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セリフ書き起こし 不機嫌な果実スペシャル〜3年目の浮気〜 前編 2017.01.07

 

 

麻也子はそこそこ名の知れた女子大を卒業しそこそこ名の知れた企業に就職
大手金属メーカーに勤務する航一との結婚で寿退社というそれなりに順調な人生を歩んでいた
しかし順調だったのはそこまで
マザコンで潔癖症の夫航一とは結婚後すぐにセックスレスとなり麻也子は悶々と不満を抱えた日々を送っていた
大学時代からの友人久美は夫の不倫が原因で離婚したもののその慰謝料をもとにワインバーを開き生き生きとした毎日を送っていた
学生時代から自由奔放だった玲子は経済力のある夫と愛のない結婚をしたものの若い男と自由気ままに遊ぶ毎日

 

 

 


そんな2人に比べて自分の毎日はなんてつまらないのか
本当に自分はツイていない
麻也子は夫に振り向いてもらえない寂しさを埋めるかのようにかつての恋人と関係を結んでしまう
不倫関係を続けていた麻也子だがある日年下の音楽評論家工藤通彦と出会い急速に惹かれていくのだった
一方夫の航一は麻也子の不倫を知って激怒するがあろう事か実は久美と不倫関係にあった事が発覚
泥沼の四角関係に陥るものの…
(水越航一)卒業証書だよ。
麻也子は夫と離婚し通彦と新しい人生を歩む事に
あれから3年近くの歳月が流れて…

(工藤通彦)麻也子。
(工藤麻也子)いよいよねイタリア。
明日の今頃はヴェローナの青い空の下だね。
ずっと夢見てた。
通彦と2人でイタリアで暮らせる日が来る事を。
イタリア留学出来るのも麻也子のおかげだ。
本当にありがとう。
お祝いしよう。
ちょっと待って!それいくら?いいじゃないか今日はお祝いなんだから…。
えっ嘘!?こんな高いの無理。
大丈夫だよこれぐらい。
なんで?これからイタリアで生活していくのにお金はいくらあっても足りないんだよ?そういうのわかってる?うん…わかってるよ。
だったらどうしてこんな贅沢な事するの?麻也子は本当に心配性だね。
大丈夫だよ。
全然大丈夫じゃないから!飲もうよ!駄目!ちょっとねえ…。
あっ!
(割れる音)はあ…はあ…。
どうしたの?大丈夫?なんか怖い夢でも見た?うん…ものすごく。

(ドアの開閉音)
通彦と再婚して3年が過ぎた
音楽評論家としてイタリア留学を考えていたはずの通彦は知り合いの紹介で音楽大学の非常勤講師として働き始めて半年
収入は正直派遣社員として働く私のほうが多いくらいだ
出会った頃の通彦はとても繊細で傷つきやすく…
それだけに人一倍優しい男に思えて強く惹かれたのだけれど…
ご注文は以上でよろしいでしょうか?ありがとうございます。
工藤さんちょっと…。
はい。
申し訳ないんだけど契約の更新今回はパスさせてもらう事になったから。
えっ?
(部長)いや悪いね。
じゃあ。
いやあの…部長!えっ?嘘…。
私って本当にツイてない…
やっぱり通彦のお給料だけじゃ足りないか…。
ただいま。
おかえり。
おなかすいたでしょ?やだ飲んでるの?ごめんね。
ちょっと大学の教授に誘われて。
電話くらいくれたらいいのに。
ご飯待ってたのにな〜。
ごめん。
つい話に夢中になってて…。
通彦…。
ん?あのね今日会社で…。
あれ?あっこれ届いてたんだ!ああ…さっきね。
何?それ。
ヴェルディのレコード全集。
もう廃盤になっててねなかなか手に入らないんだけどやっとネットのオークションで見つけてね。
オークション?いくらだったの?12万。
12万!?大丈夫。
お金はママに借りたから。
お義母様に借りた…?それだけはいつもやめてって言ってるのに。
フフッ大丈夫。
なるべく早く返すから。
フフッ本当にごめん。
ごめんじゃないよ…。
これか…。
やっぱり私は損してる

(遠山玲子)通彦さんも相変わらずなのね。
マザコンもいいとこよ。
(竹田久美)今さら何言ってんの。
男なんてみんなマザコンでしょ。
それじゃあ航ちゃ…あっごめん。
航一さんも相変わらず?もちろん。
航一さん実家に戻ってお義母さんと同居してるじゃない?そのせいかますますマザコンに磨きがかかったわよ。
うわっ最悪。
久美はそれでいいの?航一さんのマザコン発言なんかいちいち相手にしなきゃいいんだから。
それに私よりお義母さんのほうが大事だって言うなら別れればいいし。
(玲子)余裕だねえ。
まあ航一さんは久美にゾッコンみたいだからね。
結婚は?しないの?航一さんは早く早くって言うんだけど私は今さら焦らなくてもって感じかな。
店も忙しいし。
もしかして3軒目オープンとか?そこまであくせく働くつもりはないけどさ…。
あっごめん。
私先行くね。
今日航一さんとお義母さんと食事の約束してるの。
あっそっか。
今日お義母さんの誕生日だよね。
そう。
しかも家に来るんだよね。
なんだ。
久美もしっかり未来のお嫁さんやってるんじゃん。
誕生日ぐらいはね。
じゃあごめん。
お先に。
2人によろしくね。
何を?えっ?何をってその…。
やだ。
今さら別れた奥さんに嫉妬とかあり得なくない?冗談よ。
伝えとくね。
うん。
(久美)あっそうだ。
うちの店でよかったらバイトする?本当に?ちょうど1人女の子辞めたところだし。
ありがとう!助かる。
久美とはいろいろあったけどやっぱり持つべきものは友達
それじゃ。
(久美)
今は私のほうが勝ち組
助けてあげるわよ
母さん誕生日おめでとう。
(久美)おめでとうございます。
(水越綾子)ありがとう。
カンパーイ!
(綾子・久美)乾杯。
(綾子)はい航くん。
ありがとう。
うんおいしい。
(綾子)ウフフよかったよかった。
ん?久美さん味付け変わった?いいえ。
特には変えてないですけど…。
前はもっと薄かったんじゃないかしらね?っていうか私お義母様にお料理食べて頂くの初めてだと思うんですけど。
母さんあれ麻也子だよ。
塩分のとりすぎは良くないからっていつも薄味だったでしょ?そうだったわよね。
麻也子さん健康には本当に気をつけてくれてたからね。
お料理は下手だったけどね。
そんな事ないだろう。
麻也子は料理上手だったよ。
あらそんな事よりあなたたちどうするの?結婚。
来年のバースデーにはお孫ちゃんプレゼントしてくれないかしら?まあそろそろとは思ってるんだけどね。
でも近いうちお店の改装したいんですよね。
改装?そんな話聞いてないけど。
話してないし…。
えっなんで話してくれないの?いちいち仕事の話なんかしないでしょう?いや久美ちゃんお店と僕とどっちが大事なの?はあ?「はあ?」って…。
僕はさこんなに久美ちゃんの事を思ってる…。
うう…あんまりだよ!
(綾子)ねえ航くん。
何も泣く事ないでしょう。
じゃあさ…いつになったら結婚してくれるの?そのうちね。
結構!航くんこんな人と結婚しなくていいから。
いやだって…。
(綾子)可哀想に。
僕はさ麻也子と離婚までしたっていうのに今さら…うう…。
麻也子さんもひどい嫁だったけどこの人よりはかわいげがあったわよね。
今頃麻也子の良さに気づいたって遅すぎるんだよ!
(泣き声)
(久美)
自分を裏切った女の名前をいつまで口にするのだろう
私はいつまでその名前を聞かなければいけないのだろう
それじゃあ私帰るね。
えっもう少しいいじゃん。
子供は旦那が見てるんでしょ?今日は子供と一緒にお風呂に入る日だから。
いいじゃんもう少し。
しつこいよ。
わかったよ。
今度はいつ会える?ごめん。
最初に言ったよね。
先の約束なんかしないって。
約束するのは旦那とだけだって。
やっぱ俺とは遊びだったって事?当たり前でしょ。

(遠山茂)それでいい。
そうそうそう。
次ここは?ただいま。
(遠山遙斗)あっママだ。
(茂)おかえり。
(遙斗)おかえり。
ごめんね遅くなっちゃった。
遙斗の宿題もうすぐ終わるから。
美咲もいい子にしてたかな〜?いい子にちてましたよ。
ねえ〜。
ありがとうねシゲちゃん。
(においを嗅ぐ音)先週とは違う男だな。
(においを嗅ぐ音)私たち別れたほうがいいんじゃない?急に何言い出すんだよ。
だって麻也子の本性も見抜けてない航一さんと結婚してもうまくいかない気がして…。
麻也子の本性ってなんだよ?そういう言い方は好きじゃないな。
惚れっぽい女って事。
いや別に麻也子…麻也子さんは惚れっぽいってわけじゃないだろ?僕と付き合うようになった時だってすぐにうんとは言ってくれなかったし。
そんなの作戦に決まってるじゃない。
えっ?私は航一さんよりも麻也子との付き合い長いからね。
彼女がどれだけ惚れっぽい女かよくわかってるつもりよ。
ねえ彼女の事さそういう軽い女みたいに言わないでくれるかな。
別れたとは言っても一度は愛した人なんだ。
悪いけど帰るよ。
おやすみ。
(ドアの開閉音)
(相馬宏人)うん。
わかってる。
もうわかったって…。
(ため息)あっ…!待って!落とし物!待ってこれ!落とし物です!あっ!えっ?また…。
ああ…痛い…。
悪い。
えっ?
(相馬)立てる?はい…。
よいしょ…。
えっ?ちょっと…!靴弁償すっから。
あ…いえ大丈夫です。
大丈夫じゃないし。
俺のせいだから。
あっいえ本当に…。
俺さよくやっちまうんだよ。
荷物やバッグ車の屋根に置いたのを忘れてそのまま車出しちまって…。
本当に助かったよ。
このバッグには俺の全財産が入ってるから…。
乗って。
あっ…いや…。
いいから。
あの…本当に大丈夫ですから。
このヒール一度折れたのを接着剤でくっつけてたんで…。
えっマジで?はい…。
だから元々壊れていたようなもので…。
マジかよ…。
(笑い声)じゃあ…弁償じゃなくてプレゼントすっから。
えっ?行こう。
なんか…本当にすみませんでした。
いいって。
ほら落とし物って謝礼すんじゃん1割とか。
靴の一つや二つで済んだら安いもんよ。
やばっ…!それじゃあここで。
本当にありがとうございました。
いい女だよなあ…。

(久美)ただ混ぜるだけじゃなくて氷を回すように混ぜてね。
うん。
(玲子)まさか麻也子が本当にここでバイトするとはねえ。
私だって信じられないけど…。
通彦しっかりしろよって感じか。
うん。
オッケー。
あとはやりながら慣れていけばいいから。
ありがとう。
今日少し手伝ってこうかな。
いいの?うちは助かるけど通彦さん大丈夫?多分…。
最近帰りが遅いんだよね。
休みの日にもよく出掛けるし。
大学の教え子の進路相談に乗ってるらしいんだけど…。
それはどうかな?もしかして通彦さん浮気してるんじゃないの?よしなさいよ。
だってさ麻也子と通彦さんって結婚して3年でしょ?そろそろ浮気したくなる頃だよね。
ほら歌にもあったじゃない?『3年目の浮気』って。
まさか…。
だって相手は教え子だよ?禁断の恋。
怒るよ。
ごめんごめん。
でももしそうだとしても責められないよね。
麻也子と通彦さんだって不倫だったんだし。
きっつ〜!麻也子…。
ちょっと…。
大学の子で神崎葵さん。
(神崎葵)奥様…。
麻也子…。
大学の子で神崎葵さん。
奥様…。
申し訳ありません!神崎さん!なんなの?これ…。
彼女進路の事でいろいろと悩んでて…。
悩んでたら抱きしめてあげるんだ?非常勤講師ってそんな事もするんだ?そんな事してないだろ。
話してたら彼女が急に…。
こんな時間に2人きりでいるなんておかしくない?うかつだったと思う。
(玲子)もしかして通彦さん浮気してるんじゃないの?本当にごめん。
ごめん…。
今日は一緒にいたくない。
待って!どこに行くの?離して!もしもし久美ちゃん?この前はごめん。
言いすぎた。
今日これから久美ちゃんちに行っていいかな?ああごめん。
今から麻也子が来るのよ。
麻也子が?何かあったみたいよ通彦さんと。
何かあったって…。
もしかしてあの2人うまくいっていないの?心配?えっ?ああいやいや…別にそういうわけじゃ…。
とにかくそういう事だから今日は真っすぐママのところに帰ってね。
「おやすみ」ああ…おやすみ。
麻也子…。
(戸の開閉音)麻也子もいい加減少しは大人になったら?一度や二度の浮気ぐらい目をつぶりなさいよ。
だって…。
それとも自信ないの?えっ?怖いんだ?通彦さん若い女の子に取られるのが。
図星?正直そうかもしれない。
麻也子らしくないわね。
久美にはわかんないよ。
だってすごく幸せそうだもん。
航一さんには愛されてて結婚を焦らせるくらい余裕があって。
だけど私はもう結婚しちゃったんだもん。
それも2回も。
今さら他の人とやり直すなんて無理だよ。
そうかな…。
そうだよ。
私そんなに幸せなのかな?
(綾子)麻也子さんもひどい嫁だったけどこの人よりはかわいげがあったわよね。
今頃麻也子の良さに気づいたって遅すぎるんだよ!
(航一の声)あれ麻也子だよ。
麻也子は料理上手だ。
麻也子の本性ってなんだよ?別れたとは言っても一度は愛した人なんだよ。
麻也子…。
(久美)麻也子…。
麻也子…。
(携帯電話の着信音)
(航一の声)「久しぶり。
工藤さんと何かあったようだけど」「なんだか心配になって…」「僕で力になれることがあればいつでも連絡して下さい」
(相馬)毎度!
(久美)ご苦労さま。
(相馬)なあ…見ろよこのいちご。
最高だろ?
(久美)さすがね。
摘みたて持ってきたから。
ありがとう。
そういえばうちのお客さんで洋菓子のお店やってる人がいるんだけど相馬さんの作るいちごがおいしいから仕入れたいって言ってたわよ。
ケーキ屋だろ?俺そういうの全部断ってるから。
俺の作るいちごはよケーキなんかに混ぜてほしくねえんだよ。
このまんまのおいしさを味わってくれる人にしか売らねえ。
やっぱりね。
話があるとか言ってたのはそれか?ああ…それもそうなんだけどあのね今日から新しい子が入るからよろしくね。
私の大学時代からの親友で麻也子っていうの。
多分相馬さんのタイプだと思うけど。
マジで!?それは楽しみだなあ〜。
ただし人妻だけどね。
なんだよそれ。
つまんねえな。
でもちょっといろいろあって落ち込んでるから…優しくしてあげてね。
訳ありって事か…。
(階段を下りる音)ごめん遅くなっちゃって…。
あっ…。
悪い。
ちょっと…!靴弁償すっから。
マジかよ…。
この前はどうも…。
何?2人とも知り合い?そうじゃないんだけど…。
もしかしてこれ…運命ってやつ?えっ?工藤先生。
神崎さん…。
申し訳ないけど…。
本当にごめんなさい!もう二度とあんな事はしないから。
工藤先生が奥様を愛してるって本当によくわかったし…。
そのとおりだ。
僕は妻を心から愛してる。
だから…。
だからもう…先生を困らせたりしないから。
だけど1つだけ…。
最後に1つだけ私のお願い聞いてもらえませんか?
(相馬)まさか久美さんの親友だったとはね。
本当にびっくりしました。
世の中狭いですね。
狭すぎでしょ。
でも本当にありがとうございました。
この靴すごく履き心地良くて。
ならよかった。
でもさハイヒールとか歩きにくくないの?そうですね…。
(久美)
ちゃんと見せてあげる麻也子がどんな女なのか
私…大学辞めます。
えっ?ずっと迷ってたけど私にはピアノの才能なんてないし。
けど好きなんだろ?ピアノ。
好きだけど…。
それだけじゃどうしようもない事ってあるじゃないですか。
好きだけど…私の片思いでしかないからピアノも…工藤先生の事も。
はあ…私自分と約束してたんです。
今日工藤先生にお茶とケーキをごちそうしてもらえたら大学辞めるって。
そんな大事な事をお茶とケーキで決めるなんておかしいよ。
だってそうでもしないと私いつまでもうじうじ悩むと思うし。
あと1年で卒業だ。
もう少し悩んでもいいんじゃないか?先生全然わかってない…。
全然わかってないよ!待って神崎さん。
神崎さん!放っておいてください!もう私に構わないで。
放っとけないよ。
僕はこれでもこの半年君を見てきたんだ。
君がどれだけピアノが好きなのかわかってるつもりだ。
今辞めたらきっと後悔する。
駄目だよ。
脱サラ!?そう。
元々はこれでも銀行マン。
えっ見えない。
だろ?親のコネで無理やり。
だから入行初日から嫌で嫌で…。
それでも3年は我慢したんだぜ。
偉い。
でもなんで農業を?じいちゃんが死んだからなあ…。
元々は死んだじいちゃんの畑なんだ。
ガキの頃遊びに行く度にいちご食わせてくれてさ。
本当にうまくてさ…。
じゃあこれおじいさんの?ああ。
じいちゃんのいちごが食えなくなるのが嫌でさ。
だから後を継いだって感じかな。
なんか見かけによらずっていうか…。
よく言われる〜。
やっぱり。
麻也子はさ…。
えっ?麻也子は何が好きなの?食べ物とか。
う〜ん…特に好き嫌いはないから。
食べる事大好きなんで。
もちろんいちごも大好きですよ。
よし!じゃあ俺が今度めちゃくちゃうまいもんをごちそうするよ。
本当ですか?本当本当。
やったー。
初めて会ったも同然の男から呼び捨てにされた
普通こういう時は不快なものなのになぜだろう…相馬には麻也子と呼び捨てにされる事がとても自然に思えた
ねえ麻也子も行かない?今度の土曜日お店のお客さんたちと一緒に相馬さんのところにいちご狩りに行くんだけど。
本当に?行く行く。
最高だぜうちのいちご。
フフッ…。
いただきます。
んっ!うんおいしい。
だろ?食べ放題だからどんどん食べて。
はーい。
(久美)は〜いじゃあ写真撮りますよ。
(久美)オッケーです。
(一同)ありがとうございます。
(相馬)あった。
これ。
あった!これ?
(相馬)うん。
きれい。
(シャッター音)あとはね…。
ああこれ。
えっ?あっ…!危ない!
(連写のシャッター音)大丈夫?ごめんなさい。
ああ…いいっていいって。
つうかさこんなとこにヒール履いてくる?ああ…すみません。
けどなんか嬉しいんだよな。
俺の買った靴履いててくれててさ。
このあと時間ある?えっ?ええ…。
じゃあうまいもんごちそうするよ。
えっ…ああありがとうございます。
おいしいものってなんですか?
(相馬)秘密。
え〜教えてくださいよ。
(相馬)秘密です。
(相馬)ここ全部俺の畑。
はあ…。
(相馬)よいしょっと。
ほら。
食ってみ?えっ…?いいから食ってみ?甘い!だろ?うちの大根は甘いんだよ。
フフフフッ…。
うん。
いい音。
この前さそこの畑で…。
こんな男は初めてだった
今まで出会ったどんな男より図々しくてちょっと失礼で…
なのにどうしてこんなに惹かれるのだろう…
あとさ…。

(玲子)それじゃあ遙斗と美咲の事お願いね。
6時には帰ってくるから。
あっ待って!玲子。
待って。
新しい下着はいていってくれないか?はあ?これ買っといたから。
これならおへそも隠れるし冷えないと思う。
ほら雪が降るかもしれないし。
降水確率ゼロパーセントだから。
天気予報だって外れるかもしれないし。
もしかしてまた浮気してるとか疑ってんの?いやいやそうじゃなくてだな玲子に似合うんじゃないかと。
似合うわけないじゃない!自分ではけば?
(ドアの開閉音)
(ため息)おかえり。
ただいま。
待ってたよ。
ごめんね。
もうすぐクリームシチュー出来るから。
ありがとう。
食べるよね?うん。
あの笑顔だ
私は通彦のあの子供のような無邪気な屈託のない笑顔に弱い
あっそうだ。
クリスマスイブって土曜だから久美さんのお店休みだよね?うん。
じゃあ食事に行こうよ。
えっ?少しだけどボーナスが出るんだ。
イタリアンがいい?フレンチ?麻也子?まだ怒ってるんだね。
あっ…違うの。
そ…そうじゃなくて…。
駄目だ。
私には夫がいる
教え子との浮気は怪しいけれどそれでも彼を選んだのは私だ
忘れなくちゃ相馬さんの事は
中華がいい。
約束だよ。
うん。
聞いたわよ相馬さんの事。
えっ?何よ。
麻也子相馬さんの事好きになっちゃったでしょ?やだ!何馬鹿な事言ってんのよ。
3年目の浮気はいいけど不倫は駄目よ。
だからそんなんじゃないってば。
麻也子は本気になっちゃうからね。
ちょっとそれ…。
いらっしゃい。
麻也子!あっああ…さん。
久しぶり。
お久しぶりです。
何してるの?おしぼり。
えっ?お客様でしょ。
あっああ…。
いらっしゃいませ。
どうぞ。
ああありがとう。
そうだな…。
(玲子)ねえねえ航一さん。
麻也子って今浮気してるっぽいんですよ。
ちょっと何言ってんのよ玲子。
相変わらずモテる女だねって言ってるの。
ハハ…。
さっきの話本当?麻也子さん浮気してるって。
どうかな?まあ火のないところに煙は立たないって言うしね。
麻也子ってもしかしたら不倫が好きなのかもね。
大学時代は野村さんと不倫してたし航一さんと結婚してた時は野村さんとも付き合ってそれから通彦さんだし。
ねえそんな事より航一さん。
クリスマスイブは私休みだしLIONERHOTELのイタリアン行きたいんだけどいい?航一さん?えっ?クリスマス。
ああ…いいよ。
えっ?ごめん。
クリスマスイブ教授たちに食事に誘われて…。
断れないんだ…?うん。
ピアノ科の学生たちと忘年会を兼ねた食事会で毎年恒例らしくて。
学生さんも?うん。
わかった。
なるべく早く帰ってくるから。
いいよ無理しなくて。
お風呂入るね。
無理っしょクリスマスイブは。
一応人妻なんだし。
そっ寂しい人妻よ麻也子は。
えっ?年に一度のクリスマスイブなんだしここはひとつパーッとムードも変えてホテルの高級レストランで食事しちゃったり。
どう?ホテルのレストランねえ。
ライオネルホテルのイタリアンなら私支配人と親しいから今からでも予約出来ると思うけど。
おはようございます。
おはよう。
あ…。
どうも。
よっ。
あ麻也子ちょっと店番お願いね。
買い物なら私が。
いいのいいの。
なあ麻也子クリスマスイブって暇?えっ?あ…まあ…暇かも…。
マジで!?だったらさメシ行かね?高級ホテルのイタリアンとか。
相馬さんがホテルのイタリアン?似合わねえけど。
フッ…。
決まりな?強引だなあ。
嬉しいくせに。
そう確かに私は嬉しかった
高校時代から今までクリスマスの夜を一人で過ごした事は一度もない
今年は初めて一人になるのかと思ったけれど

(久美)航一さん今夜はっきり教えてあげる。
麻也子がどんな女なのか。
私からのクリスマスプレゼントよ。
よっ。
なんだか見違えました。
ますますいい男になったろ?似合ってます。
褒めんなよ。
行こう。
はい。
メリークリスマス。
(久美)メリークリスマス。
お義母さん大丈夫だった?うん。
さすがに今年は諦めたみたいだ。
当たり前よね。
クリスマスイブのディナーに母親同伴なんて。
まあそう言うなって。
嬉しいの。
航一さんと2人で食事出来るのが。
僕もだよ久美ちゃん。
麻也子…。
え…?
(相馬)さすが一流レストランは使ってる食材も一流だな。
やっぱりわかる?うん。
この人参は北海道の富良野産。
へえ〜。
どうして麻也子が?まさか相馬さんと…。
知り合い?ほらこの前玲子が言ってたでしょ。
麻也子って今浮気してるっぽいんですよ。
ちょっと何言ってるのよ玲子。
(久美)麻也子通彦さんとうまくいってないみたいよ。
だからってこんな日に他の人と食事するなんて…。
先生待ってください!まさか食事会が君の嘘だったなんて…。
どうしても先生と2人きりになりたかったの。
僕は妻と食事の約束をしてたんだ。
それを破ってまで来たんだよ。
ごめんなさい…!ごめんなさい!ちょっと神崎さん!あのさ…。
ん?今夜さ…予約してあるんだけど。

(久美)今年は奮発したわよ。
航一さん?えっ?ああ…ごめん。
開けてみて。
ああ…ありがとう。
ねえ航一さんお正月はハワイに行こう?えっ?ハワイ?2人きりで結婚式挙げよう?随分待たせちゃったけど…ごめんね。
あっこれハワイの日程表なんだけど…。
久美ちゃんごめん。
ちょっと…。
そんなに麻也子が好きなの?麻也子!麻也子!あっ…さん…。
なんで航ちゃんが…?知り合い?あっあの…。
どういう事だよ!工藤さんと幸せになるんじゃなかったのか?あっだからあの…。
誰だよこいつ!は?こいつってなんだよ!やめて。
お宅こそ誰よ?彼女の元夫だ。
元夫?もう航ちゃんには関係ないでしょ?あるよ!大ありだよ!関係ないってなんだよ。
何やってんだ麻也子!ちょっと…こんなとこでやめてよ航ちゃん。
お願い…今夜だけ。
ううん1時間だけでいいから一緒にいて…。
好きなの。
本当に先生の事が好きなの。
奥さんがいたって関係ない。
振り向いてもらえなくても構わない。
私たちは3年も前に離婚してるのよ?私が誰と何をしようがあなたには関係ないから!関係あるから!僕は今だって麻也子が…。
ずっとずっと麻也子の事が…。

クリスマスに欲しいのはあなただけ…
誰かがそんな歌を歌ってたけれど…
私が本当に欲しい人は一体誰なんだろう?
通彦?相馬?
それとも…
あの男は駄目だよ。
あいつは最低の男なんだよ。
(相馬)別れちゃえよそんな旦那とは。
とぼけるな。
すぐ人のものに手出すじゃない。
そんなに私を不幸にしたいの!?
6人の男女の2017/01/07(土) 00:24〜01:24
ABCテレビ1
不機嫌な果実スペシャル〜3年目の浮気〜 前編[字]

満たされない女・麻也子が帰ってくる!禁断の愛を描いた、林真理子原作の話題のドラマがスペシャル版で復活!3年後を舞台に、男女6人が再び泥沼愛憎劇を繰り広げる!

詳細情報
◇番組内容
不倫略奪婚から3年—。麻也子(栗山千明)は、地味な仕事をしながら夫・通彦(市原隼人)を養うという日常に、またもや不満を抱えていた。一方、麻也子の元夫・航一(稲垣吾郎)と付き合う久美(高梨臨)も、航一が未だに麻也子の名を口にすることに、激しい嫉妬を覚えていた。そんなある日、麻也子は通彦の浮気疑惑を目の当たりにする!さらには、偶然出会ったイケメン農園家・相馬(山本裕典)が麻也子に猛アプローチを始め…?
◇出演者
工藤麻也子…栗山千明
工藤通彦…市原隼人
竹田久美…高梨臨
遠山玲子…橋本マナミ

相馬宏人…山本裕典
神崎葵…南沢奈央

遠山茂…六角精児
水越綾子…萬田久子
水越航一…稲垣吾郎
◇原作
林真理子『不機嫌な果実』(文春文庫)
◇脚本
江頭美智留
◇演出
小松隆志
◇音楽
沢田完

【主題歌】斉藤和義『マディウォーター』(スピードスターレコーズ)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】横地郁英(テレビ朝日)
【プロデューサー】川島誠史(テレビ朝日)、木曽貴美子(MMJ)