「魔法の言葉覚えている虹の始まったところ」・「あの時世界の全てに一瞬で色が付いた」・「本当の声はいつだって正しい道を照らしている」・「なんだって疑っているからとても強く信じている」・「心臓が動いている事の吸って吐いてが続く事の」・「心がずっと熱い事の確かな理由を」・「雲の向こうの銀河のようにどっかで無くした切符のように」・「生まれる前の歴史のように君が持っているから」・「それだけわかっている」・「僕だけわかっている」
ひなちゃんはとっても悩んでいた
あー。
うーん。
だから唐揚げと玉子焼きとかでいいんじゃないの？あと…甘からしょっぱいきんぴらとか。
ダメーッ茶色のダメェッ。
もっと可愛いお弁当でないとダメなのっっ。
わかんないかなーもー…。
開けた瞬間こう…パァァって☆わー可愛い！！ってなるような！！！ぱーっっ。
うーん…でも中学生の男子でしょ？で試合の後…だとしたら「可愛い」より「うまそー」の方がいいんじゃないの？ねぇ？桐山くん。
って…あれっっ早っっもうそんなに剥いたの!?え。
あはい。
明日は日曜日
しかもキレイ…桐山君器用ねぇ…。
呼んでよかったー。
４ｋｇも買っちゃったから…。
ひなちゃんの中学の野球部の試合があって
ぼく渋皮煮って食べたことないんです。
この茶色い皮って食べられるトコだったんですね。
そうよ。
うーんと煮ればね。
長持ちするから冬のおやつにピッタリなの。
そしてどうやらその試合にはヒナちゃんの気になるヒトが出るらしいのだ
牛乳屋さんの子なんだよね。
高橋君って背の大っきい子。
自分ちの牛乳片っぱしから飲んじゃいましたみたいな。
小学生の頃はヒナより小さかったのにね。
それが今じゃヒナの学校の野球部のエースでアイドルだもんね。
で彼女はその「気になるヒト」
（どうやら高橋君というらしい）に手作りのお弁当を手渡したいらしく
競争率上がっちゃったね。
ヒナなんて小学校の頃から高橋君のことスキだったのにねぇ…。
ちっっちがうもん。
そんなんじゃないもんっっ。
なんでもすぐそーゆーふうに言わないでっ。
おねいちゃんのバカー。
あーハイハイごめんごめん。
で僕は今そんな乙女の一大イベント前夜を目の当たりにしている訳なのだ。
渋皮煮用の栗の皮を剥きながら
ん〜〜コレでどうかなぁ。
どれ？見せてごらん。
リンゴ型のカボチャのコロッケとおにぎりで作ったお花畑かぁ。
んー…カボチャ茹でてつぶして丸めて粉つけてタマゴとパン粉まぶして…。
うーんそうねぇ。
試合って１０時からでしょ？９時半に家を出るとして…。
初めて作るモノはキケンだと思うなぁ。
だって時間読めないし読めないと焦るし。
焦ると失敗したりするじゃない？ホラ味付けとか…。
じゃっじゃあどーすればいいのよう!?だからホラ唐揚げと玉子焼きと赤いものが欲しかったらプチトマトとか…。
ええーっ！何か食べれそうなものはないかニャー。
そんなのヤダっっありきたりっっおばさんっぽいっ絶対ダメーッッ。
おっおばさん!?もいい。
ヒナこれに決めるんだもん。
はいはいじゃあ〜勝手になさい。
もー相談になんて乗ってあげないんだから。
（時報）あ大変もうこんな時間。
マルＳ１０時迄なのにっ。
あ…お…お金…が…。
あの…おねいちゃん…コレ…買いたいんですけど…お金が足りなくて…その…。
なになに…栗カボチャ牛ひき肉パン粉玉ねぎタマゴブラックペッパーラディッシュオリーブアボカドアスパラヤングコーンバルサミコ酢レモンマッシュルームパプリカエリンギ生バジル飾り用カップ＆ピックローズマリー。
もっとなででなででゴロブルームゴロ。
ってアンタ！！どんだけ作るつもり!?っていうか！いくらかける気？コストパフォーマンスわるっっ。
うっっ…。
ざっと見て三千円は越えるわよ。
どこの料亭のお弁当よ!?何でよそんちの子のお弁当代でうちの食費から三千円も!?ウチなんて牛乳だって底値の￥１５８でしか買ったコトないのにーっっ！！！いやようっ〜。
何ようよその子っていうならニャーたちだって桐山君だってそうじゃん。
何よ！！！おねいちゃんばっかよその子にどんどんお金使って！！！れいちゃんよその子なの？
（あかりひなた）はっっっ。
どこからきたの？モモのおにいちゃんじゃないの？あ…ええ。
まあ…すみません…。
ああ…気まずい…。
あの…その…ゴメンなさい。
あいやこっちこそ…食費払うって言ったんだけどあかりさんなかなか受け取ってくれなくて…。
でもこれでちゃんと受け取ってくれるようになるかも。
そしたらもう僕も申し訳なくないし。
おねいちゃんってね何でも拾ってくるの。
イヌとかネコとか。
昔からなの。
ガリガリの子を見るとほっとけないの。
でフクフクにするのが好きなの。
でも…さすがに人間拾ってきた時にはびっくりしたよ。
オレ？でも大丈夫。
きっとおねいちゃんがすぐにフクフクにしてくれるよ。
そうかな…。
うん。
そっか。
うん。
そーだよ。
（ドアの開閉音）
そして日曜の朝…
キャーーッ！せっかく丸めたコロッケがーっっまたやり直し!?あっこげくさいっっ!?リンゴの甘煮ソテーが!?ウワーッ！
（時報）うそっっ！もう８時!?何で!?６時に起きたのに！！
（携帯のバイブ）やだ！！誰？今手が離せないようー。
（メールの着信音）あ洋子ちゃんだっっ。
え〜と「おくれます。
先にいってね」…と…。
ヤダそーだ何着ていこう!?お弁当で頭がいっぱいでぜんぜん考えてなかったよ！！！はっこれじゃおしゃれしすぎ。
私なんか張り切ってるヒトみたい!?
（時報）ヒィッいつの間にか遅れてるー。
キャーーーッ！
（時報）いやぁ〜〜〜〜〜〜！ふう意外に高いんだなカーテンって…。
でもこれでやっとゆっくり眠れるぞ。
しばらく対局がないしいい機会だから今のうちに家にいるものそろそろちゃんとそろえないと…。
あと椅子と机と本棚と…。
（打球音）
（歓声）ん？ああここ…。
ヒナちゃんの中学校か。
（声援）
おおっあれが噂のタカハシ君か。
でけー。
ホントに中学生？そして確かにカッコイイ…
がんばれーっっ。
うってー！
おっいたいた。
お弁当間に合ったのかな…
（打球音）
え!?
（部員）逆転だ！！！
（部員）タカハシー！
ホ…ホームラン!?
（歓声）タカハシッ！スキッ！ずっと好きだった！！キャーやったスゴーイ。
カ…カッケー…。
ホントに打っちゃったよ…
ううわーめちゃめちゃ少年マンガの主人公っぽいんですけど。
ひなちゃんのあんな顔見たコトねー。
なんかめちゃくちゃ青春っぽいんですけど…甘ずっぱいっつーか…。
まっとうな恋っぽいよ！
恋…。
（一同）あざーしたっっ。
（部員）じゃ着替えたら「松田」に集合な。
え!?「松田」？もんじゃ？腹へったー。
ええっと高橋くん…は？高橋も行くだろー？「松田」！！！
（女子）カッコよかったー。
あはい。
た…たかはしくん…。
えー「松田」行くの？アタシ達も行っていい？よーしじゃもんじゃだ。
わーい。
はわわ…。
オレ何しよっ!?ハラペコだー。
高橋オラッ行くぞ！
（笑い声や話し声）ダメだよ！だっておねいちゃん聞くもん。
どーして渡さなかったのって…。
せっかく作ったのになんで!?って…。
なんだ？
おっお姉ちゃんにはわかんないもん。
なんで泣くんだ？
だってお姉ちゃんきれいだもん…。
お料理だって上手だしお姉ちゃんのお弁当ならきっと誰でもよろこんで…。
夕べも。
さっきまでだって。
あんなに嬉しそうだったのに…
（泣き声）うん帰ろう。
帰ってみんなで食べよう。
（泣き声）
女の子ってわからない
おかえり。
そっか…渡せなかったのか。
残念だったわね。
がんばったのにね。
ふ…う…わ〜〜〜ん。
あーもう泣かないの。
わかるわよ。
おねいちゃんも渡せなかった事あるもん。
わかるわよ。
おねいちゃんもあげれなかった事あるの？そりゃあるよ。
ヒナと同じだよ。
可愛いの作りたくて張り切って…がんばって焦って失敗して…。
だからつい口出ししちゃった…。
でねなんか思い出しちゃった。
夕べ私がヒナに言った事って昔お母さんが私に言った事とおんなじなの。
あぁ親子なんだなぁ…なんてね。
おかしいわね。
おかあさんが…？さじゃみんなで食べよっか。
うん。
ニャー。
ん？何？食べたい？今日はいっか…。
えっっ!?いいんすか？いいんすか!?はぐはぐ。
はーいお茶入りましたよ。
さっ食べよ…。
あれ？ニャーたちどうしたの？お腹いっぱいで眠くなっちゃったのかな？どう？桐山君。
ヒナあなたコレ…味見した？え？ううん。
それは苦くて甘くてすっぱくて…まさに初恋の終わりのような味がして…
ヒナ…特訓しようね…。
うん。
次こそがんばるぞー。
初めてのお弁当は渡せなくて正解だったのかも。
…なんておねいちゃんと桐山君は思いましたとさ
見えたっ。
はい？あの…勝ったのボクですよね？うん？ああ。
ま現象としてはそうとも言うがな。
現象…っつーか「事実」なんですけど。
フーッ。
あーハイハイ。
解りましたお前の「勝ち」でいいよ。
それでお前の気が済むならなっ。
ち…ちょっまっ何それ!?いかにも「あーあー仕方ねぇなハイハイ」的なもの言い。
さっもう一回だ。
オレが先手な。
でオレが居飛車でお前がもう一回一手損角換わりな。
ええっっしかも何それ!?オレただの練習台じゃん!?小さい！！小さいよ桐山！！事は急を要するんだ。
「一手損角換わり」なんてこのままのさばらせておく訳にはいかないんだよ！！えー…じゃ振飛車指せばいいじゃん。
オレは居飛車党なんだよ！！！オレの苦手戦法をそのままにしておいていいのか!?もーいいよ。
オレ研究は一人でやる方が性に合ってるんだって何回言ったら…。
互いに高め合う貴重なライバルを失う事はお前の将棋人生において多大な損失なんだぞ！！？わかっているんだろうな本当は。
桐山！！！時は急を要する…。
だからっ一刻も早く二人で探し出さねばならないんだ…。
むしろお前こそが探し出さねばならんのだっっっ。
「一手損角換わり潰し」の特効薬…そう！二海堂ワクチンを。
えーーっっっ。
それを言うなら「桐山ワクチン」だろ。
憧れなんだよ！！「二海堂ワクチン」とか「二海堂システム」とか名前の入った技を後世に残すのが！！わかんないのかなもー。
わかるけど…わかりたくもないよ！！
（二海堂）グッモーニン！！朝の９時にいきなりアポ無しで現れ「特効薬の開発だ！！」とか言われても…。
しかも俺オールラウンダーだからそれあんま関係ないし…って聞いてる!?ヒトの話！！メシ…喰いに行こうか…。
何喰う？ちゃちゃっと喰えるもん…。
そーだメックバーガーは？ギガメックとか二海堂好きそうじゃんか。
ギガメックかぁ…。
いやよそう！！桐山はいつも何喰ってんの？オレかぁ。
オレは一人の時はパンとかニコニコ弁当とかメックとか吉田屋の牛丼とかかな。
あ…でも最近は時々知り合いの家で晩ごはんを食べさせて…。
ん？モモちゃん!?どうしたの？おねえちゃんたちは？ボドロッ！ボドローッッ！桐山知り合いか？あ…えーと…うーん…。
今たしか「ボドロ」とこの者が叫んだように聞こえたのだが…。
ボドロってあれであろう？子供から大人まで大人気のオレも大好きなあの名作アニメに出て来た森に住む「知的生命体」の事であろう。
あの神秘的な…。
まあ「知的」という部分では浅からぬつながりを感じるな。
フムッよし小さき者よ名を聞こう…名を何という？モモッ。
よしではモモ君。
手をつなごうではないか。
往来は車が行き交い危険だからな。
・「ボッドロボッドーロボッドドッボッドードッッ」モモちゃん嬉しそうだなオレといるより。
お家はどこなのかね？送ってゆこう。
あいた☆モモッ。
桐山くんと一緒だ！！おーい桐山く〜ん。
あの…れいくんそちらは？
え!?あかりさん!?顔が真っ赤なんですけど!?まさか…あかりさんのストライクって…ここなの!?
ええーとこれはその…将棋のあっ…部活のっっ。
初めまして。
桐山君の親友の二海堂晴信と申します。
晩ごはんは？もしよかったらあなたもいらっしゃらない？おねいちゃんえ!?「またヨソの子を!?」ありがたいお言葉。
ではぜひ喜んで！！はうあっ。
ねーねーボドローッッもっと折ってーニャー。
ニャー。
（二海堂）
古い家だな…まるで映画のセットみたいだ
ホウ…。
ご…ごめんなさい桐山くん。
い…いや…ヒナちゃんが謝るコトでは…。
あああ桐山君…ホント何ていうか玉のようにつややかな素晴らしいお友達ね。
た…玉のような…!?友達の形容でそんな台詞聞いた事ねー。
ゴメン…おねいちゃんフクフクには目がないの…。
ホントに…ゴメン。
何が食べたい？今日は買い出しの日だったからだいたい何でもできるわよ。
唐揚げ？ハンバーグ？ハンバ…あいえ…。
うす味でたんぱく質控えめで…あれば…。
え…えっとああのすいません。
な…なんでもないです。
食べられます。
まぁ…そうなのね。
意外だわ…大人の味が好みなのね。
おかしいわ…その豊満なボディはそんなメニューでは維持できないはず…はっもしかしてダイエット!?いけないわ…そんな事したらその玉のような美体が…。
ああでもそうよね。
気にするわよね？お年頃ですものね…。
メタボリックな自分…。
はっっもしかしたらもっと事態は深刻!?いけないわっっ。
いくらフクフクが魅力でも健康でなければ意味がないわ！！大丈夫！！！私に任せて
おいしいわぁ…あかりすまないねぇ…。
それは言わない約束でしょ。
まいったよーあかりさん。
メロンも竹の子もイカンのだよー。
もー何喰ったらいいのか…。
お酒もダメだってほんの少しだけならだってさ…。
まぁ…山本様…お気の毒な…。
じゃおつまみは私が…。
だてに祖母の世話やお店でのトークに耳を傾けて来た訳じゃ無くってよ！！！
さぁどうぞ。
二海堂君は味付け自分で自由にしてみてね。
おいしい…うす味なのに…。
よかった。
よく噛んでゆっくり食べてね。
はい。
３０回以上噛むようにじいやにもいつも言われてるのですがどうにも自分せっかちで…。
まぁ…すてきなじいやさんね。
（チャイム）あら…どなたかしらこんな時間に…。
夜分大変失礼いたします…。
こちらでお坊ちゃまがお世話になっておりますようで…。
おう花岡。
迎えに来てくれたのか!?まぁ二海堂君の？よくここがわかりましたね☆それは勿論ＧＰＳ…ウオッフォンゴホゲホン！おっと失礼。
どうも気管支の具合が…。
丁度ここを通りかかったもので…。
じいやはいつだってどこにいても必ず迎えに来てくれるんだ。
昔っからそうだった。
魔法みたいだろ？まほう!?
ちょっまっ二海堂ーっっユーめっちゃ監視されてるんですけど!?
今そのヒトＧＰＳって言った！！ぜったい言ってた！！あの…これよろしかったらみなさんで。
ご近所なのでもうご存知かも知れませんが…このお菓子私の大好物なんです。
あらあらすいません。
まあ…。
奇遇ですわ私もこれ大好きなんです！！！すっごく。
あの良かったらお上がりになって一緒に食べませんか？お茶いれます！！おおよろしいので。
では。
どうぞどうぞ。
ヒナお湯沸かしてくれる？はーい。
・「その声は流れ星のように」・「次々に耳に飛び込んでは光って」・「魚のように集まりだして」・「冷たかった胸に陽だまりが出来た」・「普通の触れ方を知らないから」・「戸惑っていたら触れてくれた手に」・「どれだけ夜をくぐり抜けても」・「ずっと冷めないままの熱が脈を打つ」・「君がいるそれだけで」・「命の全部が輝く」・「凍りついた心に」・「その鼓動が響き火を灯す」・「いくつもなくなったあとに」・「強く残ったひとつ残った」・「離れないいつでも側に」・「僕の中に一番近くに」「３月のライオン」次回も見てね。
お弁当今度は絶対失敗しないんだから！2016/10/29(土) 23:25〜23:50
ＮＨＫ総合１・神戸
アニメ ３月のライオン「第４話」[字]
１７歳のプロ棋士・桐山零。幼い頃に事故で家族を失い、周囲にもなじめず孤独に生きていた。ある日あかり・ひなた・モモという３姉妹と出会い、零は少しずつ変わり始める…
詳細情報
番組内容
野球部の試合応援を翌日にひかえたひなたは、気になるエース・高橋勇介のためにお弁当を作ることにする。華やかでかわいいお弁当を目指してはりきるひなただが、華やかさよりも定番のおかずをすすめるあかりと衝突してしまう。翌朝もお弁当作りや着ていく服選びでバタバタのひなた。乙女の一大イベントの行方はどうなる！？
出演者
【声】河西健吾，茅野愛衣，花澤香菜，久野美咲，岡本信彦，細谷佳正
原作・脚本
【原作】羽海野チカ，【脚本】木澤行人
監督・演出
【監督】新房昭之
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