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セリフ書き起こし 特集ドラマ・クロスロード(6)(最終回)「25年」 2016.12.24

 

 

(尾関)名前は衛藤真樹矢。
実家は西青梅市栗沼です。
土地勘がありました。
更に左利きだったという証言を得ています。
斉木の頭蓋骨は左後頭部に損傷がありました。
それが背後から襲われて出来たものだと仮定すると…。

 

 

 

 


(板垣)犯人の白骨死体が出た事で複数犯説が浮かび上がってる。
(羽田)捜査本部の方針が間違っていたと?どうしても書きたいんだ。
力を貸してくれないか?間島千鶴さんに事件3日前に接触してきた男が衛藤真樹矢かどうか確認させて頂きたいんですが。
(小西)何枚もの面割り写真の中から迷いなく衛藤真樹矢の写真を指しました。
それじゃやっぱり衛藤が多岐川事件に絡んでる事に…。
そうはならない。
間島千鶴さんは事件3日前に会った男の顔写真を指さしただけだよ。
そうです。
単にそれだけです。
(貝谷)青梅丘陵荒神地区で白骨化して見つかった斉木正孝が死亡したのは15年前の平成12年8月である。
斉木の死の直前まで親密な交友関係にあったのが衛藤真樹矢と推察される。
(時田)衛藤真樹矢は平成12年8月8日つまり多岐川事件から僅か6日後に北区田伏1丁目のアパート喜楽荘を慌ただしく出たあと所在不明。
え〜しかし約1年後の平成13年9月衛藤は新宿区伊賀町2丁目みのりハイツ203号室に転入届を出しております。
同みのりハイツ203号室の賃貸契約者は杉田里美。
(吉野)5年間みのりハイツにいた衛藤は平成18年5月板橋区のアパートカーサもとやま101号室に転入。
4年後の3月同所を退去。
その後の転居先足取りはつかめておりません。
西青梅荒神地区で発見された斉木正孝の頭蓋骨を砕いた打撲痕は左利きの者に背後から襲われたものと推定されていた。
現在捜査線上に挙がってる者の中で衛藤真樹矢が左利きだと判明している。
今後は衛藤真樹矢が居住してた頃の仕事交友関係の洗い出しに全力を傾け重要参考人として衛藤の行方を突き止める事を最優先とする。
衛藤真樹矢の知り合いなどが西多摩地区にいると思いますがその聞き込みは?こっちで手がかりになるようなものが出るとは思いませんが。
でも無視はできんだろう。
ではそっちは土地勘に詳しい青梅中央署の方でひとつ。
尾関でいいでしょう。
(渡辺)尾関さん。
はい。
捜査本部でお呼びですよ。
杉田里美はみのりハイツを出たあと都内を転々とし現在は結婚して塚越里美となってます。
塚越里美…。
で住所は?
(里美)あの…衛藤の事はうちの主人にはちょっと。
それはご心配なく。
衛藤さんが新宿に引っ越すまでの1年彼の所在が分からないんですが。
千住の私の部屋に転がり込んできたんですよ。
(中村)ああ。
衛藤にしつこく頼まれてそのあと新宿の店に移る事になって。
それで伊賀町に?だけどあの人全然働かなくてケンカばっかり。
私1年であのアパート出ました。
(小西)衛藤はそのまま?さあ。
そのあと連絡もしてませんから。
管理官運転免許本部から回答が来ました。
平成19年の更新以降衛藤真樹矢の免許更新がなされておりません。
本来なら次の免許更新は5年後の平成24年ですが。
仕事に有利な運転免許だ。
何としても更新するもんだが。
それが現在までなされていない。
はい。
衛藤は新宿から板橋に転居したあと別の女とつきあっていたようです。
沼袋のスナックの女ですが当時の事を覚えてる者が少なくその女の住まいも氏名も不明です。
その女は5〜6年前に田舎に帰ったようです。
東北の岩手だか宮城だかに。
衛藤さんとは中学が同じだそうで。
あいつまた何かやったんですか。
えっ…またとは?高校の時同級生をケガさしてそれで退学させられたって聞いてます。
何年の時ですかね?1年か2年か…。
ふだんはおとなしいやつなんですけど一度キレるともう手がつけられなくて。
なるほど。
あっ家が隣同士で小学校から一緒だったって人がいたな。
え〜っと…。
衛藤君中学に入ってから変わったんですよね。
家庭的に恵まれてなくって。
父親が酒癖悪くて母親を殴ったり蹴ったり。
中学の時衛藤君を残して母親は弟と妹を連れて逃げました。
衛藤君は高校1年で退学。
すぐにこの土地から消えてしまって…。
父親は?父親もいつの間にかいなくなりました。
衛藤君今いくつになったんだろう。
あの…。
あっ同級だから私と一緒だ。
41。
25年前の顔しか思い出さないからつい年下みたいに…。
衛藤君この土地離れたの確か16でしたから。
それから25年ですか。
ご苦労さま。
(3人)あっお疲れさまです。
コーヒー温かいです。
頂きます。
先日は幸子に線香をあげに来て頂いたそうで。
長い間会ってなかったのに仏壇の写真を見た途端幸子さんの思い出昨日の事のようにブワッと。
交流しなくなって残念でした。
私はやめろと言った訳じゃ…。
分かってます。
多分幸子さん尾関さんに気を遣ったんですよ。
夫同士が気まずくなったのに女房同士がコソコソ会う訳にいかない…なんて。
そういう気を遣う人でした。
その後板垣とは?あっ何度か顔は合わせてます。
うちの人謝りました?いえそういうあれでは。
そうですか。
奥さん。
板垣は記事を書くのが仕事ですから。
でも板垣の記事のせいで尾関さん本庁を…。
そのせいばかりじゃ…。
私前々から上のほうに嫌われてまして。
ああ撮り直す時間はないんで。
(ゆかり)板垣さんこれは?ちょっと待って下さい。
先月のインタビューの時のどうですか?ありましたありました。
こちらにあるのを使わせて頂いていいですか?はいじゃあそうさせて頂きます。
はいどうもすみません。
こんちは!あんたがお金をせびりに来たのは私が源吉さんをたぶらかして結婚させたと思ったからでしょ。
7年前オヤジ入院したらのこのこ引っ越してきたし。
いやあんたもお姉ちゃんも都心暮らしでなかなか顔を出せない。
せやさかい私が世話をしようと思って…。
入院中のオヤジに結婚させに来たんじゃないの?源吉さんに退院してからの暮らしを楽しみたいと何度も何度も頼まれました。
楽しみ?まあ夫婦としての暮らしですやろな。
話が出来すぎてるよね。
結婚して半月後にオヤジは死んだ。
それは悔やんでます。
オヤジの遺産狙ってたんだよ!相続は放棄しました。
もともとここは俺のビルだよ!弁護士が徳枝さんに何もないんじゃあんまりだって言うから俺は好意で!弁護士先生から「こんなビルはもらいたくない。
こんな古い建物は徳枝さんにお似合いや」。
そう言うて手放したと聞いてます。
向こうの山2つ製材所土地家屋何億という遺産をあんたとお姉ちゃんで相続したんでっせ。
源吉さんの…お父さんの残さはったもんあんた一体何に使てしもたんや?
(のぞみ)智君怒ってるでしょ。
この前私が小野をかばった事。
ごめんね。
小野に殴られて智君悔しかったのに。
この店あの人に頼むんですか?まだそこまでは。
ここどうなるんですか?まだそれは分からない。
・はい緑の館です。
あっお待ち下さい。
本店の社長です。
ありがとう。
お父さん?
(今井)はいじゃあ次回公演「真夏の夜の夢」の新解釈配役発表。
ハーミア奈々未。
ありがとうございます!
(今井)はいライサンダー正人。
こいつかよ!できるかな…。
何言ってんの。
やらなきゃ!できないんだったら俺やるぞ!本当だよ!そうだよ!はいはいはいはい〜。
目玉妖精パック…泉。
え〜!うっそ!はい!いっちゃん大事な役をお前に預けるからな。
分かってんな。
はい!おはよう!おはようございます。
泉今度の舞台はメインの役なんだって?はい大抜擢なんです!私にできるかどうか分かんないんですけど…でも頑張るんでよかったら見に来て下さい!よいしょ。
靴擦れなんてデカの勲章ね。
イテッ!
(笑い声)お前…なにも板垣の奥さんと会わなくなる事なんかなかったんだよ。
鳴ってるわよ!あっはい。
はい板垣です。
遅くにすみません。
実はこの間お話しした特集記事の事なんですが…。
どうかな?いけそうかな?そういう硬い内容より多岐川事件そのものをえぐるっていうのはどうですか?羽田さん!?上の方がですね警察機構がどうのなんて硬い内容じゃ読者受けしないなんて言うんです。
で君は?私の立場も分かって下さい。
それだけです。
(不通音)え…ええっ!?はい分かりましたありがとうございます!多岐川事件の際被害者宅から盗難に遭った宝石類のうちネックレスが出ました。
何!?杉並北署から多岐川中央署に連絡が入ったそうです。
(小西)多岐川事件で盗まれた品だとよく…。
遺族の間島重二郎さんから届けられた盗難品のリストが全国の警察署に手配されております。
その男はこれをどこで?去年の暮れ杉並区内の家から盗んだものと分かりました。
とられた主婦によると8年前質流れ品の販売会で3万円で買ったものだそうです。
あ〜あったあったあった…。
そのネックレスが質入れされたのは13年前ですな。
これを質入れしたのは当時の住所で新宿区伊賀町2丁目みのりハイツ203号室杉田里美方衛藤真樹矢。
多岐川事件のネックレスが?
(高坂)このダイヤは間島ジュエリー独特のカットですよ。
金属部分の作りもあのころのこしらえです。
素人目には分かりませんがダイヤに少しゆがみがありました。
それで売り物にならないという事で若社長が奥さんに差し上げられたんです。
亡くなった義信さんが奥さんの登美子さんにですね?はい。
若社長と奥さんがあの忌まわしい事件で亡くなったのはその半年後でした。
(ノック)あっどうぞ。
あっあなた!
(高坂)私が千鶴さんに知らせました。
お母さんの持ち物がこうして戻ってくるなんて…。
こんな巡り合わせがねえ。
多岐川事件は斉木正孝の単独犯という事になっておりますしその時のネックレスが何故衛藤真樹矢の手で質屋へ入れられたのかが疑問で…。
つまりそれは…。
つまり何ですか?いえその…どういう事かなと。
管理官ひと言よろしいでしょうか。
何か?はい。
斉木と衛藤は多岐川事件より以前からのつきあいがあった事はさまざまな証言から明白であります。
ネックレスは多岐川事件の単独犯と目される斉木が持っていたと考えるのが自然です。
しかし斉木は事件直後殺害されております。
殺害した犯人は左利きの男という事が考えられる今何らかの原因で衛藤が斉木を殺し土地勘がある西青梅の荒神地区に死体を埋めたと推察されます。
それが多岐川事件の直後とすれば衛藤は多岐川事件に大きく関与してた可能性が強いのではないでしょうか。
いや尾関さん貴重な意見大いに参考にさせてもらいますよ。
多岐川事件の捜査本部の管理官は浅野さんだったね。
浅野さんの単独犯説を君も強力に支持してたんだよな。
理事官は浅野さんの娘を妻にした私が何か?義理の父親の顔を潰したくないとかさ。
捜査に私情は挟みません。
昔も今もです。
(村瀬)浅野さん元気?2年前から施設に。
え?
(貝谷)自分の事も…女房や私孫の顔も分からない状態で…。
そう。
理事官私は…。
もういいよ。
千鶴さん亡くなったお母さんのネックレスを目にしたそうです。
そうですか…。
衛藤は多岐川事件の共犯なんです。
尾関さん私には犯行後の2人のいさかいが見た事のように目に浮かぶんです。
間島家に強盗に入った2人は本当はもっと多額の金があるはずだと踏んでいた。
千鶴さんの両親おばあさんを殺したあと宝石類をあさったのは手にした100万円に満足しなかったからです。
誘われて犯行に加わった衛藤はこんなはずじゃなかったと斉木に不満をぶつけたに違いない。
金の取り分の事でもめたとも考えられます。
そしてとうとう2人はのっぴきならないいさかいを…。
そして衛藤が斉木を…。
へいお待ち!食べましょう。
ありがとう。
あっすみません。
斉木の死体をこっちに運んで埋めたのは衛藤です。
衛藤が知っていた頃の荒神地区はイノシシやタヌキしかいない人の入り込まない森でした。
そこなら死体は見つからないと。
その森が火葬場の候補地になるなんて思いもしなかったんでしょうね。
時とともに様変わりするって事です。
無常って事ですかね。
先日からさまざまな情報が飛び込み捜査に迷いを生じている諸君もあろうかと思う。
多岐川事件で盗まれたネックレスの件だがそれを質入れしたのは衛藤に間違いはない。
だが衛藤が間島家から盗んだという確証はいまだにないのである。
前々から知り合いだった斉木から衛藤がもらったとも考えられる。
あるいは奪い取ったのかもしれない。
また斉木の手を離れたネックレスが巡り巡って衛藤の手に渡った可能性もある。
従って衛藤が多岐川事件の共犯という証拠にはなりえない。
諸君には先入観を払拭して捜査にあたってもらいたい。
要は証拠だ。
昔も今も捜査の鉄則は物証を得る事だ。
現在ここは死体遺棄事件の捜査本部である。
衛藤真樹矢はあくまでその最重要参考人にほかならない。
その事を肝に銘じて身柄確保にまい進してもらいたい。
以上。
(一同)はい!
(保)持ってますって。
コメントちゃんととるんだよ。
大丈夫。
(2人)行ってきます!はい。
あっいましたか。
ささお入りお入り。
いや駅前でねボ〜ッとしてはったさかいに。
え?いや勤めてた花屋さんが突然閉店しはったそうだす。
何で!何も知らせずに急に店閉めるなんて随分無責任だな。
また出版の方に戻る気はないのか?
(智)花屋なんかより?お前3年前何で出版社辞めた?せっかく就職して…。
(智)出版社に就職したのは父さんへの挑戦のつもりだった。
俺が大学1年の時父さん新聞社辞めて月刊誌週刊誌で特集記事書き始めたろ?全国飛び回って事件やら何やら探してさ。
評判も取ってたけど俺には何か世の中のあら探してるっていうか。
父さんが変貌したように見えたんだよ。
8年前は心底軽蔑した。
いじめの記事書いた時いじめた方の女子中学生の一人が特定されて自殺未遂まで…。
そんな記事を書いた父さんを俺は…。
俺だったらそんなふうにならないぞって父さんに見せつけるつもりで出版社選んだ。
けど「売れる記事載せろ」「人の目引くもん載せろ」って言われて興味のそそる文言をいつの間にか並べてさ…父さんにあれこれ言えない自分になってた。
この前父さんのいじめの特集記事読み返したんだ。
あれは…面白おかしく書いたものじゃないって事は分かった。
でも本当あれだよ。
民家にスズメバチの巣が出来たとか病院で3つ子が生まれたとかそういう大新聞じゃ絶対取り上げないようなささいな記事追っかけてる今の父さん俺は嫌いじゃないよ。
バカ野郎。
父親をそう簡単に認めるな。
オヤジなんて認めなくていいんだよ。
いいんだそんなもん。
じゃあ俺福生の花屋で店員募集してたから。
お前まだ花にこだわってんのか。
事件は起こさないけどつきあうと花も結構面白いんだよ。
ごちそうさま。
バカ野郎…。
芝居続けるって言うけどな泉。
何?お前ほかの人の芝居見てんのか?歌舞伎とか能とか落語とか。
そういうのチケット代高いのよ。
それじゃ何のためのバイトだよ?ほとんど部屋代で消えちゃうんだって。
それじゃ芝居の勉強にならないじゃないか。
でもとにかくやるから芝居。
私は25までこのまま突っ走る。
フン…。

(智)ただいま。
何よ智まで帰ってくるなら言いなさいよ。
今日のお父さんうるさいわよ。
智コップ持ってこい。
はい。
え?福生どうなった?ああ行く事になった。
そっか。
どうも。
ねえ何あれ?変じゃない?変。
あっ申し訳ない。
管理官!宮城県警本部から緊急連絡入ってます!読み上げて。
はい!「先日警視庁青梅中央警察署に設置された死体遺棄事件捜査本部より全国に手配された衛藤真樹矢の指紋が5年前の東日本大震災の直後宮城県石巻市で発見された身元不明死体の指紋と一致した事を報告します。
検視結果ならびに指紋等の写真を送付します」。
内容は以上です。
プリントして。
了解。
「衛藤真樹矢の指紋が宮城県石巻市で発見された身元不明死体の指紋と一致した事を…指紋と一致した事を…指紋と一致した事を報告します」。
沼袋のスナックの女の故郷は石巻だったのかもしれませんね。
その女を追いかけてってそこで…。
死んだ。
それじゃあ免許証の更新もできなかった訳だ。
えっ何?いえ。
西青梅荒神地区で発見された白骨死体遺棄事件は重要参考人死亡のため本日をもって捜査本部を解散する。
以後については所轄で継続捜査を。
諸君の尽力健闘に感謝する。
しかしながら衛藤真樹矢が本件被疑者と判明している訳ではない。
従って捜査の打ち切りではなく縮小という事である。
青梅中央署においては被疑者確定に向けて今後も鋭意捜査をお願いする。
以上。
(一同)はい!尾関さん。
はい。
多岐川事件は斉木の単独犯ですよ。
結局被疑者死亡。
無駄骨だったねえ。
いえ。
靴底が少し減りました。
ほう減った?靴擦れまで出来た分少しは打ち込めたかなと…。
今までだって打ち込まなかった訳じゃありませんが。
うん。
昔幸子に「靴擦れもデカの勲章よ」って言われた事がありまして。
へえ〜あいつがそんな事を。
あのころの自分は勲章を狙ってただがむしゃらに動いてたようで。
そうだったの?ですが今回何て言うのか肩の力が抜けて無心でやってたような…。
それが何とも心地よかったんですよ。
それは尾関君名人の境地だね。
からかわんで下さいよ。
ハハハハッ!いやいや浅草にね仏像とか彫ってる知り合いのじいさんがいてねいやそのおじいさんが言うにはねすごいものを作ってやろうと鼻息荒くしてるうちはいいものが彫れないと。
彫る前の木の塊の中にはね彫ってもらうのを待っている形が既にあるっていうんだよ。
だから職人はねそれを見極めて肩の力を抜いて謙虚に彫り出してやるだけだそうだ。
僕はまだそんな境地じゃ…。
そのおじいさんの話を聞いてねしみじみ思ったよ。
警察の務めというのはそういうもんじゃないのかなって。
声も出せず世間にうずもれてしまった人たちを木の中から彫り出すようにすくい上げるのも警察のさ…。
まあ退職してから気付いても遅いがね。
ハハハッ。
自分は多岐川事件は斉木と衛藤の共犯だと思ってます。
でももうそれが公になる事はありませんな。
ですが尾関さん私の説を信じてくれた人が一人でもいた事で今は満足です。
もう一人います。
板垣さん。
男の人が亡くなった事は昨日青梅中央署から連絡がありました。
そう。
いつか事件の事話せるって娘に言ってくれたみたいでありがとう。
いえ。
何か楽になりました。
そんな…。
本当に。
もしもし。
はい。
今から?大丈夫。
でははい今から行きます。
はい。
ボーイフレンドかな?泉さんとこれから吉祥寺で会う事に。
泉と!?はい。
ああそう。
では。
もしもし。
はいロック。
俺も飲んでいいかな?いいよ。
どっちのおごり?俺。
太田さんは満足だって?それが伝言だ。
25年前16歳で生まれ故郷の西青梅を出た男がいてねその後は世間の泥水を飲み悪に染まり最後は石巻で身元不明の遺体で見つかった。
衛藤真樹矢…。
あっそのニュース見たよ。
生まれ故郷を出てからのあいつの25年ってのは一体何だったのかね。
いや脇目も振らずさ悪の道を突っ走ってたやつもさほんの一瞬「あっもしかして死ぬ!」ってその瞬間にさ後悔の念に襲われるっていうよ。
あのさ松尾さんっているじゃない俳句の。
松尾芭蕉?あ〜そうそう。
その松尾芭蕉がさ最後に死ぬ前に書いた句があるじゃない。
旅に出て病気になってさ…。
ハハッそうだった。
悪だったその男もさ死ぬ前にふっと何か思ったんじゃないかな。
分からんけどさ故郷を離れたあのころに戻りたいとか何かさ。
何か…。
25年前か…。
うん。
お前顔つき変わったな。
ひとつきまえと比べるとトゲが取れた。
そんなすぐ変わるかよ。
うん。
あっでも心配の種が2つ取れた。
背中向けてた娘が俺に目向けてくれた。
息子は無職になった。
いや無職は心配でしょうに。
いやそれが息子は息子で次の事に目向けようとして…。
あいつキラキラしてる。
俺にもあんな時期があったなって。
何か俺にもやる気が湧いてきた。
何だよ?たま多摩新聞でやる気がか?たま多摩新聞バカにするな。
お前捜査課外されて警務課でくさってんのか?いや…。
いや案外面白い。
都心の警察と違って西多摩じゃ捜査課より警務課の方が大忙しだ。

(「Whatawonderfulworld」)いい時にいい曲だね。
五郎さんお代わり。
俺も。
あいよ。

(構内アナウンス)「2番線に電車が到着します。
黄色い線…」。
(踏切の音)2016/12/24(土) 15:54〜16:45
NHK総合1・神戸
特集ドラマ・クロスロード(6)[終]「25年」[字]

辰郎(舘ひろし)は太田(小野武彦)と会い捜査を重ねるが、貝谷(西村雅彦)は自説に固執する。徳枝(中村玉緒)と話し公平(神田正輝)は泉(北乃きい)たちに向き合う。

詳細情報
番組内容
多岐川事件が急展開し捜査本部はキーマン・衛藤の行方を追う。辰郎(舘ひろし)は西多摩の同級生に聞き込みをする。公平(神田正輝)の記事について出版社から方向転換するよう連絡が入る。太田(小野武彦)の話を聞いた辰郎は地道に捜査を重ね、貝谷(西村雅彦)の単独犯説が揺らぐ。徳枝(中村玉緒)と話した公平は、泉(北乃きい)と智(山口翔悟)に向き合う。板垣の妻・恭子(高島礼子)は辰郎に幸子(古村比呂)のことを話す
出演者
【出演】舘ひろし,北乃きい,中村玉緒,徳重聡,西村雅彦,平泉成,小野武彦,ミッキー・カーチス,宮下裕治,大後寿々花,古村比呂,飯沼千恵子,山口翔悟,高島礼子,神田正輝
原作・脚本
【作】金子成人
音楽
【主題歌】リフレクト・リフレイン,【音楽】中野雅子