(花輪)ヘーイベイビーたち。
『ちびまる子ちゃん』が始まるよ。
(すみれ)えっ雑巾?
(まる子)うん。
大掃除用に1人1枚ずつあした持っていくんだ。
(すみれ)何で帰ってきてからすぐに言わないの。
だってうっかり忘れてたんだよ。
今思い出したんだから仕方ないじゃん。
急に言われてもないわよ。
じゃあ今から作ってよ。
雑巾なんてすぐ縫えるでしょ。
(さきこ)まる子あんたね自分がやるんじゃないからってお母さんに迷惑掛けるのよしなよね。
(ヒロシ)そうだぞ。
こんな時間まで忘れてたんだから自分で雑巾を縫え。
できないよ!まだ9時じゃん。
お母さん悪いけど作っといて。
もう…。
私だって疲れてるのに。
だからごめんって言ってるじゃん。
ねっお願い。
分かったからもう寝なさい。
は〜い!おやすみなさい。
(ヒロシ)おい!もう起きる時間だぞ。
あっお父さんだ。
何で?何でお父さんが起こしに来るの?母さん風邪で熱が出て寝てるんだ。
(まる子・さきこ)えっ?だから今日は母さんが世話焼いてくれないからな。
俺も世話焼いてやれねえからな。
お前ら自分たちでさっさと支度して学校に行けよ。
(さきこ)ちょっとあんた!うん?また寝てる場合じゃないでしょ。
(おばあちゃん)味噌汁だけは私が作っておいたからご飯に卵でも掛けて食べていきなさい。
(さきこ・まる子)は〜い。
(友蔵)わしもご飯に卵を掛けて食べたんじゃよ。
ああそう。
お父さんは?俺は納豆だ。
(さきこ)それも手軽でいいわね。
あ…。
ちょっとお母さんの様子見てくる。
私も。
あんまり近づくとうつるからな。
気を付けろよ。
(まる子・さきこ)は〜い。
お母さん。
ごめん。
ちょっと熱が出て。
いいよ。
ゆっくり寝てなよ。
お母さん薬飲んだ?うん。
大丈夫だからあんたたち早く学校に行きなさい。
(さきこ・まる子)はい。
(すみれ)まる子。
何?
(すみれ)玄関の所に雑巾置いておいたから忘れないで持っていきなさいよ。
ありがとう。
(さきこ)行くよ。
うん…。
お母さん顔が赤かったね。
うん。
相当熱が高いんだね。
ちょっと心配だね。
うん。
お母さんあんまり風邪ひかないからね。
お医者さんに行った方がいいかもね。
そうだね。
あんまりひどかったら行くと思うんだけど…。
まる子今日はご飯の支度とか掃除とか一緒に手伝ってよ。
うん。
分かったよ!うちのお母さん風邪で寝込んじゃってさ。
(たまえ)ええっ!?それは大変だね。
熱があるの?うん。
何か朝見たときには顔がすごく赤かったから結構高い熱が出てるみたいなんだ。
そっか…。
それじゃあしばらく寝ていた方がいいね。
うん…。
お母さん風邪なんてめったにひかないからあんなに熱が出ているのを見ると心配だよ。
(たまえ)そうだね。
心配だよね。
うう…。
《お母さんあたしが昨日夜遅くに迷惑掛けたから風邪ひいちゃったのかもしれないな…》《まだ9時じゃん。
お母さん悪いけど作っといてよ》《もう…。
私だって疲れてるのに》《お母さんだって疲れてるなんて今まで全然考えてなかったな》・
(たまえ)まるちゃん。
うん?次音楽だから音楽室へ行こう。
うん。
先生どうしたの?風邪ひいたの?
(大石)そうなのよ。
風邪ひいちゃってやっと熱が下がったんだけど。
うちのお母さんも風邪ひいて寝ているんだ。
(大石)それは大変ね。
風邪もこじらすと入院したりすることもあるからお母さんも無理しないでじゅうぶん休ませてあげてね。
はい。
(大石)さあ音楽の授業を始めますよ。
(長山)お母さんが風邪をひくと大変だよね。
(長山)うちのお母さんが寝込んだときも僕とお父さんすっごく困ったもん。
長山君はいつもお手伝いしてるからわりと慣れてるんじゃないの?慣れてなんていないよ。
いつも手伝ってるっていっても買い物とかお皿を洗うのを手伝うとかその程度だからね。
その程度でもじゅうぶん立派だよ。
でもお母さんが寝込んじゃったらその程度の手伝いなんてまるで役にも立たないよ。
だって僕もお父さんもご飯の炊き方すらよく分からないんだよ。
いつも気軽に食べてる味噌汁や焼き魚もうまく作れないし。
洗濯やアイロンがけもできないし。
毎日店屋物や外食で済ませたけどたった1週間なのにうちの中は荒れちゃってさ。
すさんだ気持ちになったな。
あたしなんて自分の部屋が毎日荒れちゃってさいちいちすさんだ気持ちになってる暇もないよ。
もうまひしちゃってるんだね…。
そうだね。
よくないよね。
(長山)でも大石先生も言ってたけど風邪もこじらすと入院したりさひどい場合は死んじゃう人もいるらしいからさくらのお母さんも気を付けた方がいいよ。
えっ!?死んじゃうこともあるの!?そうらしいよ。
私も聞いたことあるよ。
風邪も怖いよね。
(長山)うん。
《お母さんまだ顔が赤いから熱が下がってないんだ》・
(さきこ)まる子。
うん?お母さん寝てるんだから静かにしてなさいよ。
うん。
もうこっちに来なよ。
はい。
私おばあちゃんと一緒におかずを作ってるからまる子買い物してきてくれる?うん。
(おばあちゃん)じゃあお魚屋さんとお豆腐屋さんに行ってきておくれ。
はい。
(おばあちゃん)じゃあ頼むよ。
じゃあいってきます。
《ああ…寒い!》《あたしいつもお母さんから買い物を頼まれても「嫌だ!」って言って行かないけどお母さんは毎日こんな寒い中を買い物に行ってるんだ…》
(佐々木)おやまるちゃんお使いかい?うん。
寒いのに偉いねえ。
佐々木のじいさんも寒いのに木の世話をして大変だね。
いやいや。
私なんて木に比べたら全然大変じゃないよ。
木はこんなに寒くても毎日外で頑張っているんだ。
ホントだよね。
毎日寒い風の中でも雨の日も。
凍えそうな夜も木は外で頑張っているんだ。
木の生命力の素晴らしさを冬こそ思い知らされるよ。
うちのお母さんも木みたいに早く元気になるといいな。
おや?お母さんが風邪でもひいたのかい?うん。
風邪で熱が出て寝込んじゃってるんだ。
だから心配なんだ。
そりゃかわいそうに。
そうだ。
ちょっと待ってておくれ。
(佐々木)これショウガ入りのくず湯だよ。
これ風邪に効くの?ショウガの効き目で体が温まるから少しは楽になると思うよ。
佐々木のじいさんありがとう。
甘くておいしいからまるちゃんも飲んでごらん。
うん!ただいまー!
(おばあちゃん)おかえり。
ご苦労さま。
途中で佐々木のじいさんに会ってショウガ入りのくず湯っていうのをもらったよ。
そりゃよかったね。
後でお母さんに飲ませてあげようね。
うん。
お母さんまだ熱が下がらないみたいなんだ。
そっか…。
心配なまる子。
後半へ続く
(さきこ)お母さんが作ったのよりおいしくないと思うけどお父さんも我慢して食べてね。
ああしょうがねえもんな。
やっぱりお母さんが作ったのみたいにおいしくないよね。
うん…。
お母さんいつももっといっぱいいろんなおかずをおいしく作ってくれるんだよね。
大変だよね。
まあこれを機会に母さんの苦労をお前らもよく思い知ってこれからは少しゃ手伝いでもすることだな。
わしも手伝うよ。
じいさんなんて足手まといになるだけだな。
お父さん何てこと言うんだね。
おじいちゃんがせっかく手伝うって言ってるのに。
そうだよ!お父さんだって手伝えばいいじゃん。
俺はやだね。
そんなこと軽はずみに言うもんか。
絶対やらないもんね。
俺は俺の仕事があるんだ。
母さんは母さんの仕事だからな。
お父さんちょっとねえ!お母さんのことをいつも手伝ってあげなかったからお母さんが風邪をひいちゃったんじゃないの。
バ〜カ。
風邪なんてばい菌のせいでひくんだぞ。
俺が手伝いをしようがしまいがばい菌とは関係ねえじゃねえか。
それよりまる子お前が昨日の夜遅く母さんに雑巾なんて作らせたからそれで風邪ひいちまったんじゃねえか?お父さん!まる子を責めるのはよしなよ!お父さんは心配じゃないの?もっとお母さんのこと考えてやりなよ!俺はいつだって考えているさ。
お前みたいに風邪ひいたから急に心配するなんてそんな浅はかなやつとは違ってな。
母さんが風邪をひいてもひかなくても常に変わらずこうしているだけさ。
何をのんきなこと言ってんのさ!めったに風邪なんかひかないお母さんがあんなに熱を出してるんだよ。
もしも死んじゃったらどうすんの!心配だよ。
心配に決まってるじゃん!そうよ。
心配だよ。
(友蔵)そうじゃ!そうじゃ!フン!心配したって風邪が治るもんか。
余計なことしないでああやって静かに寝かせてやりゃいいんだ。
あたしくず湯作ってくる。
お母さんに飲ませてあげる!
(さきこ)私も行く。
(まる子)《お母さん…お母さん》
(さきこ)《お母さん…お母さん》《お母さん》《お母さん》《お母さん》《お母さん》《お母さん》・お母さん。
・
(さきこ)お母さん。
あらあんたたち。
お母さんくず湯持ってきたよショウガ入りだって。
佐々木のじいさんからもらったんだよ。
飲みなよ。
体があったまるよ。
ありがとう。
はあ〜。
今ねあんたたちが小さかったころの夢を見てたんだよ。
だから目が覚めたとき2人ともここにいたからちょっとびっくりしちゃった。
お母さん熱下がった?うん…まだちょっとあるみたいね。
お母さんごめんね。
あたし昨日遅くお母さんに雑巾作らせたりしたからお母さん風邪ひいちゃったのかもしれないね。
そんなこと気にするんじゃないよ。
別にまる子のせいで風邪ひいたわけじゃないんだから。
でも…。
ほら2人ともここにいると風邪がうつるといけないからもうあっちに行きなさい。
やだ!ここにいたいよ。
まる子お母さんがゆっくり休めないでしょ。
(さきこ)ほら。
食器を洗うのも大変だよね。
そうだね。
私たちがテレビ見てるときにもこうやって後片付けをしてるんだよね。
手伝おうか?ううん。
もうすぐ終わるから大丈夫だよ。
そうかい。
2人とも今日はご苦労さまだったね。
全然大したことしてないよ。
《お母さんに比べたらこれくらい全然何もしてないと同じだよね》《お母さんさっきあたしとお姉ちゃんが小さかったころの夢を見たって言ってたな》《今ねあんたたちが小さかったころの夢を見てたんだよ》《お母さんあたしなんかのこと小さいときから育ててきて何かいいことあったのかな》《いつもわがままばっかり言ってるし迷惑ばっかり掛けてるしお母さんが喜ぶことなんて一つもしてないよ》《もしもこのままお母さんが死んじゃったら…》《あたしなんかを育ててきたかいがないよね》《お母さんはいつもあたしやお姉ちゃんのこと心配して大事にしてくれてたのに》《あたしお母さんのことちっとも考えてなくて…》《ごめん》《お母さんごめんね》
(たまえ)まるちゃんお母さんの具合どう?うん。
けさは少し良くなったって言ってたけどまだあんまり無理するとよくないからゆっくり休んでるんだ。
そうだね。
ゆっくりしてた方がいいよね。
昨日はさあたしとお姉ちゃんが家の手伝いをしたんだけどホント大変だったよ。
お母さんは毎日1人でもっと色々やってるんだなって思うといつもわがまま言ってて悪かったなってちょっと反省したんだ。
そうだよね。
お母さんっていっつも大変だよね。
それに引き換えお父さんはちっとも何にもしないけどね。
そうそう。
「俺には俺の仕事があるんだ」とか言っちゃってさうちも全然やろうとしないから昨日あたしとお姉ちゃんで怒ったんだよ。
でもさお父さんっていくら言っても聞かないんだよね。
そうなんだよね。
お母さんだいぶ良くなってよかったね。
まる子にも心配かけたね。
ごめんね。
あたしもいつもお母さんに迷惑掛けてたから反省したよ。
その反省が長続きすればいいけどね。
そうだね。
(ヒロシ)ただいま。
(すみれ)あらお父さん。
早いわね。
何かよ鼻水とくしゃみが出るんだ。
風邪ひいたみたいだから早く帰ってきたんだ。
え〜っ!?お父さんも風邪ひいたの?
(くしゃみ)
(さきこ・まる子)うわっ!
(さきこ)ちょっとやだ!こっち向いてくしゃみしないでよ!何だよ冷てえな。
鼻水出てるよ!汚らしいね!何だお前ら母さんのときと違って俺のことはちっとも心配しねえじゃねえか。
ああそうかもね。
「そうかもね」じゃねえよ。
(くしゃみ)あ〜何か寒いな。
おい佐々木のじいさんからもらったくず湯を作ってくれ。
あれもうないよ。
えっない?私がさっき飲んじゃったの。
(ヒロシ)何だよおい…。
まる子ちょっと薬屋に行ってマスクと風邪薬買ってきてくれ。
え〜っ!やだな。
嫌がるなよ。
俺が風邪ひいてるんだぞ。
行け。
風邪ひいてるのに威張ってるなんてまったく心配したくもないね。
つべこべ言ってねえでさっさと行けよ。
ブゥー。
(店員)どうもありがとうございました。
あっ。
おやまるちゃん。
この前はショウガのくず湯をどうもありがとうございました。
いえいえ。
お母さんまだ具合が悪いのかい?ううん。
お母さんはだいぶ良くなったんだけど今度はお父さんが風邪ひいちゃったみたいなんだ。
今度はお父さんが…。
うん。
ただいま〜!はい買ってきたよ。
おうサンキュー。
今佐々木のじいさんに会ったんだ。
えっ佐々木のじいさんに会ったのかよ。
俺が風邪ひいてること伝えたのか?うん。
言ったよ。
くず湯をくれるって言ってなかったか?ううん。
別に言ってなかったよ。
「大変だねお大事に」だってさ。
あっそう。
佐々木のじいさんにも全然心配されてないヒロシであった
(くしゃみ)ちょっと!こっち向いてくしゃみしないでって言ってるでしょ。
チェッ。
ああ…。
今度理科の授業で初めてアルコールランプを使うんだ。
火で実験するんだから気を付けなくちゃ。
あ〜ドキドキしちゃう。
爆発して火事になったら永沢はパニックになっちゃうね。
次回の『ちびまる子ちゃん』は…。
お楽しみにね。
2017/01/15(日) 18:00〜18:30
関西テレビ1
ちびまる子ちゃん【おかあさんカゼで寝込むの巻】[字][多][デ]
『おかあさん、カゼで寝込む』の巻
詳細情報
番組内容
お母さんが風邪で熱を出して苦しそう。こじらせると大変な事になるんだって。大変な事って、もしかして・・・。ごめんなさいお母さん。まる子、もう面倒かけたりしないから早く良くなって!
今回のちびまる子ちゃんは『おかあさん、カゼで寝込む』っていうお話だよ。お楽しみにね。
出演者
まる子: TARAKO
お父さん: 屋良有作
お母さん: 一龍斎貞友
おじいちゃん: 島田敏
おばあちゃん: 佐々木優子
お姉ちゃん: 豊嶋真千子
ほか
スタッフ
【原作】
さくらももこ
【OP曲】
「おどるポンポコリン」
【END曲】
「100万年の幸せ!!」
【脚本】
さくらももこ
【絵コンテ・演出】
知吹愛弓
【作画監督】
杉山東夜美