがヒントになったのありがとうね。
フフっ。
フフフ…!いやあの日のデートドタキャンすることになっちゃってホントごめんねって言おうと思って来たのに逆にお礼言われちゃうとはな。
えっちゃんには参っちゃうな。
だってホントに感謝してるんだもん。
あの後どっか行ったの?ううん。
あっでも帰ったら店にセシルいたから一緒に飲んだけどね。
そっか…。
うん。
せっかくあんなオシャレして来てくれたのに。
ホントごめんね。
何で謝るの?ハハハ…!だって好きな人に会うために何着て行こうかとかどんな髪形で行こうかとか考えるのめちゃくちゃ楽しかったんだよ。
す…好きな人?ん?あっ…。
あっ…。
いやいや…!あの〜…。
えっ…私会社行かなきゃいけないからごめんね!うんうん…頑張って頑張って…。
ありがとう!はぁ〜…。

(電子音)ハァよし。
ただいま。
おうおかえり。
えっちゃんさ…。
ん?例のスタイリストさんのエッセー校閲してるんだけどイタリアに行って事実確認する代わりに浅草でイタリア人探してビラ配ってたんだって。
(悦子の声)私も今からまた無駄だって思われることして来るよ。
普通そこまでしないよね。
事実確認しなくていいって言われてるのにさ。
何かもう…あの人にはかなわないな。
ちょっと出掛けて来る。
森尾さん。
ん?ここに間借りしてることさえっちゃんには話してもいいかな?好きなんだ先輩のこと。
うん。
うんいいよ私もね先輩には話さなきゃって思ってたんだよね。
そううんじゃいってきます。
いってらっしゃい。

貝塚)はいそちらで結構ですありがとうございます。
お預かりします。
貝塚)あとは校閲がチェックしたゲラに目を通していただくということで。
校閲…。
貝塚)はい後ほどゲラをお持ちします。
うん分かったわ。
であとお荷物になると申し訳ないんですが登紀子さんのお好きな浅草のお菓子です。
よろしければお持ちください。
(登紀子)わざわざ浅草まで行って買って来てくれたの?いえいえもう浅草なんてすぐそこですから。
大した手間じゃないんですよ。
でもわざわざ日本で買わなくても今はイタリアからでもお取り寄せできるのよね?えっ!?えっあっそうなんですか?なぜだろう?こっちに来てから無駄ばっかり目に付く。
すみません…。
でもまぁせっかくだから頂いておくわ。
ところで…。
貝塚)はい。
校閲部ってどこにあるの?はい?
貝塚)足元お気を付けください。
(登紀子)ええ。
(青木)ヤァ〜「『やるなぁ抜いた音でよけたか。
ならば』と再び柄に手をかけると草雲斎は右手で刀を抜き左手でその鞘を捨てた。
『右に二歩』」。
1・2。
(青木)ヤァ〜。
ヤァ〜。
貝塚君?あっ。
あの〜こちらフロイライン登紀子さんです。
一度校閲部を見てみたいとおっしゃったのでお連れしました。
それはそれはフロイライン登紀子さんようこそ校閲部へ!部長の茸原と申します。
ハッハッハッ…。
どうも。
あの人達は何をしてるんです?あぁ事実確認ですね。
事実確認?あれが?あっどうぞよろしかったらそばでご覧ください。
ちょっと失礼それは何をしてるの?あ〜あの…小説に出て来る家の模型を作ってます。
間取りに矛盾がないかを確認するためです。
へぇ〜。
あなたは何をしてるの?こちらのゲラに出て来るイングランド王ヘンリー8世の甲冑の特徴が本当に合っているかを確認しています。
(登紀子)ふ〜ん。
(青木)「その時藤一『右に二歩』」。
1・2。
(青木)えい!「『左に一歩』」。
1歩。
(青木)トォ!「『更に左に一歩』」。
1歩。
(青木)ヤァ!「そして『右から胴』」。
えい!えい!
(青木)「『何断つべきは奴の口か』」。
ん?えっ?痛〜い!えっ?ウソ…。
フロイライン登紀子さん!えっ何で…何でここに?あなたはさっきから何をやってるの?はいあの…あの盲目の剣士が出て来る時代小説の動作確認をしていました。
それ目隠ししてやる必要あるの?はいあの…味方の声で敵の場所を判断して立ち回るシーンなんです。
でセリフを耳で聞いただけでホントにこの立ち回りができるのかを確認していました。
ふ〜ん。
あの…先日はホントに大変失礼なことを言ってしまいすいませんでした!ゲラは?えっ?確認するんでしょ?お持ちしろ!はいはい…ちょっとお待ちください。
あのこちらですよろしくお願いします。
今回は文字校正だけですのでざっと確認していただければよろしいかと。
(登紀子)ねぇこれのどこが文字校正なの?はい?河野さんこれ…。
あの〜…すいません。
上司には事実確認は必要ないって言われたんですが校閲者として図書館やネットで調べられることは全て調べました。
あと昨日浅草でイタリア人の方を探して答えていただけたことも書き込みました。
また私に無駄ばっかりって言わせたいの?
(梢)あの部長イタリア語で書かれたメールが大量に届いてるんですけど。
(ベル)えっ?
(米岡)はい校閲部えっ。
あらホントだ。
部長。
何かイタリアの方から校閲部に問い合わせがありましてでもイタリア語しか話せないみたいなんですけど。
またイタリアまたイタリアですね。
(ベル)
(目黒)部長こっちもです。
あ〜困りましたね。
どなたかイタリア語のできる方いらっしゃいま…。
あっ。
取り次いでください。
すいませんすいません。
イタリア語あっ。
すいません。
イタリア語
(登紀子)最初の電話はコロナーリ通りのキアーロは去年経営者が変わった。
次の電話はベネチアにエルフォがあるっていうのはホント。
ちょっとどいてくださる?
(梢)あっすいません。
(登紀子)こちらも全て私の本に出ていることへの確認メールのようね。
はい全て私がビラに書いて質問したことです。
現地に行けないのなら日本にいるイタリア人の方にご家族や友達に聞いてくれないかとお願いしたんです。
みんな調べてくれたんだ。
いや〜イタリアの人ってホントにみんないい人ですね!ホントにここは無駄なことだらけね。
そうですねぇ。
どんなに苦労して緻密な確認作業をしても結果間違ってなければその苦労は誰にも知られず褒められることもない。
無駄な作業と言われても致し方ありません。
ですが…これが我々校閲の仕事です。
彼らも恐らく無駄だとは思っていません。
誇りを持ってやっているはずです。
貝塚)登紀子さんそろそろ撮影のお時間です。
私以外に誰かイタリア語読める人いないの?せっかくだからこれ反映させたら?えっ。
そうしないとみんなの親切や努力が無駄になっちゃうじゃない。
登紀子さん…。
撮影の間に仕上げておいて。
もう一度チェックするわ。
はい。
貝塚)ではご案内します。
ありがとうございました!ってかあんたイタリア語できる知り合いなんかいるの?あっいるいる!いるの!いるの!メールの翻訳ですか?ダメですよ今仕事中なんで。
(百合)こっちは私がやるからいいよ行ってあげなよ。
いいんですか?
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)はい行くよ。
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)はい。
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)行くよ。
(カメラのシャッター音)ねぇちょっと止めて。
はい直し入ります。
・は〜い直し入りま〜す・
(登紀子)いいんだけど何か足りないのよねぇ。
ん?ねぇこれ用意したの誰?私です。
(登紀子)これ作ったのあなたなの?
(登代子)はい。
何で?こんなもの作れなんて指示してないでしょ。
聞いたんです校閲部の河野さんに。
パッチワークを使うことで仕上がりが良くなったことやそのことがきっかけに登紀子さんが自分のしたことは無駄じゃなかったって思えた話。
何であのコがそんなこと知ってるのよ。
あの人実は高校の先輩で栃木の田舎の高校だったんですけど当時から『Lassy』を愛読していて登紀子さんの話も散々聞かされてました。
私はファッションに全く興味がなかったのに会うと一方的にファッションの話をして来て。
将来は『Lassy』の編集者になって登紀子さんとこんな企画がしたいとかこういうエッセーを書いてもらいたいって本気で言ってたんです。
へぇ〜。
はい。
それほど憧れていた方に会えてものすごくうれしかったと思いますでもそれほど憧れていた方に苦言を呈するのもものすごく勇気がいったと思うんですだから…。
心配しなくても彼女にはもう会って来たわ。
彼女の無駄も採用した。
あっそうだったんですね!
(さやか)何か昔を思い出すわね。
今思えばあの頃が一番楽しかったな。
そうかもね。
フフフ。
あっ無駄話してる時間ないわ。
撮影再開!・はい!・
(登紀子)これすごくいいわ。
使わせてもらうわね。
あっありがとうございます!
(カメラマン)はい。
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)はい。
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)行きます。
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)もう一枚。
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)いいよはい。
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)もう一枚。
(カメラのシャッター音)
(さやか)うわ〜やっぱりよかったわね。
そうですねぇ。
時間かけたかいありましたね。
ええ。
森尾よく頑張りました。
フフフほらこれ。

(米岡)河野っちちょっとこれ見て!何?えっ?何これ…。
(りおん)「このTシャツ流行らせます。
無駄にスゴイ校閲部御中」。
ハハハ!ってかダっサ〜!
(一同)ハハハ…!何?これ。
ドヤ顔!
(一同)ハハハ…!お疲れさまですあっ森尾います?今日は半休で帰りました。
ありがとうございます。
半休なら半休って言えよ。
飲み会のやり直ししようと思ったのに。
ん〜メッセージも既読になってないですね。
どうする?行っちゃいます?直接。
おぉそうねフフフ…。
(チャイム)ん〜出ないいない出ないん?
(チャイム)ん〜寝てんじゃないですかね?何か休みの日はひたすら寝てるって人だから半休なのに出掛けるとは思えないんですよね。
どんだけ寝てるんだよ…。
はぁ…。
(セシル)あっ帰って来た!はっ!先輩!森尾よかった〜!これ2人なのにさぁちょっと買い過ぎじゃない?あっ幸人君だあ〜!えっえっちゃん…。
ん?えっ…。
何?これ。

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2016/11/02(水) 22:00〜23:00
読売テレビ
地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子 第5話[字][デ]

伝説のスタイリスト・フロイライン登紀子のエッセイを校閲する悦子は大張り切り。しかし、森尾が必死に集めた撮影用小道具をムダと一蹴した登紀子に黙っていられず…

詳細情報
番組内容
悦子(石原さとみ)は、大ファンだった伝説のスタイリスト・フロイライン登紀子(川原亜矢子)のエッセイの校閲を任され大張り切り。一方『Lassy』編集部では、幸人(菅田将暉)たち専属モデル候補のスタイリングを登紀子が担当することに。登紀子の指示で撮影用小道具を集めた森尾(本田翼)だったが、登紀子からセンスがないと一蹴される。森尾が苦労して集めたのを知っていた悦子は、登紀子の態度に黙っていられなくなり…
出演者
石原さとみ
菅田将暉
本田翼
和田正人
江口のりこ
田口浩正
青木崇高
岸谷五朗
【ゲスト】
川原亜矢子
原作・脚本
【原作】
「校閲ガール」シリーズ 宮木あや子(KADOKAWA・角川文庫刊)
【脚本】
中谷まゆみ
監督・演出
【演出】
佐藤東弥
音楽
大間々昂
【主題歌】
「Heaven’s Door〜陽のあたる場所〜」栞菜智世
【オープニングテーマ】
「12月の雨」chay
制作
【チーフプロデューサー】
西憲彦
【プロデューサー】
小田玲奈
森雅弘
岡田和則(光和インターナショナル)
【企画協力】
鈴木光(光和インターナショナル)