心のストレッチをまた深めていって頂ければと思います。
今宵のテーマは「突破力」。
どうしても破れない壁をブレイクスルーするコツお教えします。
勉強不足じゃないんですか?そうですかね。
それはそうと今日ちょっと珍しいものをご用意したんですよ。
こちらですよ。
分かりますか?何だか。
もちろん。
レモン!レモンじゃない。
これへしこでしょ。
そうへしこです。
ご存じですか?全然珍しくないじゃないですか。
へしこって福井の名物で今へしこピザとかへしこパスタとかいろんなところで使われてますよ。
えっ店主より詳しい。
それはそうでしょう。
勉強不足だもん。
はい…。
いかがですか?お味。
うわ〜最高!うわっ。
どうしてそんなに詳しいんですか?初めて日本に来た時は2年半福井に住んでて。
あっそうなんですか。
そうなんですよ。
例えば福井の劇団に所属したりラジオDJやったり日本の電波に初めて乗ったのも福井だし。
じゃまさにふるさと!そうなんですよ。
へ〜福井がブレイクスルーの地。
そうなんですよ。
ちょっとちょっと。
福井でブレイクスルーってなんか聞き捨てならないですね。
え…どちらの方でしょうか?実は今日福井からいらっしゃった松下敬一さん。
福井の金融会社にお勤めで歴史の語り部としての活動もされているんですよ。
福井の方ですか!どうぞどうぞ。
ちょっと気になったのが福井でブレイクスルーと聞いて黙っちゃいられないってのはどうしてなんですか?すごい食いつきましたね。
ええそうなんですよ。
福井でブレイクスルー突破力と言ったら福井藩士由利公正しかいないじゃないですか。
お〜はいはいはい。
ご存じでしょう?はい…。
はい?由利公正といえばですねあの幕末において明治新政府の財政を任せるのはこの男しかいないと言って坂本龍馬がわざわざスカウトに福井まで来た男なんですよ。
あの坂本龍馬も頼りにするぐらい突破力を持ってる方?そうです。
時は幕末から明治へ。
太平の世が終わりを告げた激動の時代。
日本経済も大混乱。
その危機を大胆なやり方で突破し続けたのが由利公正です。
幕末莫大な借金に苦しんでいた福井藩。
公正は一発逆転!特産品の生糸を海外に輸出し財政再建を目指します。
ところが独りで突っ走る公正に周囲は置いてけぼり。
不信感を募らせます。
孤立する中公正はそんなマイナスイメージでさえ…突破!戦いを挑む新政府。
公正は実質的な大蔵大臣となりその命運を託されます。
資金不足の新政府を救うための日本初の巨大プロジェクト。
しかし実績のない新政府に商人たちは疑いの目を向けました。
そこで公正が見せた信用ゼロを突破して一気に賛同者を増やす戦略とは?更に憧れの高級商店街銀座の礎も公正の突破力が築いたものだったというのはご存じでしょうか。
人々のやる気を引き出し爆発的な成果を生み出した由利公正。
そんな由利公正の知恵を読み解くのは産業廃棄物処理業界の常識を突破し続ける石坂典子さん。
住宅のがれきを処理する石坂さんの会社は14年前業界に衝撃を与えました。
なんと廃棄物処理に欠かせないと言われていた焼却炉を取り壊してしまったのです。
代わりに丹念な手作業で廃棄物を分別しリサイクル。
木材などのがれきを資源に変える新たなビジネスを打ち立てました。
しかし地元の理解を得るにはまだまだ高い壁がありました。
地域に配慮して廃棄物が見えないように覆ったものの逆に何か隠しているのではないかと住民の不審を買ったのです。
そこで石坂さんはまたも常識を突破。
会社の内部に専用の見学通路を設け住民向けに公開しました。
今では年間1万人以上が訪れ地元小学校の社会科見学先に選ばれるほどになりました。
地域の信頼とともに年商も右肩上がり。
産廃業者の未来を切り開いています。
みんなの信頼をつかむ事で常識の壁を壊し続けたこの2人。
真の突破力を身につける極意を探ります。
こんばんは。
いらっしゃい。
えっ今の方じゃないですか!そうですよ。
石坂典子さんですよ今ご紹介した。
随分印象ガラッと変わりますね。
そうですか?ヘルメットがないし。
女優さんかと思いました。
ありがとうございます。
おきれいでびっくり。
どうぞこちらへ。
失礼します。
会社がね埼玉の所沢の近くにある事から「所沢のジャンヌ・ダルク」とも呼ばれているんですよね。
うわ〜すごい。
救世主的な存在。
だといいです。
頑張ります。
由利公正という人物石坂さん印象いかがですか?そういう雰囲気ですね。
そんな由利公正を通して今日見ていくテーマがこちらです。
ざん!「みんなの心をつかむ突破力」という事なんですよ。
いいテーマだね。
ちょうどいい人材がそろってますよね。
突破力トリオがここにそろってますね。
トリオ3人目はどうかなと思いますけど。
こら!福井県福井市。
幕末の政局で大きな役割を果たした福井藩の城下町です。
1829年貧しい武士の家に生まれた由利公正。
19歳の時その突破力が城下にとどろく活躍をします。
(馬のいななき)
(どらの音)福井名物「馬威し」。
民衆が馬を驚かそうとする中若き武士が妨害を突破しゴールを目指すという風変わりな馬術比べです。
いざスタート!すると多くの武士は…。
(笑い声)そんな中…。
次々と襲い来る壁をものともせずまっしぐらに駆ける荒武者。
この男こそ後の由利公正。
強じんな突破力が福井藩に知れ渡りました。
ただ公正の突破力には…福井市の隣町にこんな石碑が建てられています。
「火薬局」。
公正は20代後半ここで西洋式火薬の製造を進めていました。
とはいえ正しい技術などほとんど知りません。
周囲の反対を押し切って挑戦したあげく…。
(爆発音)あまりに無謀すぎると藩から中止を命じられるありさまでした。
そんな感じの方のように思います。
…というような印象も持ちますね。
目のつけどころやフットワークはいいものの先走っては失敗しがち。
公正の突破力は独りよがりなところがありました。
世は激動の幕末へと動き始めます。
そのころ福井藩を悩ませていたのが財政難。
歴代藩主のぜいたくと相次ぐ飢きんで多額の負債を抱えていました。
安政5年秋。
30歳で藩の要職に就いていた公正は…しかしこの年アメリカオランダなど5か国と通商条約を締結。
半年後から長崎など5つの港で自由貿易が始まろうとしていました。
そこで公正は長崎へ。
自由貿易の開始はまだ先ですが他の藩に先んじてやるとばかりに慌てて飛び出したのです。
長崎に着くや…その行動力がビッグビジネスを手繰り寄せました。
「これで藩を立て直せる」。
意気揚々福井に戻った公正。
ところが思わぬ落とし穴が待っていました。
なんと肝心の生糸生産現場が…公正は長崎行きを急いだあまり農民や商人に計画を説明し忘れていました。
自分の発案で突っ走ったあげく現場の人たちの不信感を募らせてしまったのです。
公正は農民や商人に協力してもらえるよう懸命に説得。
しかし商人の一人は武士が商売に手を出す事そのものを痛烈な言葉で批判します。
これでは話になりません。
武士に対し無礼な発言。
さすがに公正怒りだすか?と思いきや…公正は怒りだすどころか…。
なんと素直に非を認めて頭を下げアドバイスを求めたのです。
これには集まった庶民もびっくり。
いつもふんぞり返っている武士が頭を下げてアドバイスを求めるなど常識はずれでした。
更に公正は彼らと一緒にゴロンと床に寝転がり相談を始めます。
身分の違いに関係なく自由に発言できる雰囲気を生み出しました。
視線をその人たちに合わせて膝を交えて国の将来を憂いながら協力を求めていく。
由利だからこそできたんだと思います。
そういう事はね。
武士としてのプライドあるいは武士としての封建社会の秩序というものだけを考えて時代を見なかったらこういう事はできないわけですから。
また公正は財政再建にあたって農民や商人にもメリットがある仕組みを生み出します。
生糸などの生産から販売までを総合的に管理する藩の部署です。
その責任者の欄には藩内各地の農民や商人の名がたくさん。
彼らはこのビジネスの利益の一部をもらっていたと考えられます。
こうしたうまみがモチベーションとなって人々は積極的に計画に協力するようになりました。
その秘訣を公正は語っています。
「物産を興さすには人民に楽しみをつけなければ働かぬ」。
こうしてオランダと福井藩の生糸貿易は大成功。
初年度だけで80万両もの巨額の富が福井にもたらされたともいいます。
「越前藩の富裕天下無比」とたたえられるほど周囲の藩からは羨望のまなざし。
民の力を生かす舞台を整えれば爆発的な突破力が生まれる事を知った公正。
この目覚めがやがて日本の未来を切り開きます。
相手の目線に立つ事で結果的に突破力を生み出していったという事なんですけれども相手の目線でって言うは易しですけれど難しいですよね。
よくそこで頭も下げて寝転がって一丸となって。
人間同士のつきあいに切り替えたというのはすごい。
もう発明家ですよね。
ですよね。
あれどうしてできたんですか?由利公正は。
その他の農民とか商人たちの方がもっと国の役に立ってるんじゃないかと。
武士はただそれの上にあぐらをかいてるだけなんじゃないかという事ですね。
特筆すべきものだったんじゃないかなと思いますけどね。
公正は今お話にあったように自分自身の立場を自問自答したとありましたけれども石坂さんはそういう経験というのはありました?廃棄物の処理の会社っていう…地域の人たちから見るとゴミの山が見えるわけですよね。
そうすると「やだ汚い」「ほこりっぽい」「迷惑だわ」って話になるのでじゃあ思い切ってこれを全部建物の中に入れるという事を最初にしたんですね。
全部覆う事によってマイナスイメージというのは払拭できたんですか?いえそれがですね周りの方たちからは逆に何をしている会社か分からないと。
え〜!?見える状態に不満を持ってる方は囲ったらまた不満を感じると。
何か隠してると。
うわ〜!廃棄物処理会社という事でだいぶ周りから迷惑と言われていた事が…みんなが出している廃棄物なのに。
もっとみんなが考えなきゃいけないんじゃないかと。
たくさんの人に来てもらおうとそういう事をしていくんですけども。
でもそれ一回見に来たら納得するんですか?「ああなるほどいい事やってるんだ」って。
いや一回じゃなかなかそういうわけにはいかないんですよ。
でもそれだけいろんな声があって何で分かってくれないのって思う時ないですか?う〜ん…やっぱり正直最初はイラッとする事もあったんですね。
でもイラッとしたからってその場の事が解決できるわけないのでむしろこの人たちは我々に…ケンカではなく指導とかヒントだと。
それ公正さんと一緒ですね。
とりあえず相手目線になって相手からどう見られてるのか考えて自分を変えていこうと。
そうですね。
よくそういう説明会とか開いてどっかの部屋の中に長いテーブルを用意して会社側の人がみんなこっちに座って近所の方がみんなパイプ椅子並べて向こうに座ってこっちがマイク持って説明するみたいなそういう雰囲気よく聞きますけどそうすると…確かに。
更なる知恵を味わって頂こうと思います。
今度は明治維新で発揮された公正の知恵です。
キーワードがですね続いては「信用」です。
福井での経験がじっくりと熟成されました味わいたっぷりとご賞味下さい。
慶応4年1月日本を二分する内戦が幕を開けました。
薩摩長州を主力とする新政府軍と旧幕府軍が激突した戊辰戦争です。
その初戦は新政府軍の勝利。
江戸へと敗走した旧幕府軍を追って東へ攻める事になりました。
しかしこの時新政府は大きな問題を抱えていました。
軍資金の致命的な不足。
そのため江戸を目指す軍勢に送るお金を至急西日本でかき集めなければなりませんでした。
この難題を任されたのが40歳になった由利公正。
坂本龍馬の推薦で新政府に加わり実質的な「大蔵大臣」に任命されていました。
必要なのは300万両という莫大な金額。
そこで公正は大胆な策を提案します。
「新しい紙幣を発行してこれを民間に貸し付けましょう」。
それまでも新政府は資金不足を補うために…商人は商売の元手のお金が不足し経済的に困窮。
その結果…そこで公正は新政府が紙幣を発行して商人に貸し付ける事を考えました。
この紙幣を元手にすれば商人はこれまでどおり商売でもうける事ができそこから…更にここで一工夫。
新政府は商人からの借金に対しやや高めの利子を払う事を約束します。
一方紙幣を借りた商人が新政府に納める利子は低めに設定。
つまりこの利息の差で商人が得する仕組みを編み出したのです。
…という公正ならではの妙案でした。
ところが公正の紙幣発行策は新政府内で猛反発を浴びます。
もし偽札が出回ったら経済が大混乱するというのです。
反対派は紙切れのお金など信用できないと主張し事実それが当たり前の時代でした。
日本では…金や銀に対してはすごい信用があるんだけれども紙に対しては信用持てないと。
しかしいくら反対されても公正は自信満々。
実はただの紙に信用をのせるため周到な準備をしていたのです。
この時の新紙幣「太政官札」を見てみましょう。
細長い紙に金額を印刷したシンプルなつくり。
一見簡単に偽札が造られそうにも見えます。
しかしそこには驚きの偽造対策がありました。
使用された和紙は極秘の原料が配合されており触っただけで本物と分かる厚みと硬さを備えていたのです。
これをすき上げたのは公正のふるさと福井の「越前和紙」職人たち。
江戸時代幕府の御用達だった日本有数の技術力が偽造などできない紙質を実現していました。
更に公正は商人たちの信用を高めるため妥協なき姿勢で臨みます。
新政府の政治公約を自ら書き上げ民の力を生かす国造りをアピールしたのです。
この政治公約が歴史的な「五箇条の誓文」の原案になり新政府の基本方針に採用されました。
公正だけでなく新政府全体が民の期待に応える政権であるという誓いでした。
この公正の妥協なき姿勢がまさかの展開を呼び起こします。
紙幣の信用が高まった結果商人たちがその貸し付けを求めて殺到したのです。
更に利ざやでもうけようと続々と新政府にお金を貸し出すようになりました。
紙幣を起爆剤として軍資金を得た新政府軍は更に北へと侵攻。
翌年戊辰戦争に勝利します。
商人の心をつかみ信用を築き上げた公正はこうして絶体絶命の難局を突破したのです。
公正が書き上げました五箇条の御誓文の草案それを現代語訳したものをですね今日ちょっと用意しました。
第一条と二条。
こちらです。
へ〜。
江戸幕府時代の社会構造をぶっ壊してますね。
アメリカの憲法とか独立宣言とかリンカーンの演説とかにこういう表現がいっぱい含まれてますよね。
憲法は「We,thepeople」「我々民は」と「国民は」から始まってますけど主権は民にあると。
もう民主主義的な考え方ですね。
もう一つ実は松下さんに実物を持ってきて頂いているものがあるんですよ。
そうですね。
実はですね太政官札の現物を。
あの紙幣の実物です。
是非ちょっと見て頂きたいなと思いまして。
思ったよりちっちゃい。
触っちゃっていいんですか?いいです。
中出してですね。
あっいいんですか?大丈夫です大丈夫です。
今のお札よりですね結構分厚いと思うんですね。
厚い。
偽札が出回るんじゃないかっていった時に一つの逸話がありましてね由利公正が「じゃあ破いてみて下さい」と言った時にですね…そんな簡単に破れないんですよ。
よくね和紙っていろいろ繊維が絡まっているのでだからウーッとこう破れないという事で。
品質にこだわるっていう意味では石坂さんも焼却をやめてリサイクル業者として生き残りを図っていくために品質面では大変こだわってるというふうに伺ったんですが実際そうなんですか?ちょうど取引先さんたちがどうやって信用して信頼できるのかというのがはかる指針がないと。
その一つの手法として国際規格ISOを取得していると評価を高めますよという声がちょうどあがってましてならば我々も取ろうという事で始めるんですけどもまあ社員さんたちも最初は嫌がってですね。
まあほんとに…大変と言われると大変ですがこれをする事によって地域の方たちが客観的に会社を見た時にここで働いてる社員さんたちは自分たちの仕事に誇りを持って一生懸命やっているなという事でまた信頼に続いていくものですから。
ケネディ大統領が「月まで行こうぜ」って発表した時の演説の中でこういうみんなが夢みてるような事に挑戦するのは楽だからじゃない。
難しいからやりがいあるんだっていう名ぜりふがあるんですけど自分も会社も成長して…近所から見ても「あの会社はすご〜い」ってなりますしね。
そのためにね今の五箇条の御誓文「議事之体大意」もそうですし石坂さんもですけどやっぱり方針というかねビジョンをしっかり描いてるというところなんですね。
由利公正もそうですけど突破するための方向性をきちっとディスクローズするっていうのは大事かなと思いますけど。
明治4年7月43歳となった公正は新たな大役を任されます。
東京府の知事への就任です。
ところが7か月後試練が襲います。
(鐘)それは大火事。
明治5年2月火の手が銀座から築地まで広がり木造の家屋およそ5,000戸が灰になってしまいました。
翌朝焼け野原を前に公正は決断します。
「人間の労力が燃えずに残るという事が国の一番大切な事であるから国の労力が残る様にしたい」。
人々の労力を残す政策すなわち画期的な防火対策です。
燃えにくいれんがを使った町の再建。
当時東京にれんが工場はなくれんがによる町づくりも前例がない中常識への挑戦でした。
更に火事が起きても燃え広がらないように大通りの幅を以前の3倍以上に広げようと主張。
費用は当時の国家予算の数パーセントという壮大なプロジェクトでした。
ところがこのころ政府は軍事力の強化と外国との不平等条約の改正に全力を注いでいました。
防火対策に大金を使う余裕はないと…れんが造りの東京という公正の夢。
1km以上にもわたる煉瓦街が銀座に完成したのは翌明治6年の事でした。
しかしそれは公正の理想からは程遠いもの。
予算の不足で銀座以外に煉瓦街は広げられず大通りの幅も以前の2倍程度にとどまりました。
そんな政府に失望した公正は知事の座から退きました。
ところが公正は民のためという理想を諦めませんでした。
明治7年に発表された…政府に対し国会の設立を求めた意見書です。
その中に由利公正の名前がありました。
「政府人民が一体となって国は初めて強くなる事ができる」。
その後も公正は経済産業の分野で新たな事業を続けます。
その多くが後の時代の礎となる挑戦でした。
晩年の公正の和歌です。
民に誇れるような功績は何もなく長生きするばかりで恥ずかしい…。
公正の死後50年近くたって建てられた「煉瓦銀座之碑」。
煉瓦街を計画した公正が銀座繁栄の礎を築いた功労者としてたたえられています。
「世を治め民を救う」。
公正の生き方を象徴した言葉です。
民と共に笑って泣いた79年の生涯でした。
煉瓦街の礎を築いたのが由利公正だった。
う〜ん…いやあれだけ世の中を変えた方が最後がっかりして「私は民のために何もできなかった」っていう悔しい声をあげるのはちょっと意外でしたね。
未来に向かってね民のためにもっといろんな事ができたんじゃないかという事。
自分ならもっとできたんじゃないかという事ができなかった。
そのさみしさもあり満足もありね。
やっぱり葛藤があったんじゃないかなって思うんですよね。
石坂さん未来のお話を伺っていきたいんですけれども。
やっぱり最終的に普通にある会社では駄目で地域から必要とされる会社になっていかないと持続できない生き残っていけないって私は考えるので。
本業以外でも?そうですね。
近所の地域のおばあちゃんがもう何百年も続く里山をずっと守ってきたんだけれども子供たちが農業もしなくなり結局里山崩壊になってしまっていると。
それを手入れをして…。
私たちも里山というものをボランティアとして守る事ができるんじゃないかという事で6〜7年前からずっと森の保全を続けてまして東京ドーム4個分ぐらいの管理をしてるんですよ。
ちょっと失礼な言い方かもしれないですけどそんなに貢献しなきゃいけないんですか?本業で十分貢献してるような気がしますけど。
それでもやっぱり地域に返したい気持ちが強いわけですか?私たちみたいな会社は皆さんにとって不要なものを片づける会社だから結局見せる商品がないんですよね。
だから見えないブランド作りというのをしていかなくてはいけないという事を考えた時に私たちにとって地域の人たちのお役に立つ事が結果としてブランディングにできないかというところが始まりなんですけど。
それって石坂さんの会社だけではなくて業界の印象も変わるかもしれないですよね。
パックン今日由利公正と石坂さんの知恵を味わってきていかがでしたでしょうか?いや心強いですね。
過去にも現在にもこういう突破力を持った人物がいらして世界を変えてきた変えていくという。
まだまだこの日本には明るい未来が待ってるなと感じますよね。
まだまだ語り足りないでしょ?そこで今日は福井の名物料理もう一つ用意してるんですよ。
こちら!やった!おろしそば!越前おろしそばですよ。
おそばも福井から取り寄せてますよ。
やった。
召し上がって下さい。
(3人)いただきます。
いいねいいね!おろしそば。
福井の名物ですから。
これ松下さん公正も食べてたんですかね?越前のおろしそばっていうのは。
食べてたと思います!公正も食べたという事でこれ食べて突破していきたいですね。
頑張りましょう。
(一同)頑張りましょう。
まだお代わりありますから言って下さい。
2017/02/14(火) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
先人たちの底力 知恵泉「みんなの心をつかむ突破力〜経済の達人・由利公正」[解][字]
坂本龍馬がほれた経済の達人、福井藩・由利公正(ゆりきみまさ)。思いついたら走り出し危機突破!やがて気づいた庶民の爆発力の強さとは?人の心をつかんであなたも突破?
詳細情報
番組内容
幕末、坂本龍馬がほれこんだ経済の達人、福井藩士・由利公正(ゆりきみまさ)。その魅力は、何か思いついたらただちに一人で走り始め、危機があってもどんどんぶち破っていく突破力!ところがやがて、庶民と心を一つにした時の爆発力の方がはるかに強いと気づく。激動と謀略と戦乱の明治維新、由利はどうやって人々の心をつかみ、新政府の経済的な難問を解決していったのか?人の心をつかんで味方を得る、その極意を紹介します。
出演者
【ゲスト】パトリック・ハーラン,石坂産業社長…石坂典子,福銀ビジネスサービス…松下敬一,【司会】近田雄一