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地上波テレビの字幕を全文書き起こします

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セリフ書き起こし 年末ドラマスペシャル 刑事吉永誠一ファイナル シリーズ完結!最後の大捜査 2016.12.28


待て〜!止まれ!おりゃ〜!山中!起きろ!うお〜っ!バカ野郎!殺すぞ。
やめろ!どけ!やめろ!チクショー!うお〜っ!吉永さん!貴一わっぱ打て…。
お前吉永班長に勝てるわけねえだろ。
山中良二公務執行妨害で逮捕する!立て!俺は何にもしてねえよ!ほら行くぞ!俺は何にもしてねえよ。
吉永さん間に合いますね同窓会。
あぁホントだ。
仁さんあとお願いしてもいいですか?それはかまわんが。
ありがとうございます。
その格好で同窓会行くのか?えっ?あっ何だこりゃひでぇな!初恋の人が待ってるのに。
デコには内緒だぞ。
じゃいってきます。
おぉ吉永!えっ?生きてたか!三浦か?おぉおぉ。
老けたなお前。
お前が若すぎるんだよ。

 

 

 

 

 


どうしたそれ?仕事帰りなんだよ。
大変だな刑事さんも。
そうだよ。
直ちゃんとはもう話したか?まだ。
直ちゃん離婚したんだぞ。
離婚!?結婚したのだって知らないよ。
マジか?おい水口こっちこっち!水口おい!おぉ!おいおいおいおい。
ワンツーワンツー!相変わらずパンチ力ないね。
お前それでもホントに元ボクシング部か?コイツだよ直ちゃんの元旦那。
えっ!?あっ許せねえ。
待て待てまあな。
けどまたやり直そうと思ってさ。
向こうはうんって言ってくれないんだけどまずは仕事見つけないと。
無職なの?お前。
グサッ!ハハ!で直ちゃん今何やってんの?NPO法人の代表だ。
小児ガンの子供たちの支援やってる。
へぇ。
おい今がチャンスだぞ。
あん?初恋の人とより戻しちゃえよ。
バカ!いてぇ!吉永そんなことしてみろ!ほらこの!
(津村)よぅ吉永じゃないか。
あぁ津村先生!ご無沙汰してホントに申し訳ありません。
いやいやみんな元気そうで嬉しいよ。
はい。
キミの仕事も忙しいんだろ?結構じゃないか。
刑事さんが忙しいのはちょっとまずいか。
できれば暇なほうがハッハハハ。
あの実は折り入ってご相談があるんですけど。
ん?おはよう。
(照子たち)おはよう。
パパ二日酔い?うん。
頭痛いの。
今日非番でよかったわね。
あのデコごめんお水ちょうだい。
はいはい。
あぁ痛い。
パパ初恋の人には会えた?バカシーッ!ママに言ってなかったの?当たり前だろ。
聞こえちゃった。
うわほらもう。
パパ初恋の人とそんなにお酒を飲んだんですか?飲んでないそうじゃないの。
パパ。
はい。
初恋の人ってどんな人?だから…。
(咳き込む声)大丈夫か?全然咳とまらないな菜摘。
大丈夫大丈夫。
パパどんな人なの?いやだからね…。
あっ電話。
ほらホントに電話。
はい吉永です。
やっぱりパパの非番の日は事件が起こるみたいね。
パパバイバイ!鼓太郎ちゃんとわかってる!ねぇ!ご苦労さんご苦労さん。
まだか小沢!ったく吉永班長の非番やめてくれないんですかね?やめたら事件半分に減りますよ。
そりゃそうだな。
俺を過労死させる気か。
わざわざ非番なのにご苦労さま。
小沢お前!で状況は?ガイシャの身元がわかった。
すみません。
ちょっと声でかいっす。
二日酔いか?すみません。
あぁ続けてください。
ちっちゃい声で。
ガイシャは長谷部修48歳。
横浜理科大学薬学部の准教授だ。
大学では高柳啓吾教授の研究室に所属していて急性白血球症という難病の特効薬を共同で開発したそうだ。
第一発見者から話聞きますか?高柳研究室で助手をしている安達って男です。
今日は長谷部先生出張の予定だったんです。
それで私が車で7時にお迎えに。
先生おはようございます。
安達です。
失礼します。
先生!どうかされましたか先生!?じゃあ玄関の鍵はかかってなかったんですね?はい。
他に何か変わったことは?さあ特には。
長谷部さんたちが難病の特効薬を開発したって聞いたんですけどそれってかなりすごいことなんですか?それはもう。
ノーベル賞を期待する声もあるくらいですから。
ノーベル賞ですか!?長谷部の死因は失血死でした。
心臓に達した刺創からの大量出血によるものです。
死亡推定時刻は昨夜の10時から12時の間です。
凶器は?肋骨の一部が切られていたことから凶器はこれと同じ半波タイプのナイフが使用されたと思われます。
凶器自体はまだ見つかっていません。
で気になるのがこの非常階段。
ふだん1階の入り口が施錠されてて出入りできないんですけど今朝確認したら鍵が壊されてました。
おそらくホシはこの非常階段を使ってガイシャの部屋を往復したと思われます。
この非常階段に防犯カメラは?それがないんですよ。
じゃホシはそこまで調べてたってことか。
しかも相当用心深いヤツですね。
現場の指紋がほとんど拭き取られてたんです。
ただし2か所だけ採取することができました。
そういうのいらない。
危ない危ない。
1つは玄関のドアノブから第一発見者の安達の指紋が。
もう1つはトイレタンクのレバーからとれました。
この指紋の持ち主は?今のところ不明です。
このレバー以外からはまったく出なかったのか?きれいに拭き取られてました。
あっすみません!お呼び立てしといて遅くなっちゃいました。
いやいや。
すみません。
あぁ。
実は警察庁から出向しないかって話があるんですよ。
そりゃおめでとう。
ありがとうございます。
神奈川県警の将来の幹部候補生だな。
ハハハ。
ハハ!そう考えるとありがたい話なんですけどね。
ただ現場を離れると思うと正直ちょっと寂しいんですよ。
部下と離れるのも。
生涯いち刑事として現場でやってくつもりでしたから。
なぁ吉永。
はい。
お前神様っていると思うか?えっ?いや…。
お前は刑事としてずっと走り続けてきた。
それを神様が見てさちょっと立ち止まって考えろ。
そう言ってるんだよハハ。
自分にとっての神様は先生ですよ。
バカ言うな。
こんな安もんの神様がいるか。
高3のとき先生に助けてもらわなかったら今の自分はありません。
警察官になったのも先生の教えがあったからこそです。
まぁ悩めばいいさ。
それでもな最後に決めるのは自分だ。
はい。
なあ吉永これだけは言っておくぞ。
取り返しのつかないような後悔だけはするな。
どんなことがあってもな。
神様に叱られるようなことだけはするな。
へいらっしゃい!いらっしゃいませ。
水口!先生!どうして電話に出てくれないんですか。
ん?ああバイブにでもなってたかな。
今ちょっと吉永と話をしてるんだ。
俺はまだ納得してませんよ。
先生が身に覚えがないっていうんなら吉永にも聞いてもらっていいですよね?なんなら吉永に調べてもらいましょうか!?水口!やめとけ。
すまんが今日は帰ってくれるか?あっおい!水口となんかあったんですか?あぁいや昔水口たちの仲人をやってね。
ええ。
で彼らが別れるときに少し揉めごとがあったんだ。
ああ…。
この部屋に住む横浜理科大学准教授の長谷部修さん48歳が胸から血を流して殺害されているのが発見されました。
高柳啓吾教授の研究室に所属し急性白血球症という難病の…。
高柳の部下が殺された…。
ええ。
えっ?先生高柳教授のことご存じなんですか?ああ。
キミと同じ。
彼も私の教え子だ。
そうなんですか。
それでは順番に関係者指紋の採取にご協力ください。
まずは教授こちらにお願いします。
パワハラ?殺された長谷部さんがですか?そういう訴えが…。
ひと言で言えば僕は長谷部先生のしもべでした。
一日中先生のお世話で自分の研究どころじゃありませんでした。
(神山)どうぞ。
失礼します。
ごめんなさいお待たせしちゃって。
いやいやもうもう…やっぱりもう帰ります。
警察庁の話は決めたって先生に伝えてもらえますか?きっとどっかで飲んでんのよ。
ハハハハ。
もうちょっとだけ待ってみたら?そうですか?じゃあもうちょっとだけ。
あぁすみません。
この間の同窓会楽しかったみたいね。
ええ。
俺もみんなに会うのそれこそ何十年かぶりでね。
あっそうだ。
水口と直ちゃんの仲人をされたんですって?直ちゃん…かわいそう。
えっ?元気な頃の良太君。
え〜これ直ちゃんたちの子供ですか?私たちにとっては孫同然だったわ。
それが2年前小児ガンで亡くなって…。
毎日こんな時間まで働いてるの?うんうちは人手が足りなくて。
大変だね。
どうぞ。
あぁすみません。
すみません。
福原さんの淹れてくれるコーヒーおいしいの。
あぁそう。
昔コーヒー屋で働いていたことがあるっていうだけで。
どうぞ。
ホントだおいしい。
ありがとうございます。
福原さん続きは明日にしましょう。
そうしますか。
同窓会楽しかった。
うん。
ホントはもっと吉永君と話したかったんだけど。
俺もだよ。
水口とのこと聞いたんでしょ。
うん。
良太君のこともね。
なんて言っていいか…。
言葉も見つからないよ。
それでこんなこと始めたの。
そうだったんだ。
お先失礼します。
お疲れさまでした。
ご苦労さま。
つらいのは私だけじゃないわ。
津村先生のところだって…。
先生?聞いてない?何を?津村先生のところも娘さんを4年前に亡くしているの。
えっ!?
(津村)キミだっていまだに苦しんでいる人がいることを知ってるはずだ!頼む。
もう一度考え直してくれ。
このとおりだ。
津村先生頭上げてください。
今更そんなことできるわけないじゃないですか。
私の立場もわかってください。
ウソ!?菜摘入院したの?うん。
マイコプラズマ肺炎ってそんな大変な病気なのか?念のために入院しただけよ。
ホント?ホントに大丈夫なの?うん。
命にかかわるなんてことないんだよな?大丈夫よ。
パパは本当に心配性なんだから。
そりゃ心配する…あっごめん。
ごめんね。
うん大丈夫大丈夫。
高柳研究室で採った関係者指紋なんですが長谷部の部屋のトイレレバーから採った指紋とはまったく一致しませんでした。
そうか…。
戻りました。
はいご苦労さん。
ちょっとおもしろいことがわかりましたよ。
何だ?2か月前なんですけど横浜理科大で警備員をしていた男が高柳研究室からパソコンを持ち出そうとしたらしいんです。
その警備員を誰が取り押さえたと思います?殺された長谷部か?おい!何やってんだ?仁さん珍しく鋭い。
いや珍しくは余計だろうよ。
その警備員の身元は?水口邦男52歳。
住所は…。
ちょっと待て。
今なんて言った?水口邦男。
(チャイム)あっ吉永だけど…うん。
今ね水口の居場所を捜してるんだよ。
どっか行き先に心当たりってないかな?もしかしたらお墓かもしれない。
今日良太の月命日なの。
お前さ2か月前高柳研究室からパソコンを持ち出そうとして長谷部准教授に取り押さえられたってホントか?あの人の誤解だよ。
俺は定時の巡回してただけさ。
パソコンなんて持ち出そうとしてないよ。
そうか。
でもそのことが原因でクビになったのは間違いないんだな?ひどい話さ。
これ念のためなんだけどさ関係者指紋ってやつを採らせてもらいたいんだよ今から。
いいか?ああ。
良太君のこと聞いたよ。
残念だったな。
俺がボクシングやってたって言ったら僕もやりたいって言い出して…。
ほいワンツー!よしよしワンツー良太が小児ガンになったのは俺のせいなんだ。
どういうことだそれ?悪かったな水口。
これがお前の仕事だろ。
気にするな。
サンキュー。
また連絡するよ。
ああ。
気をつけてな。
玉田木島2人でアイツ尾行してくれ。
えっ?いいから。
頼むぞ。
はい。
どうしようかな言っちゃおうかな。
何だよ?人事から聞いたんですけど吉永班長警察庁に出向するんですって。
警察庁に?決まったのか?らしいですよ。
まずっ!あっあ〜っ!おいよせよ。
その顔はそういうことか?長谷部の部屋のトイレレバーの指紋水口の指紋で間違いありません。
ウソでしょ!?吉永さん玉田さんと木島さんがやらかしました。
なに!?どこで見失った?すみません横浜地裁前です。
タクシー会社は?貴一キンパイ手配だ。
はい。
ご協力お願いいたします。
ご協力ありがとうございました。
オーライオーライ。
水口さんのアパート行ってみますか?無駄だろ。
はい吉永です。
横浜理科大学で高柳教授が変死体で見つかったんだ。
貴一Uターンだ!
(サイレン)ガイシャは高柳教授に間違いありません。
今夜8時過ぎに姿が見えなくなって捜していたらここの地下の実験室に。
見つかったのが9時過ぎだそうです。
第一発見者は?矢島という研究員です。
高柳教授に急いで確認したいことがあって捜していたそうです。
ご苦労さん。
(一同)お疲れさまです。
小沢。
もうしばらくお待ちください。
あっこれだったら指紋採ったんで見てもいいですよ。
貴一。
はい。
あぁ…ロックされてますね。
あっ貸して貸して。
失礼します。
あ〜っお前…。
はいロック解除。
よくそういうことできるね。
指紋認証ですよスマホの常識。
そういう意味じゃないよ。
殺される前にメールの受信がありますね。
誰からのメールだ?水口さんからです。
水口?水口のケータイの位置情報わかりましたか?最後は横浜理科大付近だった。
そこから動いてない。
電源を切られたな。
そうですか。
じゃあ何か動きがあったら連絡ください。
「7年前のことで話がある」。
7年前に何があったんだ。
聞いてませんよ。
その話本当ですか?来月異動だって。
そんな…。
直接聞いてきます。
やめとけ。
この事件が終わってからにしろ。
それにしてもあんまりでしょ。
あぁ。
高柳の死因は失血死でした。
長谷部のときと同じく心臓に達した刺創からの大量出血によるものです。
死亡推定時刻は呼び出された8時前後とみて間違いないと思います。
凶器は?長谷部同様半波タイプのナイフが使用されたと思われます。
凶器はまだ見つかっていません。
つまり同一の凶器による同一犯の可能性が高いってことか。
はい。
水口さんが両方の殺人に関わっているかもしれません。
(牧村)鑑!みんなだってそう思ってるんでしょ?捜査会議で吉永さんに気を遣うのやめましょうよ。
何でも言い合えるのが吉永班のいいところじゃないですか。
貴一の言うとおりだ。
俺に遠慮しないでみんな思ったことはどんどん言ってくれ。
貴一お前もだ。
水口って呼び捨てにしろ。
はい。
水口と断定するにはちょっと早いかもしれないですね。
あ?いや大学構内の防犯カメラの映像を分析したんですけど犯行現場の地下実験室に行くにはこの階段を下りて廊下を行くしかないんですよ。
途中3台の防犯カメラがあるんですけどすべてのカメラに昨夜8時前に地下実験室に向かう高柳教授が映ってました。
当然ホシも映ってたんだよな?それがまったく映ってないんですよ。
どうしてだよ?おかしいだろ。
いやだから俺もおかしいと思って犯行時刻の前後3時間の映像を確認しましたよ。
それでも映ってたのは高柳教授と第一発見者の矢島だけだったんです。
もちろん水口も映ってません。
矢島恵がホシの可能性はあるのか?9時5分に実験室に入ってすぐ飛び出してきてるんで証言どおり第一発見者だと思われます。
じゃあどうやってホシは犯行現場に出入りしたんだよ?このルート以外に実験室に行けるルートは他にはないのか?例えばダクトとかな。
あぁ〜。
そのへんもう1回チェックしてくれ。
はい。
あっ水口のメールにあった7年前なんですけど1つ気になることが…。
7年前エコロジーウィング株式会社というリサイクル企業が運営するリサイクル工場の周辺で環境汚染の問題が発生していたんです。
その調査チームに高柳と長谷部が加わっていたんです。
おいちょっと待て。
その2人は薬学部の教授と准教授だろ。
なんで環境汚染の調査なんかに加わったんだ?そのリサイクル工場の周辺に小児ガンの患者が多発していたんですよ。
小児ガン?班長どうかしましたか?実は水口の息子も2年前に小児ガンで亡くなってるんです。
で調査の結果どうだったんだ?結局リサイクル工場は汚染物質を出してはいたんですがそれはごく微量で健康には影響がないということになり小児ガンとの因果関係は認められなかったそうです。
メールにあった7年前のことって汚染調査のことじゃないんですか?良太が小児ガンになったのは俺のせいなんだはい吉永班。
あっ?班長…。
水口が見つかったんですか?えぇ水死体で。
(サイレン)県警の吉永だ。
ご苦労さまです。
こちらです。
水口…。
班長!車の持ち主は?今木島が調べてます。
キーは差さったままだったのか?そうです。
小沢。
はい?このバッグ検めていいか?いいでしょう。
水口…。
半波タイプのナイフですね。
吉永さん鑑から連絡があり車の所有者宅に向かっているそうです。
名前は津村健三。
津村健三!?水口が?残念です。
車はいつもどちらに置かれていますか?私のですか?はい。
あぁ…少し離れたところに駐車場を借りておりましてそこに。
最近乗られたのは?1週間くらい前だったかな文子。
えぇ。
車が何か?車が相模湖の湖畔で見つかりました。
相模湖?先生最近水口に車貸したりしませんでしたか?いや貸してません。
それにこれはスペアキーですね。
そのスペアキーはふだんはどこに?ああ。
いつもはあのこちらに。
あらないわ。
あなたこの前の空き巣。
空き巣に入られたんですか?えぇひと月くらい前に。
警察に届けましたよね?それが…。
いやあの特に被害がなかったので届けなくてもいいと私が言ったんです。
ああじゃあそのときにこのスペアキーを盗られたんじゃないですか?
(文子)やだ空き巣は水口さん?水口邦男の死因は溺死でした。
肺から採取された水も相模湖のものでしたのであの場所で溺死したのは間違いありません。
死亡推定時刻は一昨日の夜10時から12時の間です。
つまり高柳教授が殺されたあとということになります。
血中からは睡眠導入剤が検出されました。
同種の睡眠導入剤が車内に残されていたコーヒーからも検出されています。
鑑識からいいですか?なんだ?ナイフについていた血痕は殺された長谷部と高柳のものでした。
そして柄からは水口の指紋が採取されました。
よしこれで凶器は決まりだな。
そして乗り捨てられていた車のハンドルやシフトレバーからも水口の指紋が採取されています。
まあ水口が自分でここまで運転してたのは間違いありませんね。
以上のことから事件を整理しますと…。
(小沢)まず長谷部を刺し。
続きまして高柳を刺し。
そして盗難車で相模湖に向かい睡眠導入剤入りのコーヒーを飲み…。
相模湖に身を投げたと。
まあそういうことになりますね。
水口が2人を殺した動機は何なんだよ?よくわかりません。
わかんないのに偉そうに事件まとめんじゃないよお前。
だって吉永さん言ったじゃないですか。
俺に遠慮しないでどんどん言いたいこと言えって。
ねぇ言ったよね?言ったよね?言ったよね?鑑言ったよね?小沢!なんですか?水口の指紋ってこの長谷部の部屋のトイレのレバーに残ってたんだよな?ええ。
他からはホントに見つからなかったのか?そうですよ。
じゃあ何か?水口は長谷部を殺したときにトイレを使ったってことか?仁さんそこですか?水口と長谷部は顔見知りだったんですよ。
犯行前にトイレ使ってもおかしくないでしょ?うるさいなトイレに行っトイレ。
ダメだこりゃ。
吉永さんちょっとよろしいですか?なんだ?警察庁への出向正式に決まったんですか?ああまあ…一応返事はした。
どうして僕らにはひと言もないんですか?鑑。
お前の気持はわかるけどめでたいことなんだからさ。
吉永さんにとって僕たちはその程度のものなんですか?そんなわけないだろ。
みんなにもきっちりと話をしたいと思ってたんだよ。
申し訳ない。
とにかく今は事件に集中してくれ。
はい。
な?吉永さんにとって僕たちはその程度のものなんですか?吉永君だって知ってるはずよ。
半年前水口と会ったの。
もう一度やり直したいって言われたわ。
それは俺も聞いたよ。
それと最後に会ったときに良太が小児ガンになったのは俺のせいだなんて言うからさ理由を聞いてみたんだけど答えてくれなかったんだ。
私のせいよ。
そんなことはない。
水口は3年前までリサイクル工場に勤めていたの。
私たちは工場の敷地内にある社宅に住んでいたわ。
7年前工場の周りで小児ガンの子供が増えていることが問題になったとき私引っ越したいって言ったのよ。
だけど水口は工場とは関係ないって言って引っ越してくれなかった。
それでも私は良太のことが心配だったから良太を連れて社宅を出たの。
別居して2年経ったとき良太が小児ガンに侵されていることがわかったわ。
あっパパ!良太が小児ガンになったのはあなたのせいよ。
もっと早く社宅を出ていたらこんなことには…だけどさ直ちゃん7年前の調査であのリサイクル工場の汚染と小児ガンは因果関係がないってことになったんじゃないの?私はあんな調査信じてないわ。
だからリサイクル工場相手に裁判も起こした。
だけどまったく相手にされなかった。
そんなとき良太が亡くなったの。
水口とも正式に別れたわ。
半年前会ったとき水口が初めて私に本音を言ってくれたの。
本当はずっと後悔してたんだ。
良太が小児ガンだとわかったときからずっと。
毎晩寝るとき思うんだ。
もし俺があの工場に勤めていなかったら良太は小児ガンにならなかったんじゃないかって。
許してくれ良太。
あの工場の汚染の真相を暴くよ。
それが亡くなった良太への償いだ。
そしたら俺のこと許してくれるか?あのときは彼を許してあげるって言ってあげられなかった。
だけど今は許してあげなかったこと後悔してる。
リサイクル工場の汚染の真相を暴くってどういうことですか?詳しくは聞いていません。
ただ汚染調査のデータが改ざんされていたようなことを。
汚染調査のデータが改ざんされてた?やっぱり水口は2か月前に高柳研究室からパソコンを持ち出そうとしてたんじゃないですか?そのパソコンの中にこのリサイクル工場の汚染調査のデータが入っていたとしたらつじつまが合いますよ。
そうか!突き止められたから水口は長谷部と高柳を殺したんだ。
つまり息子は工場による汚染で小児ガンになった。
でもその因果関係のデータを改ざんされ隠ぺいされた。
つまり間接的な復讐ですよ。
思いを遂げた水口は自ら命を絶った。
水口は自殺するような人じゃない。
吉永君だって知ってるはずよ菜摘!あっパパおかえりなさい。
なんだもう退院できたのか?うん。
ホントは明日って言われたんだけど菜摘が早く帰りたいって言うから。
そうか。
よかった…。
どうしたの?パパ。
子供が元気になっただけでこんな嬉しいんだな。
ホントね。
どうしちゃったのよ?2人とも。
おかしなパパとママだね。
ブタさん座ってんの。
そうブタ座ってんだ?アハハッ…。
(小沢)何か見つかりました?水口の自殺は疑う余地ないと思いますよ。
なぁシート動かしたか?押収したときのまま動かしてません。
これさ後ろ下げたり前やったりするのどうするの?あっちょっと待ってください。
はいはいはいはいと…。
このレバーで動きます。
このレバーから水口の指紋出たか?そこからは出てませんけど。
ってことは水口はこのレバーには触れてないってことだよな?そうなりますね。
おかしくないか?吉永さんが?違うよ!見てみろほら。
このシート俺が座っても足もとにこんだけ余裕があるんだよ。
水口は俺よりずっと小柄だぞ?もしアイツがこの車運転してたんだったらシートもっとずっと前になきゃおかしいだろ?つまり実際は水口より大柄の人間が運転していたってことですか?そういうことだ。
じゃあ自殺は偽装?その可能性は大だな。
ご苦労さん。
水口の自殺が偽装だとしたら長谷部を殺したのも別の人間かもしれない。
そういう視点でもう一度現場を見直そう。
了解!開けろよ。
あっ…。
ただいま!じゃあなにか?水口は長谷部を殺したときにトイレを使ったってことか?小沢!はい?他の部屋のトイレのタンクのレバー確認してきてくれ。
なんでです?この部屋のレバーと同じものかどうか知りたいんだ。
早く!あはい。
吉永さん違いました。
この部屋のレバーだけ他の部屋とは別物です。
思ったとおりだ。
このレバーは長谷部を殺したホシが付け替えたんだ。
そうか!レバーだけ水口の部屋のトイレから持ってくれば…。
水口の指紋がついてても当然だ。
すぐに水口の部屋調べろ!了解しました!はい吉永です。
班長落ち着いて聞いてくれよ。
お前さんの恩師が人質を取って立てこもってるようなんだ。
なんですって!?どこだ?あちらです。
状況は?
(玉田)人質になってるのはここの社長辺見慎介68歳です。
ここって例のリサイクル工場の親会社だよな?そうです。
立てこもってるのは津村先生で間違いないのか?秘書に津村健三と名乗ったそうです。
目的は何なんだ?先ほど内線電話を使って立てこもりをテレビ中継するように要求してきました。
テレビ中継?何のために?それがわかんないんですよ。
よし俺が入る。
吉永さん!吉永さんが行ったら刺激することになりませんか?大丈夫だ。
津村先生のことは俺がいちばんよくわかってる。
先生?吉永です。
入ります。
吉永…。
吉永!邪魔しないでくれ頼む!先生目的は何なんですか?テレビ中継を呼んでくれ。
その前にナイフを置いてください。
ダメだ!テレビ中継だ早く!卑怯者!先生!吉永?吉永…。
吉永!吉永さん!吉永…。
吉永さん!吉永さん!吉永さん!おい救急車!救急車!本当は他のヤツらも来たがったんです。
でも「捜査が最優先だろ」って班長に叱られるからって私があの止めたんです。
皆さんのお気持だけで…。
仁さんもお仕事に戻ってください。
それじゃお大事に。
ありがとうございます。
キミたちのパパは不死身だから。
ママの気持少しわかった。
いつもこんなふうにパパのこと心配してたんだね。
こういうときはね神様にお祈りするの。
パパをお守りくださいって。
ガーゼ。
吸引します。
血圧78脈拍124です。
吸引します。
お願いします。
神様にお願いが通じたね。
うん!
(ノック)はい。
吉永さん!貴一!大丈夫ですか?ああもう大丈夫だ。
今からでもな仕事に戻れるぞ。
よかった。
直ちゃん!ごめんなさい。
なんで直ちゃんが謝るの?津村先生きっと私のためにやってくれたのよ。
直ちゃんのために?半年前水口から聞いた話を津村先生にもしたの。
それから先生なんだか思い詰めたようだったわ。
例のリサイクル工場の汚染調査のデータが改ざんされたかもしれないって話ですか?ええ。
きっと私と良太のためにそのことを確かめようとして津村先生…。
たとえそうだとしてもだよ…。
先生があんなことしでかしたなんていまだに俺信じられないんだ。
津村先生は良太の名づけ親なの。
良太が生きてる間は本当の孫みたいにそれはかわいがってくれたわ。
その…データが改ざんされたかもしれないってこと水口は誰から聞いたのかな?わからない。
吉永さん怒らないで聞いてくれますか?なんだよ?津村先生が3人を殺したとは考えられませんか?なに!?例のリサイクル工場の汚染調査のデータが改ざんされていたかもしれないって話それが事実だとしたら実際には工場による汚染と小児ガンには因果関係があったということになります。
その判定を行っていたのは殺された高柳教授と長谷部准教授です。
津村先生はその事実を公表するよう2人に迫ったんじゃないでしょうか?しかし2人はそれを拒否した。
だから義憤にかられ2人を殺害してしまった。
一方水口とは何らかのトラブルを抱えていた。
吉永さんは2人の口論を実際に見ているわけですよね?それが殺害の原因とは考えられませんか?考えられないね。
どうして僕がこんなことを言い出したのかわかりませんか?ん?車のことを津村先生に聞きに行ったとき空き巣の話になったじゃないですか。
あのとき先生目をそらしましたよね。
あれって先生のなかにやましいことがあったからじゃないですか?つまり空き巣に入られたっていうのは先生の狂言ですよだから警察にも届けなかった。
そう考えれば筋がとおります。
吉永さんだって本当はあのとき津村先生に何か感じてましたよね?あのとき感じたことが的中してしまったって今思ってるんじゃないですか?すみません生意気言って。
俺がなんで刑事になったのかってお前に話してなかったよな。
津村先生に出会ってなかったら捕まる側の人間になってて。
捕まる側の人間?中学んとき家でいろいろあってさ。
荒れてたんだよ俺。
まぁ高校には進学したものの毎日毎日近くの学校のつっぱったヤツらとケンカざんまいだよ。
そんな俺を見かねた津村先生がボクシング部に誘ってくれたんだ。
一発でハマったよ。
のめり込んだねボクシングに。
高校3年のときは神奈川県大会で優勝してさインターハイの出場権も獲得した。
ところがだその直後に網膜剥離だってことがわかってドクターストップってやつだ。
悪いときには悪いことが重なるもんでさ。
直ちゃんがチンピラに絡まれちゃったんだ。
もちろん俺はこれで助けたよ。
でもそれが学校で問題になって。
で無期停学だよ。
そっからもう落ちるだけだった。
吉永!気がついたら暴力団事務所に出入りする一歩手前までいってたよ。
そのとき体を張って俺を止めてくれたのが津村先生だったんだ。
命は粗末にするな。
生きる喜びを噛み締めて楽しめ。
そしてなその命を人様の役に立つことに使え。
私はお前の正義を認める。
そのお前の正義で人の役に立つことを考えてみろわかります吉永さんの気持。
僕だって吉永さんの恩師が人を殺したなんて思いたくないですよ。
貴一先生に会わせてくれ。
はい。
失礼します。
お〜貴一。
班長!あっ痛って…。
元班長ね。
顔見て安心したわ。
あの…警視庁の出向から戻って来るのって来月じゃなかったでしたっけ?吉永君のおかげで予定が早まったの。
使い物にならない吉永班長の代理だそうです。
そんな俺ならもう大丈夫ですよ。
すぐ復帰できますよ。
貴一先生どうしたんだよ。
それが…。
私が吉永君に会わせないようにって言ったの。
えぇ?吉永君今大事な時期でしょ?警察庁への出向が決まったって聞いたわ。
とにかく今は体を治すことだけ考えて。
これは命令よ。
しかし…。
吉永さん津村先生から言づてが…。
なんだ?そのまま言いますよ。
「私のことはもう先生と呼ぶな。
恩師とも思わないでくれ」。
ハァ…ドキドキするなぁ。
吉永さんやっぱりマズいですよ。
お前は俺に命令されてしかたなくやってんだよ。
すべての責任は俺がとる。
あっどうも。
例のリサイクル企業なら手分けして洗ってます。
そんな体で吉永さんわざわざ出て行くことありませんよ。
俺が引っかかってるのはそんなことじゃないんだよ。
7…あっ痛…。
7年前の汚染調査でデータの改ざんがあったことを水口が誰から聞いたかだ。
それがな今回の事件を解くカギだと俺は思ってんだよ。
つまり水口は何者かに利用されて罪を着せられたんじゃないかってことだよ。
なぁ…これいくらなんでもちょっと派手じゃないか?お前ふだんこんなの着てんの?彼女の趣味なんですよ。
ああ…。
スカジャンが好きで。
お前横須賀だしな。
もうこれで1週間分見ましたよ。
あっストップ!今のところからちょっとだけ巻き戻してもう一度見せてください。
よく見てろ。
ほらここだ!今画面が動いてる。
はい一瞬左に動きましたね。
吉永さん実験室までの3つの防犯カメラどれも誰かが触った跡があります。
やっぱりそうか…。
じゃあ今カメラを振ったほうと反対側の壁際歩いてみてくれ。
ギリ壁際だぞギリッギリ。
わかりました。
吉永さん今からいきますよ。
どうですか?いや見えないな。
今どこまで行った?実験室前に着きました。
見えない見えない見えない。
まったく見えなかったよ。
吉永さんホシはこうやって犯行現場まで往復したんですよ。
ご苦労さん貴一すぐ戻って来い。
はい。
あっいっけね俺の指紋が…。
あっ!おいどうした?おい貴一貴一!うわ怒ってるよ。
わかってます。
吉永君病院抜け出して何やってるの?すみません。
電話をかけても無視するってどういうこと?ホントに申し訳ありません。
あ痛い痛い。
鑑君も共犯ね?いやいやいや貴一は俺の命令に従っただけですから。
大切な人にどれだけ心配かけてるか吉永君わかってる?え?デコさんに電話しなさい。
今すぐ。
あっはい。
パパ?どこにいるの?体は大丈夫なの?あのなんとか大丈夫だから。
あのさ今あれだから…。
落ち着いたらゆっくり電話するね。
ああデコ!ごめん。
じゃあね。
すぐに病院に戻って。
ああそれなんだけどさちょっとだけ待ってくんないかな?もう少しで事件の真相にたどり着けそうなんだ。
俺に津村先生を取り調べさせてほしいんだよ。
頼む!ダメよ。
すぐに戻って。
先生は…。
今までの取り調べでおそらくホントのこと言ってないと思うんだよ。
でも俺にだったら必ず真実を話してくれるはずだよ。
頼むこのとおり。
お願いします。
これ以上心配かけないって約束できる?約束する。
取り調べには私も立ち会うわよ。
いいわね?ありがとう!例のリサイクル企業について調べていくつかわかったことがあるの。
仁さん。
はいこのリサイクル工場は政府の肝入りで作られたモデル工場だったんだよ。
はい。
工場の建設を推し進め予算を引っ張ってきたのが神林陽一郎。
知ってるよな?はい。
地元の有力な国会議員ですよね?ああ。
その神林議員が高柳研究室とも関係があったの。
ええ?えっそれどういうことですか?高柳研究室は例の新薬の開発のために莫大な開発資金を必要としてたんだよ。
ああ。
その資金は製薬会社大手の東都ケミカルズから出資されてたんだ。
それを仲介したのが神林議員だったんだよ。
ただの偶然とは思えませんね。
しかも神林議員には企業からの闇献金疑惑があるの。
今東京地検特捜部が内偵してるらしいわ。
そうか!そういうことか!あイッテ!どういうことですか?あ吉永です。
吉永さんお体大丈夫ですか?ええもう全然大丈夫です。
それより…。
ひとつお聞きしたいことがあるんですよ。
先生俺どうしても納得できません。
先生がなんであんな立てこもり事件なんか起こしてしまったのか。
俺の知ってる先生はもっと賢明で慎重な人のはずです。
ただひとつ考えられるのは先生をそこまで追い詰めてしまった何かがあったんじゃないかということです。
そして刑事としてひとつの推理にたどり着きました。
7年前リサイクル工場の汚染調査のときにデータの改ざんがありました。
それは神林議員の圧力によるものでした。
じゃあどうして神林議員はそんな圧力をかけなければならなかったのか。
議員はリサイクル企業から闇献金を受け取っているからです。
そして高柳教授もまた神林議員の圧力に従わざるをえませんでした。
教授は議員を通じて開発研究費を調達していたからです。
先生も7年前にデータの改ざんがあったことに気づいていたんじゃありませんか?気づいていたのに黙っていた。
違いますか?先ほど奥さんに聞きました。
真奈美さんは4年前急性白血球症で亡くなったんだそうですね?薬まだできないの?もうすぐできる。
だから頑張れ!先生も奥さんも高柳教授が1日でも早くその病気の特効薬を開発してくれるのを祈るように待っていたんですよね。
でも残念ながら間に合わなかった。
先生7年前に何があったんですか?教えてください。
水口まで殺されたこの事件を俺は何としてでも解決したいんです。
自分のこの手でホシを挙げたいんですよ。
先生…。
先生何とか言ってください!先生!水口まで殺されたこの事件を俺は何としてでも解決したいんです。
自分のこの手でホシを挙げたいんですよ。
吉永…。
お前が推理したとおりだ。
高柳は神林議員の圧力に屈して改ざんされたデータに沿った報告書を世に出した。
先生はどうやってデータ改ざんのことを知ったんですか?私も理科学をやってきた人間の端くれだ。
あの報告書が出たあと私は私なりに調べてみた。
あの頃工場の敷地内にまだ良太たちが住んでいたから心配でな。
そしたらどうだ。
鉛の数値が驚くほど高い。
私はすぐさま高柳のところへ飛んで行った。
汚染調査のデータは改ざんされていたんじゃないのか!?それを知っていてお前はあの報告書を書いたんじゃないのか!先生のおっしゃるとおりです。
大勢の子供が小児ガンで苦しんでいるんだぞ!いや子供だけじゃないその親たちもだ!お前には研究者としての誠意はないのか?返す言葉もありません。
ですけど私じゃないと救えない命もあるんです!今私は急性白血球症の特効薬を完成させるために日々研究を続けています。
急性白血球症の特効薬?そのためには神林議員の力が必要なんです!開発資金が必要なんです!先生わかってください!今だから言います。
先生の娘さんが急性白血球症だとわかってこの薬を開発することを心に決めました。
津村先生どうか…。
データ改ざんのことは目をつぶってください!このとおりです真奈美さんの命を助けたい一心で高柳の頼みを受け入れてしまったんですね?神様はやはり見ていたんだ。
良太があとから小児ガンだとわかったことも…。
真奈美が助からなかったことも…。
みんな私が汚染の隠ぺいに加担した報いだった。
だから7年前の汚染の事実を公表させようとして立てこもり事件を起こしたんですね?そうです。
せめてこの事実を世間に知らせることそれが…。
私の罪滅ぼしそう思って…。
吉永すまん。
どうしてですか…。
どうしてあんなことする前にひと言俺に相談してくれなかったんですか。
俺はそんなに頼りない人間ですか?悔しいです。
悔しすぎますよ先生!いつも偉そうなこと言っておきながら隠ぺいに加担したこの自分が教師としていや人間として恥ずかしかった。
吉永…。
許してくれ…。
許してくれ!先生…。
今先生が話してくれたこと水口はどこまで知ってたんですか?すべてを知っていた。
水口はそこまで詳しい情報をいったい誰から聞いたんですか?私もそれを問いただしたが彼は言わなかった。
先生ソイツが真犯人かもしれません。
どういうことだ?水口は何者かに利用されて殺人のぬれぎぬを着せられそうになってたんです。
その水口を利用しようとした人間が水口に詳しい情報を吹き込み水口を操ってたんですよ。
そうなるとですよ7年前先生が高柳にかけあったときのことを知っている人間が怪しいということになりますよね。
先生…先生がかけあったとき研究室に他に誰か人がいませんでしたか?そう…あのとき私と高柳が口論になったんだ。
そのとき止めに入った人物がいたな。
そうだ…。
お仕事中すみません。
あどうも。
あの7年前にこちらの研究室に湯川という研究員いませんでした?え〜いましたけど7年前に辞めました。
今どちらにいるかわかりますか?さあ…。
じゃあその人の写真か何か残ってませんか?写真…あぁたぶん…。
(安達)この人です。
続きまして耳形の採取にもご協力お願いします。
この耳ですか?ええ。
耳形も指紋と同じように個人を特定できるんです。
湯川という人をご存じありませんか?7年前まで横浜理科大学の高柳研究室に在籍していたそうなんですが…。
いえ知りません。
知りません。
当時は高柳教授の右腕ともいえる優秀な研究者だったそうです。
しかし研究費を横領していることが発覚し大学を解雇されています。
直ちゃん。
この人なんだ。
え?この写真の人福原さん?世の中には似た人がいるもんですね。
あなた横浜理科大学でお勤めしてたことありませんか?ありません。
じゃあ大学の構内に出入りしたことは?ありません。
ホントに?ホントです。
吉永さん耳形ビンゴです。
じゃどうして横浜理科大学の構内にあなたの耳形が残ってたんですかね?福原お前人より自分のほうが頭が切れると思ってるだろ?そんなヤツにかぎって完全犯罪をもくろむんだよ。
でもな完全犯罪なんてやってみたら必ずどっかにズレが生じてくるんだ。
そのズレを見抜くのが俺たち警察官だ。
何を見抜いたっていうんですか?運転免許証を見せてもらえますか?私が何か違反をしましたか?やましいことがないなら見せてください。
お願いします。
次は運転席に座ってもらえますか?今度はなんの形を採るんですか?どうぞ。
はいチーズ。
ほら見ろ小沢思ったとおりピッタリだよ。
福原お前この車運転して相模湖まで行ったよな?そしてシートを元に戻すの忘れただろ?水口はお前よりずっと小柄だ。
もしアイツがホントにこの車を運転して行ったんだったらシートは今の位置よりももっと前になきゃおかしい。
仮にアイツが車を降りるときにシートを後ろに下げたんだとしたらこの足もとのレバーにアイツの指紋が付着してるはずなんだ。
ところがレバーに指紋は残っていなかった。
つまり水口はこの車を運転していなかったってことになる。
お前に睡眠導入剤を飲まされて助手席で眠ってたんだ。
そしてお前はその眠ってる水口を車から引きずり出し相模湖に投げ入れて殺したんだ!私の指紋がこの車から出たわけですか?いや出てない。
でもじゃあ横浜理科大学の構内からお前の耳形が採取されたのはどう説明するんだ?お前構内に出入りしたこともないって言ったよな?おい貴一コイツの耳形がどっから採取されたのか教えてやれ。
任せてください。
高柳教授を殺すために地下実験室に向かったよな?そのとき通った廊下を思い出してみろ。
そこにアンタの耳形が残ってたんだよ。
なぜそんなところに耳形が残っていたのか自分がいちばんよくわかってるはずだ。
高柳殺害の1週間前下準備として防犯カメラの向きを変えた。
犯行当日水口のケータイからメールを送り高柳を実験室に呼び出した。
そしてあらかじめつくっておいた防犯カメラの死角を利用して実験室に向かったんだ。
〜そのときの凶器がこのナイフだ。
このナイフには高柳教授の血痕はもちろん長谷部准教授の血痕も付着していた。
つまりお前はこのナイフで2人を殺害したんだ。
そしてその罪を水口に着せるためにナイフのこの柄に水口の指紋をつけた。
間違いありません。
吉永さんやっぱり免許証は偽造したものでした。
湯川義信お前はこれを使って福原孝治に成り済まして1年前から直ちゃんのNPO法人で働きだした。
そのときからすでに殺人の計画は始まってたんだ。
最初は直ちゃんを利用するつもりだったんだよな?でも殺人の罪を着せるんだったら男の水口のほうが好都合だ。
そう思いなおしてお前は7年前の汚染データの改ざんのことを水口に吹き込んだ。
水口はそのデータを入手するために高柳研究室とそして津村先生の家に空き巣に入った。
でもすべてはお前が後ろで糸を引いていたんだ。
先生の家にはお前も一緒に空き巣に入ったんだろ。
この車のキーを盗み出すために。
どうだ?湯川。
この世に完全犯罪なんか存在しないんだということがわかったか。
ピンポーン!ピンポンピンポンピンポン!貴一。
おいおとなしくしろ。
行くぞ。
行くぞ。
賢い刑事さん。
私がどうして高柳と長谷部を殺したかわかるか?2人への復讐だろ。
新薬を開発した2人をお前は妬んでたんだ。
妬む?そんななまやさしいもんじゃない。
あの新薬は7年前の私の発見がなければ到底完成できなかったんだ。
私の発見があったからこそ劇的に開発が進んだんだよ!
(湯川)なのに私抜きであの2人だけが世界中から称賛されていた。
私抜きでだ!そんなバカなことがあってたまるか!バカはお前だ!お前のその身勝手な復讐のためにいったいどれだけの人間が傷ついたと思ってるんだ!?水口はな小児ガンで息子を亡くしてるんだよ。
その親心をお前は利用したんだ。
それだけじゃない。
水口の命まで奪った。
どうしてだ!なぜ水口だったんだ!なぜだ!?答えろ答えろ!班長。
令状が取れました。
吉永さん。
湯川義信。
お前を3人の殺害容疑で逮捕する。
あくまでも神林議員に忠誠を誓うということですか?でもあなたが黙秘したくらいじゃもはや守り切れませんよ。
本当に申し訳なかった。
先生。
私今ものすごく怒っています。
当然だ。
先生が7年前に隠ぺいに加担したことを怒ってるんじゃありませんよ。
私にそのことをずっと黙っていたことを怒ってるんです。
真奈美さんを助けたい一心で先生が高柳教授の頼みを聞き入れてしまった気持私には痛いほどよくわかります。
親なら誰だって子供の命を助けたいんです。
どんなことをしてだって助けたいんです。
それなのに自分一人でずっと抱え込んで立てこもり事件なんか起こして。
先生が打ち明けてくれていたら私だって一緒にやってましたよ。
そのくらい平気でしますよ。
私しますよ。
直ちゃん。
直ちゃんの言うとおりだ。
すまない。
吉永。
お前は本当にいい刑事になった。
嬉しいです先生にそう言ってもらえると。
でももし自分がホントにいい刑事になれてるとしたらそれは先生のおかげです。
高3のとき力ずくで止めてくれなかったら今の自分はありません。
あのとき先生にかけてもらった言葉が俺をここまで導いてくれたんです。
吉永。
津村:世間が何と言おうと私はお前の正義を認める。
そのお前の正義で人の役に立つことを考えてみろあのとき先生からいただいたものを俺はこれからもずっと大切にしていきます。
吉永。
〜ホントにごめんね。
今まで長い間ホントにありがとう。
お疲れさまでした。
(神山)どうしてそういう気持になった?ある人との出会いが自分を変えてくれました。
自分もそんなふうな人間になりたいって思うようになったんです。
そしてそれが自分なんかをここまで育ててくれた警察への恩返しにもなるんじゃないか。
そうも思えるようになったんです。
恩返しか。
はい。
まあいいだろう。
やってみろ。
ありがとうございます。
辞める!?刑事辞めるってどういうことですか。
警察庁への出向も断ったってこと?はい断りました。
お前はバカか。
せっかくのチャンスじゃないですか!まあ聞いてくれ。
あれから俺もじっくりと考えてみたんだ。
残りの警察官人生自分がやるべき仕事は何なんだろうって。
その答えがやっと見つかったよ。
ちょっと!いくら僕と一緒にいたいからって鑑識になるなんて言わないで…。
それは死んでもない。
ほう。
俺はこれから後進を育てていこうと思います。
後進を育てるって僕たちを育てるってことですよね。
貴一お前はもう立派に成長したよ。
俺が教えることなんかもうないよ。
刑事人生の最後にこの班で班長をやれたこと俺ホントに誇りに思ってる。
みんなありがとう。
というわけで申し訳ないけど刑事吉永誠一は今日かぎりだ。
いやちょっと…。
俺はそんなのは認めんぞ。
認めんぞ!認めん。
そうですよ。
吉永さんが辞めたら…。
考え直してくださいよ吉永さん。
うるさいよ〜!吉永さん。
パパ初日から遅刻しないでよ。
菜摘はホントにママに似てきたな。
菜摘はママに似てべっぴんさんだもんね〜。
うん。
それは間違いない。
パパ初恋の人もべっぴんさんだったのかしら。
いただきま〜す。
ママのご飯いつもおいしいよね〜。
パパごまかさないで。
「ごまかさ」
(2人)「な〜いで〜」パパ!すみません。
笑った笑った。
それでは吉永教官ご登壇ください。
はい。
〜気をつけ!吉永第一教養部教官に敬礼!〜2016/12/28(水) 21:00〜22:50
テレビ大阪1
年末ドラマスペシャル 刑事吉永誠一ファイナル シリーズ完結!最後の大捜査[字]

船越英一郎主演の人気シリーズがついに完結!連続殺人の容疑者は刑事へと導いてくれた恩師だった…!?刑事人生の全てをかけ吉永は最後の難事件に挑む。

詳細情報
番組内容
神奈川県警の吉永誠一(船越英一郎)は高校の同窓会で初恋の人・酒井直子(手塚理美)や恩師の津村健三(里見浩太朗)と再会する。その直後、大学教授ら2人が相次いで殺される。ともに急性白血球症という難病の特効薬を開発した研究者だった。容疑者として浮上したのは直子の元夫の水口邦男(伊藤正之)。水口と直子の息子は小児がんで亡くなっていた。その水口が水死体で発見され、現場にはなぜか津村の車が乗り捨てられていた。
出演者
 吉永誠一…船越英一郎
 吉永照子…中山忍
 鑑貴一…小泉孝太郎
 酒井直子…手塚理美
 小沢慎一…林泰文
 玉田隆一…山田純大
 木島拓也…松尾諭
 牧村仁…河西健司
 津村健三…里見浩太朗(特別出演)
 片山桐子…眞野あずさ
出演者続き
 水口邦男…伊藤正之
 福原孝治…大西武志
 高柳啓吾…並樹史朗
 長谷部修…成島敏晴
 矢島…脊山麻理子
 吉永菜摘…須藤菜々子
 辺見慎介…仲本工事
 神山本部長…大石吾朗

監督・演出
【監督】本橋圭太
原作脚本
【原案】黒川博行
【脚本】田子明弘