(神父)悪魔は知らぬ間に人々の心の中に入りこむのです。
(葉子)我慢なんて必要ない。
自分に正直に生きればいいの。
(葉子)他人じゃなくて身内を手に掛けたら私もそれを得られるのかな?
(葉子)お父さんは私が殺さなきゃいけないから。
(芳賀)俺から聞いたって言わないでくださいよ。
(渡来)お父さんは?
(葉子)亡くなりました。
(難波)あり得ない。
嘘だ!
(難波)僕やっぱり手術をやめようと思って。
(難波)大河内先生のお父さん。
亡くなったんですよね?
(吉田)誰から聞いたんだ?
(吉田)それで不安になったのか?気持ちは分かるが…。
そうじゃないです。
あの人のお父さんは病死じゃない。
大河内先生に殺されたんです。
父親に告白していたんです。
患者の命をもてあそんでいるとか。
身内を手に掛けないと罪悪感を得られないとか。
自分のことを悪魔のような人間だとか…。
そう言って大河内先生は…。
(吉田)いいかげんにしなさい。
君は立ち聞きしたのか?趣味が悪過ぎるぞ。
でもおかしくないですか?あんな妙なこと言って直後にお父さんが亡くなるなんて。
(吉田)お父さんはすでに手の施しようがない状態だった。
(衣笠)《すみません。
先生。
大河内先生のお父さんが…》《大動脈瘤かも?》
(吉田)大河内先生は必死にお父さんを救おうとしていた。
あの姿を見たら君もそんなこと言えないはずだ。
じゃあ大河内先生の言っていたことは…。
(吉田)全ては父親を救えない無念から出た言葉だ。
われわれは常に死と隣り合わせで重い責任と闘ってるんだ。
君の発言はわれわれ医者への冒涜だ。
すいません。
(従業員)はい。
もう1枚下さい。
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(従業員)かしこまりました。
あっ。
骨付きで。
難波さん。
もうすぐですけど大丈夫ですか?不安なんですね。
私が信用できませんか?いえ。
そんなことは。
やめてもいいですよ。
難波さんが決めることですから。
(芳賀)あっ。
難波さん。
あれ?ひょっとして手術に?だって…。
いいんですか?芳賀さん。
すいません。
行ってください。
お願いします。
気分はどうですか?はい。
ぼうっとします。
体は動かせます?いえ。
原先生。
挿管準備お願いします。
(原)はい。
じゃあ眠るまで少しお話ししましょうか。
はい。
この手術で大腸の悪性腫瘍を切除すると説明しましたけど…。
その腫瘍実は良性なんですよ。
えっ?私が検査結果を打ち替えたんです。
何で?ここでならあなたを私の好きなようにできるでしょ?だから。
(心電計の警告音)
(看護師)先生。
サチュレーションが低下しています。
ありがとう。
じゃあ酸素上げてくれる?
(看護師)はい。
難波さん。
聞こえますか?もう一つ大事な話があるんです。
小林トシさんに別の薬を投与して殺しかけたのは私です。
女の子にクッキーをあげたのも。
その母親を階段から突き落としたのも。
男の子にケガを負わせたのも。
全部私のしたこと。
他にも何人も患者を死なせた。
何で…。
今のあなたみたいな顔が見たいから。
それだけ。
あなたの体をめちゃくちゃにしてあげる。
こういうのを体の中に残すとどうなると思います?目が覚めたときには全て終わってますからね。
おやすみなさい。
難波先生。
これより難波聖人さんの右半結腸切除術を始め…。
(渡来)小早川さん。
仕事熱心で昔から変わりませんね。
早くお元気になって政界に復帰していただかないと。
(小早川)倫ちゃんも立派な医師になったようだね。
お父さんも安心してるだろう。
(渡来)はい。
(小早川)何としても治してくれ。
頼むよ。
(吉田)膵臓がん。
相当進行してるね。
(渡来)手術をするとしてももうしばらく薬物治療して原発巣を縮小させないといけません。
(吉田)グルザールも効果なしか。
俺も何か他の打つ手考えるから君も。
(渡来)他に打つ手なんてもう。
(吉田)とにかく最善尽くそう。
小早川さんは大事な患者だからね。
(渡来)はい。
《その腫瘍実は良性なんですよ》《他にも何人も患者を死なせた》《こういうのを体の中に残すとどうなると思います?》《今のあなたみたいな顔が見たいから。
それだけ》
(絶叫)
(看護師)どうしました?「100匹の羊がいてそのうちの1匹を見失ったとしたら羊飼いは99匹を野原に残して見失った1匹を見つけだすまで捜し回る」・
(ドアの開く音)小早川さん。
あまり良くなってないようですね。
(渡来)ああ。
まあそうですね。
M2DL。
えっ?これを使いたいんですよね?動物への実験例を見るかぎりこれは小早川さんの膵臓がんに効果がありそうです。
ええ。
いずれは認可が下りると思うけど。
残念だけど小早川さんには間に合わないです。
私子供のときに父をがんで亡くしたんです。
研究が進んだ今なら父は助かったかもしれないなって。
使ってみてはどうですか?M2DL。
そんなことできるわけないじゃないですか。
だいたい無認可だしまだどんな副作用が出るか分からない薬ですよ?副作用が出るかどうか他の患者を使って試すんです。
えっ?人体実験です。
多かれ少なかれ医学は人体実験で進歩してるじゃないですか。
大河内先生。
自分が何言ってるか分かってるんですか?渡来先生が羊飼いだとしたら100匹の羊を連れているとき1匹の羊が迷子になったらどうしますか?はい?神様は他の99匹を野原に置いてでも1匹を助けに行くそうです。
でも現実は残された99匹は他の動物に襲われて犠牲になってしまいます。
本当は1匹を犠牲にして99匹を助けるべきです。
大河内先生。
大丈夫ですか?渡来先生は薬を手に入れてください。
後は全て私がやります。
このことは二人だけの秘密です。
もし実験した人に重い副作用が出たら…。
黙ってればなぜ死んだなんか誰も分かりませんよ。
ただ死を待ってるだけの患者ここにはいっぱいいるじゃないですか。
その人たちを犠牲にして価値のある命を救うのが悪いことですか?小早川さんを助けたいんですよね?それはそうですけど…。
助ける方法があるのに命よりも規則が大事ですか?ここで決断できないならあなたが医師になった意味なんて何もないですよ。
ちょっと考えさせてください。
駄目です。
考える必要なんてありません。
答えは一つしかないんですから。
(佐々木)いい天気だねぇ。
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(佐々木)こういう日は一日どーんと座って日に浴びたいもんだ。
うん。
私の父はいつもそんな毎日を繰り返していつも死にたいと言っていました。
俺は長生きしたいなぁ。
うん。
死にたいなんて言うもんじゃないよ。
生きてるだけで幸せなんだから。
先生のお父さんは罰当たりだな。
生きなきゃ駄目。
うん。
佐々木さん。
今日から新しい薬を使おうと思います。
先輩。
助けてください。
体の中に針入れられたんです。
(吉田)落ち着きなさい。
ほら。
動くと傷口が開くぞ。
僕の体調べてください。
手遅れになってしまいます。
(吉田)とにかく休みなさい。
手術前に大河内先生が言ったんです。
今まで何人もの患者を手に掛けたと。
やっぱり全部あの人の仕業だったんです。
難波君。
君は病気に対する不安から精神的に参ってた。
悪い夢を見たんだよ。
夢じゃありません。
本当なんです。
信じてください。
先輩。
(吉田)分かった。
(浅川)部長。
あの人どうでした?
(吉田)ああ。
少し取り乱してるだけだ。
休んで落ち着くといいんだが。
(浅川)困った人ですね。
(吉田)あんなやつじゃなかったんだけどね。
ああ。
大河内先生。
はい。
(吉田)君はしばらく彼に会わないようにしてもらえるかな?術後の経過は俺が見るから。
はい。
ご迷惑をお掛けしてすみませんでした。
何か変わったことはありませんか?
(佐々木)親切だね先生は。
それに美人だし。
俺もあと50若かったら。
…なんてね。
(芳賀)難波さん?生きてたんですか?生きてます。
けど…。
(芳賀)どうでした?芳賀さんから聞いた話は本当でした。
あの女は殺人鬼です。
あいつ許せない。
芳賀さん。
大河内葉子の本性に気付いているのは僕たちだけです。
協力してください。
(芳賀)もちろんです。
さすが俺の見込んだ難波さんだ。
(大塚)残念です。
お父さんとはもっと話したかったのに。
葉子さん。
大丈夫ですか?無念です。
(大塚)お父さんを救えなかった責任を感じてるならそれは違います。
寝ますか?
(大塚)えっ?寝ませんか?
(大塚)いや。
えっ?寝るってそれはつまり…。
今日は最後までいいですよ。
(大塚)すいません。
何かちょっとふらっと。
あれ?無念です。
父を殺せなかった。
《お父さん》《神様に会ったら教えてあげて》《自分の娘は悪魔だって》
(当たる音)
(徳広)《お前が子供のときに初めてくれたものだ》《悪魔だと言う割にはまだ甘いな》父親を殺すことで自分の心が何を感じるのか試したかったんです。
なのにそれはもうできません。
お父さんが最期に言った言葉が耳から離れないんです。
(徳広)《悪魔だと言う割にはまだ甘いな》お父さんはどうしてあんなことをしたのか?私に何を伝えたかったのか?どうしても分かりません。
こんなことあなたに言っても分からないですよね?
(衣笠)外しますね。
けさから急に具合が悪くなって。
はい。
ちょっと診ますよ。
順調ですよ。
どんな患者さんですか?
(芳賀)お年寄りですよ。
人のいいじいさんです。
その人に何かしてるかもしれません。
芳賀さん。
注意して見ていてください。
佐々木さん。
腰椎穿刺しようと思うの。
(衣笠)高齢者にはつらい検査ですよ。
本人が長生きしたいって言ってるんだから。
骨髄細胞のデータ詳細取ってくれる?
(衣笠)分かりました。
(衣笠)大丈夫ですからね。
(小早川)取りまとめをお前に一任するんだから。
(小早川)そうそう。
そうなんだよ。
(メールの着信音)
(佐々木)おかげさんで少し楽になりました。
それはよかった。
それをよこせ!何してるんですか!ここの患者に何してる?
(浅川)大丈夫ですか?大河内先生がこの患者に必要のない薬を使ってます。
(浅川)またこの人。
いいかげんなこと言わないでください。
本当です。
そのせいでここの患者の体調が悪くなってる。
こいつを使って殺そうとしているんです。
調べてみてください。
そうすればここの患者の病気に関係のない薬だということが分かります。
(衣笠)これは佐々木さんの治療のために普段から使っている薬です。
最近は大河内先生が回診の際に使用してくださっています。
(畠山)間違いありません。
そんなバカな。
うっ!?
(医師)大丈夫ですか?
(浅川)この人前にもこんなでたらめ言ってたんです。
(畠山)殺そうとしてるなんて言っていいことと悪いことがありますよ。
待ってください。
でもあの人がいろんな患者を殺してるのは間違いないんです。
本当なんです。
僕のことも…。
僕以外にもこのことを知っている人がいます。
芳賀さん。
芳賀さんにここの病室の患者さんのことも聞きました。
まだ証拠はないですけど大河内先生の本性を知っています。
恐ろしい殺人鬼なんです。
いや。
何のことですか?いきなり何を言ってるんですか?殺人鬼とかそんな話したこともないです。
何言ってるんですか?何でそんな嘘を。
(芳賀)ちょっと。
大丈夫ですか?芳賀さん!
(一同)処置室へ運びましょう。
はい。
芳賀さん…。
どうして?また傷が開いたら命に関わるので縛ってもらいました。
それ僕の。
ああ。
ご実家のお母さまにご連絡しておきました。
丁寧に説明したら分かってくれたみたいで。
フフッ。
よろしくお願いしますって心配されてましたよ。
かわいそうに。
お友達にも裏切られて。
これ預かっておきますね。
外せよ。
おい!外せって。
・預かっていたもの返しておきます。
・僕の忠告を聞いてくれてうれしかったです。
私のことをずっと見てた人だから。
(芳賀)やっぱり。
気付いててくれたんですね?誰?あなた。
(芳賀)先生を尊敬しています。
俺人の生き死にに興味があって病院で働きたいと思ったんです。
頭が悪かったので医者は諦めてこの仕事を選びました。
自分の近くで人が死んでいくのを見るのは刺激的でした。
(芳賀)噂を聞いたんです。
ある病院で不審死が続いてるって。
それであの病院に来て探っていたんです。
そしたら驚きました。
こんな美しい人が人の死に手を貸しているじゃないですか。
それで俺もやってみたんです。
(芳賀)《おいしいでしょ?》
(男性)《うん》一度やったらやめられなくなりました。
先生も同じですよね?それで?私に何の用?
(吉田)出張から帰ってきて何が起きたかを聞いた。
すいませんでした。
僕がバカでした。
あした大河内先生に謝ります。
全部僕が見た夢でした。
ごめんなさい。
これ外してくれませんか?痛くて苦しいんです。
お願いします。
(芳賀)先生。
あんな間の抜けた彼氏どこがいいんですか?先生と思いを共有できるのは俺だけですよ。
それを分かってほしかったんです。
私と寝たいの?
(芳賀)取りあえずそれもいいですね。
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じゃあこれを手に刺させて。
(芳賀)フフッ。
フフフ。
大河内先生ほどの人が何でこんなしょぼいことを?取りあえずよ。
早く。
(芳賀)かしこまりました。
私のことよく教えてあげる。
(芳賀)うっ!?
(看護師)どうしました?あっ。
いやちょっと。
小銭落としちゃって。
(看護師)大丈夫ですか?拾いましょうか?いやいや。
もう見つかったんで。
ありがとうございます。
(看護師)じゃあ気を付けてくださいね。
おやすみなさい。
おやすみなさい。
おはようございます。
(男性)おはようございます。
(佐々木)先生。
これは何て薬でしたかね?佐々木さんが元気になるための薬ですよ。
あんがとね。
元気にいられればいいね。
実はね「先生が私を殺そうとしてる」なんて言う人がいるんですよ。
フフッ。
こりゃ傑作だと思って。
だとしたら何か問題でも?えっ?あなたが元気になって誰か喜ぶ人がいるの?いないでしょ?あなたは何の役にも立たない人間。
その辺の虫けらと一緒なの。
虫けらが1匹死んだって世の中何も変わらないもの。
私はホントのことを言ってるの。
あなたの体を使って私が実験をしてそれが他の患者を救うかもしれない。
あなたを役に立つ人間にしてあげたの。
私に感謝しなさい。
フフフ…。
勝った。
勝った。
何てことだ。
これが公になったらこの病院は終わりだ。
でも…。
次の犠牲者が出るまでにあいつを止めないと。
大河内先生を直接糾弾するしかないか。
そうだ。
証人として他の医師や看護師も呼んどこう。
はい。
(吉田)みんな。
難波君の話をよく聞いてほしい。
冷静にな。
僕がここに来てすぐ小林さんという患者が亡くなりました。
亡くなる前に間違った薬を投与するという医療ミスが起きましたよね?その後入院中の女の子がアレルギー発作で死にかけてさらにその母親が階段から落ちて重傷を負うという事故があった。
(浅川)それがどうしたんですか?これらは全て大河内先生の仕業なんです。
(浅川)取り消してください。
あんまりですよ。
部長!動機は分かりません。
いや。
動機なんかないんです。
人が苦しむ姿を見たいがために殺人を繰り返している。
それが大河内葉子という人間なんです。
(浅川)あなた。
葉子さんに命を救ってもらっておいてよくそんなこと…。
救ってもらってなんかない!僕は不要な手術を受けて殺されかけたんだ。
そのときこの人は僕に全ての罪を告白した。
おかしいと思いませんか?担当患者が突然死したり死にかけたり。
これが全て偶然だっていうんですか?
(浅川)ここは病院です。
何が起きたって不思議じゃないの。
その心理をこの人は利用してるんです。
そうして悪魔的犯行を繰り返してる。
今佐々木さんという患者さんが体調を崩したのは人体実験が原因です。
人体実験?証拠があります。
聞くに堪えないあなたのおぞましい言葉です。
先輩。
葉子さん?私は…。
私は…。
難波さんが早く正常に戻るのを願っています。
いいでしょう。
お願いします。
(衣笠)佐々木さん。
お加減いかがですか?
(佐々木)おかげさんで。
大河内先生はいいね。
(佐々木)ますます元気になったようでな。
(佐々木)ああ。
あなたもカワイイんだよ。
(衣笠)気を使わないでいいんですよ。
佐々木さん。
(衣笠)大河内先生には…。
何で?
(衣笠)佐々木さん。
(衣笠)お加減いかがですか?
(佐々木)おかげさんで。
(衣笠)佐々木さん。
お加減いかがですか?消えてる。
何でなくなってるんだ?今のってひょっとして盗聴?先輩。
コピーを。
念のためにコピーを取ってもらいましたよね?みんな。
聞いてのとおりだ。
彼は重い心の病を抱えている。
えっ?何を言ってるんですか?先輩。
録音のコピーを。
コピーなんてものはない。
録音された会話なんてないんだ。
全て君の妄想なんだよ。
事実なのは君が盗聴したという犯罪行為だけだ。
(浅川)部長。
警察を呼びましょうか?
(吉田)いや。
精神科の先生呼んでくれないか?
(衣笠)はい。
先輩。
どうしてこんなことを?
(吉田)難波君。
君は心の病気なんだ。
この病院で殺人など起きていないんだ。
かわいそうに。
ふざけんな!
(一同)ちょっと。
やめなさい。
やめなさい。
難波さん。
(警備員)やめなさい。
やめなさい。
(吉田)副作用は一時的なもので。
ご安心ください。
十分な実験を行って安全は証明されています。
(小早川)おい。
先生にお土産を。
(秘書)はい。
(吉田)いや。
こういうものは。
(吉田)ではありがたく頂戴します。
(小早川)先生は命の恩人だ。
今度厚労省のパーティーがあるんですがよかったら招待状をお送りしましょう。
(吉田)ぜひお願いします。
(渡来)あなたのしたことは許されることじゃありません。
私には勇気が出ませんでした。
だから断った。
そのことは後悔してません。
皮肉ですよね。
許されないことなのにそのおかげで小早川さんは助かった。
だから私は何も知りません。
何も聞いてません。
それでいいですか?いいですよ。
でも…。
さっきあのう難波さんが言ってたこと…。
部長が妄想だって言ってたじゃないですか。
(吉田)大河内君。
早速小早川先生の治療始めてくれ。
分かりました。
このことはくれぐれも内密に。
もちろん誰にも言いません。
渡来先生も吉田先生が関わってることを知りません。
助かりました。
私一人では薬を手に入れられなかったので。
俺は大切な命を助けるために君の提案を受け入れた。
奇麗事では何も変わらない。
君の言うとおりだ。
はい。
(吉田)結果的に俺たちは正しいことをした。
そうやって罪の意識から逃れる人もいるんですね。
下の娘さん。
来年留学するっておっしゃってましたっけ?そのお菓子。
お土産に持たせてあげられますね?ここは?
(相沢)心療内科医の相沢です。
診察の結果あなたには神経の疲労と妄想傾向があります。
違う。
妄想じゃない。
しばらく経過を見させてもらいます。
10日間はこの治療を行うので外出はできません。
僕は正常だ。
心の病なんか持ってない。
こんなの人権無視だ。
あなたがここにいられるのは吉田先生のご厚意ですよ。
普通なら傷害と盗聴で警察に通報してるところだ。
無断で逃げ出すようなことがあったらすぐに警察に通報しますよ。
そんな。
待ってください。
僕の話を聞いてください。
ここから出してくれ。
(相沢)妄想の傾向がある患者は支離滅裂なことを言うことが多いんですが。
あんなに強い意思を持った患者は珍しいです。
慎重に診てあげてください。
相当おかしくなってるみたいなんで。
かわいそうな人なんです。
(大塚)今日はばっちり睡眠を取ってきました。
じゃあ体調万全ですね?
(大塚)万全です。
よかったです。
(大塚)ホントはあきれてるんでしょ?僕だってあれくらいの酒で落ちるなんて。
私が睡眠薬盛りましたから。
(大塚)やっぱり。
何でそんなことを?話を聞いてほしかったので。
話なら起きた状態で聞きます。
聞かれたくない話もあるんです。
葉子さん。
あなたは…。
少しおかしい。
いや。
少しどころじゃない。
相当おかしい。
宮島にしたことだってそうだし僕に薬を盛るなんて異常です。
ようやく分かったんですね?そういうところになぜかたまらなく引かれるんです。
僕と結婚してもらえますか?僕ならあなたのどんなわがままだって許せる。
僕の金だって自由に使ってもらって構わない。
病院を丸ごと買うくらいのお金でも?構いません。
富めるときも貧しいときも…。
お互いに愛し慰め助けその命あるかぎり真心を尽くすことを誓いますか?誓います。
僕たちに貧しいときはありませんが。
その命あるかぎりね。
2017/02/25(土) 23:40〜00:35
関西テレビ1
オトナの土ドラ・真昼の悪魔 #04[字][デ]【「背信」悪魔の囁き…恐怖の人体実験!】
麻酔をかけられ薄れゆく意識の中、葉子(田中麗奈)が難波(中村蒼)に語った衝撃の事実とは?さらに葉子は、無認可の新薬の副作用を調べるため、「人体実験」を目論む。
詳細情報
番組内容
葉子(田中麗奈)の父・徳広(村井國夫)は他界した。その死について疑問を持つ難波(中村蒼)だったが、結局葉子による手術を受けることに同意する。手術室で麻酔をかけられた難波は薄れゆく意識の中、葉子から衝撃の事実を明かされる。難波は恐怖の表情のまま眠りに落ちた。
医局では、患者である大物政治家の症状が改善しないことに担当医の渡来(福田ゆみ)が焦っていた。
番組内容2
そんな渡来の様子を見て葉子は、まだ動物実験の段階で無認可の新薬を投与するよう提案。「効果は間違いない。副作用が怖いなら他の患者で実験すればいい」…まさに悪魔の囁きともいえる葉子の言葉に、渡来が出す答えとは…
手術後、覚醒した難波は突然取り乱す。大学の先輩でもある吉田(鈴木省吾)に葉子が話した内容を伝えるが、取り合ってもらえない。
番組内容3
難波は頼りにしている芳賀(篠原篤)にも、証拠を掴むために引き続き葉子を見張って欲しいと頼む。すると二人は葉子が最近、新たな老人男性患者の病室に頻繁に出入りしているとの情報をつかむ。芳賀からの情報をもとに、病室から出てくる葉子を糾弾しようとする難波だったが、事態は思わぬ方向へと転がる…。
出演者
大河内葉子: 田中麗奈
難波聖人 : 中村蒼
芳賀明善 : 篠原篤
吉田誠 : 鈴木省吾
渡来倫子 : 福田ゆみ
浅川純 : 瑛蓮
大河内徳広: 村井國夫
大塚光 : 大倉孝二
神父 : 伊武雅刀(今回登場なし)
スタッフ
【企画】
横田誠(東海テレビ)
【原作】
遠藤周作『真昼の悪魔』(新潮文庫 刊)
【脚本】
香坂隆史
【音楽】
大間々昂
兼松衆
田渕夏海
【主題歌】
倖田來未「On my way」(rhythm zone)
【演出】
千葉行利
【協力プロデューサー】
市野直親(東海テレビ)
【プロデュース】
遠山圭介(東海テレビ)
高橋史典(ケイファクトリー)
馬場三輝(ケイファクトリー)
スタッフ2
【制作著作】
ケイファクトリー