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書き起こし 超入門!落語 THE MOVIE「釜泥」「二番煎じ」 2017.01.11

落語

奥さんの昌子さんと一緒に収集。
4年前にこのカタツムリの化石の論文を見て「まだ生きているのでは?」と思った事が発見のきっかけなんだって。
まさに好奇心と探究心!すごい!たった一人で全てを演じきる究極の話芸落語。
時代時代の落語家によって数多くの名作が語り継がれてまいりました。
聞き手の想像力で無限に広がる落語の世界
ふだん聞いて楽しむ落語の演目を…。
噺に合わせてあえて映像化致しました。
目の前に鮮やかに現れる笑いと人情の物語
見る落語どうぞ一席おつきあい下さい。

 

 

 


あっ管理人さんこんにちは。
あっ濱田さんこんにちは。
いやもういつもご苦労さまです。
いえいえ…。
あっ濱田さん。
はい。
この辺り最近空き巣が多いみたいなんで気を付けて下さいね。
あっそうなんですか。
はい分かりました。
ありがとうございます。
「たかが10分と思い鍵を閉めなかったのが間違いでした」。
あらかわいそうに…。
「私は3回入られました」?3回も?あら気を付けよう。
江戸時代ではしんばり棒といういわゆるつっかい棒が鍵代わり泥棒に入られる事もしばしばだったそうで…。
(エレベーターの到着音)泥棒といえば有名なのが天下の大泥棒石川五右衛門。
大きな釜でゆでられて死んだ事から石川五右衛門に憧れる泥棒は皆釜に恨みを持っていたんだそうで…。
(エレベーターの到着音)あれ?
(炊飯器が鳴る音)びっくりした〜。
(炊飯器)「ごはんが炊けました」。
もう何だよ〜。

(出囃子)
泥棒たちに釜を盗まれまいと奮闘する豆腐屋の老夫婦のお噺「釜泥」
昔から大泥棒として有名なのが石川五右衛門というええあの人は釜ゆでの刑ってこれが有名ですな。
大きな釜の中にお湯じゃない油がグラグラいってるところへ五右衛門をドボ〜ンと放り込んだ。
ええ粉も衣も何もつけなかったそうですけど…。
まあこの落語の中には石川五右衛門なんて有名どころは出てまいりません。
五右衛門の子分の子分のそのまた手下のまた3代子孫なんて随分と安直なところでございますけれども…。
「おうこれでみんな集まったか?ええ?手下ども。
どうも俺たちの先祖の五右衛門評判がよくねえや。
なんぞってえと『釜ゆで釜ゆで』なんてバカにされんだろ?これというのも世の中に釜なんてものがあるからいかねえ。
どうだ?みんなで手分けして世間中の釜って釜全部盗んじゃおうじゃねえか。
この江戸の町から釜なんてものが無くなりゃあ誰も『釜ゆで』って言わなくなるで」。
「親分何すか江戸中の釜盗んじゃうんすか?釜を?江戸中釜を?そういう事していいんですか?」。
「かまわねえ」。
…なんていろんな事言いましてね。
さあ江戸の町で釜泥棒が大はやりを致しましていろんなところで困っちゃったんですが一番弱ってしまったのがお豆腐屋さんだったそうでございまして…。
「おばあさん。
ちょいとこっち来ておくれ」。
「はいはいおじいさんお呼びでございますか?」。
「『お呼びでございますか?』じゃないんだよ。
何度目だいうちの釜盗まれたの。
豆腐屋が豆煮る大釜盗まれたら商売上がったりだああ。
今度の釜盗まれたらうちもう店畳まなくちゃいかねえ。
どうしよういろいろ考えてなおらあ今晩から釜の中で寝てやろうと思ってな」。
「あらおじいさん釜の中でなんぞ寝てどうなります?」。
「どうなるこたあねえ。
泥棒が盗もうてんで持ち上げりゃあグラッと揺れるだろ?寝てたって目が覚めるよ。
そしたら俺は蓋をポ〜ンとはね上げて芝居気取りで見得を切ってやろうと思ってな。
『釜中鹿介知らねえか』なんてな」。
「ハッハ。
ようようようよう。
お釜屋!」。
「変な褒め方すん…変な褒め方すんないええ俺が『釜中鹿介』ったらすぐに目え覚ましとくれ」。
「大丈夫です。
私ゃあね年取って目はかすんでますけど耳だけは若い者に負けませんから」。
「ああじゃあ耳のいいとこですぐに起きてな金だらいか何かガンガンとひっぱたきながら『泥棒だ!』その声で長屋の衆がとっ捕まえてくれんじゃねえか」。
「ああ…うまくいきますか?」。
「まあまあやってみなくちゃ分からねえ。
そうこう言ってるうちにだいぶ夜も更けてきたからおらあそろそろ釜の中へ入るから」。
「ああどうぞどうぞちょうど今すいてます」。
「当たり前だ。
2人暮らしで釜が混んでてどうする。
じゃあ入るからちょいと押さえてておくれ。
よっこらしょ〜の…しょっと。
ばあさん釜ん中入ったよ」。
「どんな塩梅です?」。
「ううん…。
『住めば都』ってえのかねえ。
中シンとしていいよ」。
「そうですか。
それじゃあおじいさんお気を付けてはいおやすみなさい」。
「おばあさんどうして蓋をピッタリ閉めんだいお前。
中で息ができないだろ?ちょっとずらしな。
ずらしな…ああそうそうそれで。
でいいかい?俺が『釜中鹿介』ったらガ〜ンガ〜ン…」。
「大丈夫。
耳はいいんですから」。
「そうかい?頼んだよ。
ああそれからね明日の朝起きてきていつものようにいきなり釜の下火つけんじゃないよお前。
私を起こして出してそれから豆仕込んで火つけんだ。
分かってるな?」。
「えっ?」。
「危ねえばばあだな。
危ねえ野郎だな。
じゃあじゃあはい寝ちまいよ。
さあさあこれで来るなら来いってもんだが待てよ今晩泥棒が入りゃあいいけどな入んなかったら1人で釜ん中ボ〜ッと座ってんのこれ退屈だよ。
おばあさん寝たのかい?」。
「はい横になりました」。
「やっぱり聞こえてんだよ。
ええあのなこんな事したいからちょいとええ支度しておくれ」。
「どんな事です?」。
「だからこんな事したいから支度しておくれ」。
「どんな事です?」。
「だからこんな事だよ」。
「どんな事?」。
「こ…夜が明けちゃうよお前。
酒の支度」。
「お釜の中でお酒なんか飲む事は」。
「グズグズ理屈をこねないで『はい』って言いなさい。
はいはい。
あいあい。
いいよいいよ。
うんはい。
ばあさん。
どうしてすぐにピッタリ閉めたがるのお前。
ものには愛想がなくちゃいけない一杯でいいからお酌して」。
「嫌ですよそんなお釜の中の小さなお猪口に上からお酒をつぐなんてああた天井から目薬をさすような一文銭の穴を槍で突くようなアリの巣穴へおしっこするようなまね…」。
「うるせえなおめえ。
分かったよ一人でやるよ。
アリの巣穴へおしっこってやってんのかあいつは。
フッやってなきゃ思いつかねえだろ?昼間何してんだ?んな事はどうでもいい。
あれ?ええこらあ何かつまみでも載っけてくれりゃあいいん…。
ったくしょうがねえなあグズグズ理屈ばっかりこねてだけど…ふだんの酒も飲む場所が変わるとうまいね。
ハハッこれはいいや」。
…ってんでチビチビやっておりますと酒の酔いと昼間の疲れが合わさったんでしょうかウツラウツラと居眠りをしたやつがいつの間にかぐっすり寝込んだ真夜中時分いくら厳重に戸締まりがしてあってもそこは泥棒商売ですな。
2人組が忍び込む荒縄をグルッとかける。
中におじいさんが入ってるとも知らないでこの大釜を表へ『どっこいしょ』ってんで担ぎ出したってやつで…。
「ハハハハ。
兄うまくいきましたね大きな釜で。
潰して売ったらいくらんなりますか?」。
「んなこたあどうでもいい。
俺たちは先祖の五右衛門の供養のためにやってんだ。
黙って担げ」。
「黙ってった…見て下さい今晩十五夜十五夜。
ねっ。
『月夜に釜抜く』ってえのはこれですか?」。
「うるせえなおめえ。
黙って歩けてんだよ」。
(いびき)「おい。
『えっ』じゃねえよ。
釜担ぎながら寝るなよ」。
「あっしは寝てませんよ。
大きな目開いてるでしょ」。
「いびきかいてたじゃねぇか」。
「いやあっしは…。
気のせいですよ」。
「そうかなあ確かに聞こえたんだけども。
ああ気味が悪いな」。
「おばあさん…」。
(しゃっくり)「おばあさん…」。
「ひっぱたくよお前」。
(笑い)「釜担ぎながらばあさん呼んでどうすんだ」。
「あっしは何にも言ってませんそら耳ですよ」。
「そうかなあ。
何か薄気味悪いけど」。
「おばあさん水一杯おくれ!」。
「釜が化けた!」。
…ってえと泥棒2人おっぽり出したまんま逃げちまう。
「おおグラッと来たグラッと。
ああこらあ来やがったねよし今俺がなばあさんああ脅かしてやる。
見得を切ってやるからさ。
よいしょこらしょのしょっと。
はれ?ええああ…しまった!今夜はうちを盗まれた」。
(笑い)
(拍手)ごちそうさまでした。
(テレビ)「こんばんは。
ここ数日は気温も低く空気が乾燥していますので火の元には十分ご注意下さい」。
明日も寒いのかな。
(テレビ)「それでは明日の予想天気図です。
明日にかけて冬型の気圧配置が強まる見込みです。
西側にある高気圧東側にある低気圧…ウン!」。
うん?
(テレビ)「続いて明日のお天気です。
太平洋側では乾燥した吹き降ろしの風が強くあり所によって雪が降るでしょう。
日本海側では発達した雨雲が山にぶつかり…ウン!」。
(テレビ)「お出かけの際は傘1本傘1本…ウン!」。
いや邪魔でしょうよ。
(テレビ)「以上お天気二番せんじでした」。
「二番煎じ」と聞いてまねや繰り返しという意味を思い浮かべた人は多いと思います。
もともとの意味は「お茶や薬などを2回煎じて薄くなったもの」。
多くの場合は最初に煎じたものより味や効き目が薄い訳なんですが…。

(出囃子)
今からおよそ320年前の小ばなしを集めた本が元とされる「二番煎じ」。
八代目三笑亭可楽などが得意とした一席
え〜『火事と喧嘩は江戸の華』なんて事を申しまして。
ええこらまあ火事が多かったんだそうですねえ。
それこそ冬場になりますというと奉公人が半分ぐらいは里に帰ったというぐらいあんまり冬場は火事が多いんで怖かったんだそうで。
ですからまあいわゆるそういう火消しであるとかそういうものは発達を致しました。
火の番小屋というのが各町内にございまして…。
「さあさあさあ皆さん支度が整いました。
ああそうですか。
ええそれじゃああの壱の組がまず回ってきますから。
弐の組はこの火の番小屋で休んで頂いて。
私たちが戻ってきたら代わって頂きます。
よろしいですね?それじゃあ壱の組の皆さんいいですか?支度は整いました?さあ表へ行きますよ。
さあさあ行きましょう。
うう…。
ああ〜。
いや〜また今日は冷えますな」。
「ええ寒うございますな」。
「こらもうさっさと回りましょう」。
「ああそうしましょうそうしましょう。
はい」。
「火のよ〜うじ〜んさっしゃ〜りゃあしょ〜」。
「さあささあさあ戻ってきました戻って。
いや寒かった寒かった。
ああ早く早く早く開けましょ開けましょ。
さあさあさあさあ。
はいはいはい。
壱の組戻ってきましたよ。
はい。
弐の組どんどん出てって下さい出てって下さい。
はいどうぞごゆっくりお回り下さいませ。
はい。
いや〜さあさあ寒かった寒かった。
皆さんご苦労さんご苦労さん。
火に当たりましょう火に当たりましょう。
いや〜いやいやいや。
今日はまたバカに冷えましたなあ」。
「いやええ本当でございますな。
あっ時に月番さん」。
「はい何でございましょう黒川先生」。
「いや私今日はこの瓢に酒を持ってまいりました。
いかがでございましょう。
皆さんでこれを飲んでこの冷えた体を温めるというのは?」。
「黒川先生今何ておっしゃった?えっ?酒を持ってきた。
これをみんなで飲む?冗談じゃありませんよええ?これ火の番小屋ですよ。
料理屋の座敷じゃないんですよ。
こんなとこで酒飲んでてごらんなさい。
見回りの役人に見つかったらどんなお咎めを食らうか分からないじゃありませんか」。
「これは失礼を致しました。
いや〜私初めて火の回りで出たもんですから知りませんで。
ではこちら…」。
「いやいやいや。
しまっちゃいけません」。
(笑い)「あの〜宗助さん。
うんそれ持ってって。
土瓶があんでしょ?うん。
それこうあけちゃってな。
そしたらここへ持ってきて」。
「月番さんこれはどういう事に?」。
「どういう事に…。
お燗がつくでしょ?」。
「でも今酒はいけないとおっしゃる…」。
「ああそう瓢箪から出てくる酒はいけません。
土瓶から出てくる煎じ薬ならいいん。
私もお酒持ってきたん」。
「脅かしちゃいけませんよああた。
脅かし…」。
「ハッハッハッ。
いやいやこんな寒い晩にこら飲まずにゃいられませんでええ。
これもじゃあ向こうへ持ってって。
はいはい。
それから湯飲み皆さんに配って。
はい宗助さん何です?」。
「ええ私今日こういうものを持ってまいりました」。
「何ですか?これ何?」。
「猪の肉で」。
「猪の肉?ほう〜。
こらまた温まりそうですな。
さすがですね気が利きますね。
ああ気が利きませんよええ?だって火の番小屋ですよ。
鍋がないでしょ?」。
「あっちゃんとこのかぶってまいりました」。
「あっかぶってた?」。
(笑い)「ああああたそれ鍋だったんですか。
いや妙な笠かぶってるなと思うた。
ああそう。
うんうんうんちょいちょいちょい…。
それそれこう…。
はいはいはい。
お燗がついた?ああじゃあじゃあまずあれ黒川先生こちら」。
「おっさようでございますか。
では先に私が頂き…へい。
あい。
ああありがとうござい。
ええではお先に失礼を致します」。
(笑い)「ほう。
またうまいもんですなあ。
いやいやこの冷えた体へ熱い酒がスゥ…五臓六ぷへ染み渡りますな」。
「そうでございましょう?これなんですよええ。
どんなまずい酒でもねこれ火の回りしたあとはうまく感じんだよ。
覚えとくがいいよ。
さあさ皆さんどんどんどんどん飲んで頂いて。
はい何?もうもういい?猪の肉。
ああそうですか。
それじゃあねあの箸が1膳しかありませんから。
これも黒川先生の方から順にこう回して頂いて。
あっそれから弐の組がすぐ戻ってきますからねあんまりゆっくりじゃ駄目ですよ。
ガブガブねええバクバク頼みますよ」。
「そうですか。
ええでは私が先に。
猪の肉というのは私はやった事がありませんで。
どうも何度か誘われたんではございますがあの猪のあの顔が思い浮かべてどうもいけませんでしたが…」。
「これはまた美味ですな。
ほう〜。
いやこういうものなら断らなければよかった。
ああそうですか。
いやいや。
フッフッフッフッ…。
うん。
体が温まりますなうん。
猪の肉というのはどんなに熱くても火傷をしないといわれております。
そもそも猪の…」。
「いやそもそもはいいですからどんどん回して頂いて…。
あの頭に回して頂いて…」。
「あっそっすか?すいません。
あらあたす。
いやあっしはねあんまり肉はいかねえ方でございます。
昔はやったんでござんすがねフッフッフッフッ。
うんうん…。
ところがだんだんほら年取ってきましたでしょ?そしたら歯が悪くなっちゃってあんまりねうん…。
肉はいけねえんすええ。
うん昔はねどんどんどんどん肉食ったんでござあすが近頃歯が悪くなって」。
「いや歯あいあい。
ああた歯がいいですよああた。
ほらみんな食っちまいますからああ大宮さんへ回して」。
「あっそうですか。
はいありがとうございます。
いえいえ私はもう本当に肉は頂きませんでいえ私は小唄なぞを稽古しておりますんで喉が大事でございますから私はこのネギを頂戴致しますんですみません。
はいもう肉は頂きませんでネギを…フッフッ」。
「あっ…この喉にはこのネギがうまいんですねこれ。
うん。
フッフッフッフッ…」。
(笑い)「うん。
あっあっあっ今熱いおつゆがチュッっと来…あっ…。
いや私このネギが大好きで」。
「いえちょっとああたああた…。
さっきからネギがネギがって言ってますけどネギとネギの間によく見ると肉を挟んで…」。
「見つかりました?」。
「そらあしょうがないなあああ私にも私にもはいはいはい。
ええどれどれどれうん。
フッフッフッフッ…。
おっ。
ああこれはなかなかうまいもんですな。
さあ皆さんどんどんやって頂いて…」。
「ハッハッハッハッ。
やあ月番さん月番さん。
おっ何だね。
あっしはねえもうガブガブガブガブやってるといい心持ちになっちゃった。
どうでしょうねこの辺りの木遣りをひとつ?」。
「いやいやいや。
こんなところで木遣りなんかいけません」。
「それじゃいかがでございます?私火の用心の歌をね私…いいえ大丈夫。
大きな声は出しませんから大丈夫でございます。
ええひとつ任して。
あの〜黒川先生拍子木がありますでしょ?それであの時々合いの手を入れて頂いてよろしゅうございますか?それじゃ。
アッウン。
アッウン。
ハアウンウンハアウウンハアハアハアウンハアウンウウンハァ。
ハア〜ウンハアウン…ハア」。
「早く歌いなさいよ」。
(笑い)・「火の用心」・「火の回り」「コツリコツコツ」。
・「拍子木までも」「チョン」。
・「嘘をつくさのえ」「いよ〜。
いやうまいもんですな。
ハハッ。
いえじゃあ今度私が都々逸を…」。
「番!」。
「えっえっえっ何…」。
「番の者はおらんか?」。
「お役人お役人。
いけませんいけません見つかっちゃ…鍋隠して頭半纏の後ろへこうこうこうかぶせて隠して」。
「アッチッチッチッ」。
「どうしました?」。
「お尻に鍋が」。
「じゃじゃじゃ辛抱して辛抱して黙って…。
まだ開けちゃいけません。
はいはい…。
開けて開けて。
どうもお役目ご苦労さまでございます」。
「うん。
回っておらんのか?」。
「ええ…。
そらもうあの…宗助さんが」。
「何で私の名前を出すんだ?私の名前出さな…」。
「あのはい今弐の組が回っておりまして先に回りました壱の組が戻って休んでいるところで…」。
「おお回っておるのか。
ならばよい。
その土瓶は何だ?」。
「これはあの…宗助さんが」。
「だから何で私の名前を出すん…」。
「この煎じ薬を煎じておりまして…」。
「おおわしも風邪をひいておる。
一杯もらおうか」。
「しょうがない」。
「うんうん」。
「その方らこれをやっておったのか?」。
「はあ」。
「これをやっておったろうな?」。
「ははあ」。
「よい煎じ薬だな」。
(笑い)「助かった助かった助かった。
もう怒られない。
ええどうぞお飲み頂いて」。
「うんこういう煎じ薬はよいな。
あの半纏から湯気が出ておる。
あれは何だ?」。
「あっハハ…。
あれはもう宗助さんが」。
「だから何でああたいちいち私の名前出すん」。
「煎じ薬のこの…何でございます口直しを煮ておりました」。
「ほうそれをもらおうか。
うんどれ。
おおこれか。
ううん…」。
「うんうんうん。
よいのう。
ううん…。
うんうん…」。
「うんうんもっといかせよ。
うんうんうんうん…。
うんなるほど。
うんうんうんうん…。
うんうん。
うんおお!うん…ああ。
ああ口直しがよいと煎じ薬が進むのう。
もう一杯もらおうか」。
「いやいやいや駄目だよこれ蟒蛇だよ。
断っちゃいな断っちゃいな」。
「申し訳ございません。
煎じ薬がみんななってしまいまして」。
「なに…無いと申すか?」。
「ええ一滴も残っておりません」。
「ならばしかたがない。
拙者もう一回り回ってくる間二番を煎じておけ」。
(笑い)
(拍手)「落語THEMOVIE」いかがでしたでしょうか?落語に興味を持たれた方は是非寄席に足を運んでみて下さい。
あなたの想像力で無限に広がるエンターテインメント。
それが落語です。
2017/01/11(水) 22:50〜23:15
NHK総合1・神戸
超入門!落語 THE MOVIE「釜泥」「二番煎じ」[字]

ふだん、想像で楽しむ落語の演目を、落語家の語るはなしに合わせてあえて映像化。完璧なアテブリ芝居をかぶせてみたら…初心者でも楽しめる新たなエンタメが誕生しました!

詳細情報
番組内容
(1)「釜泥」…釜ゆでの刑になった大泥棒・石川五右衛門を慕う泥棒たちが、町じゅうの釜を盗みまわる。困った豆腐屋のおじいさん(温水洋一)は、商売道具の釜を守るため一計を案じるが…(2)「二番煎じ」…「火の用心」の夜回りをする旦那衆。番小屋に戻って、用意してきた酒と猪鍋でからだをあたため始めるのだが、そこへ見回りの役人(ダンカン)がやってきた!▽案内人・濱田岳による「現代版マクラ」も必見です。
出演者
【案内人】濱田岳,【出演】温水洋一,ダンカン,柳家三三,三遊亭兼好,【語り】落合隼亮