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書き起こし バリバラ「突撃!障害者殺傷事件」 2016.12.11

怒りの声を上げる障害者たち。
その理由は…相模原の障害者施設で起きた大量殺人事件。
19人もの仲間たちが殺されたからだ。
二度と同じような事件を起こしてはならない。

 

 

 


世間では…。
(スタッフ)あっ分かりました。
すみません。
これだけの大事件にもかかわらず世間の反応は薄かった。
一体なぜなのか?今回「バリバラ」では徹底取材!障害者殺傷事件にさまざまな角度から迫る。
さあ今年ももう12月という事でいろいろとあったと思いますが。
我々「バリバラ」が埋もれさせてはいけないと思っているのが相模原で起きた障害者殺傷事件です。
ねグレース?そうですね。
事件自体すごい根深いのに何かシャッて終わったのがすごく自分としては…。
あの時そこにいたかもしれないとかいろんな事を考えて…。
あの日からずっとモヤモヤし続けている事件なのかなっていうふうに思いますね。
そうですよね。
IVANどうですか?被害に遭われた子たちの名前も分からない性別も分からないどういう状況だったかも分からない。
どこの目線に自分を置いて見たらいいのか多分きっと日本中がそうなってたと思うんですよ。
監督。
今回この事件できれば目をそらしたい。
どっかでその意識があったと僕思います。
だから妙に無関心だったり妙に過剰にね許せないと怒ってる人がいるみたいな何かバランスの悪さみたいなものは当初から感じてましたね。
なるほどね。
重大な事件なのに詳しい事が分からないこの事件この人が事件を突撃取材してくれました。
誰!?事件の事を知りたいとリポーターを買って出た男それは…。
どうぞ!いつもは陽気なけん太。
しかし今回容疑者の差別的な発言に怒っていた。
障害者は不幸を作る事しかできないと主張した容疑者。
まずは事件が起きた施設に向かってみる。
4か月前事件が起きた津久井やまゆり園。
今でも献花に訪れる人は絶えない。
その時…。
施設から利用者と見られる人が出てきて散歩していた。
早速突撃取材!更に…。
なかなか話は聞けそうにない。
ならばと直接施設に取材を申し込んだ。

 

 

 

 


1週間後施設からまだ検証作業が続いているので取材に応えるのは難しいという回答が来た。
なんとか施設の様子を知りたい。
こんばんはどうも。
よろしくお願いします。
訪ねたのは元職員の西角純志さん。
今回殺害された19人のうち6人のケアをしていたという。
西角さんが取り出した本には利用者たちが芋掘りをしている写真が載っていた。
亡くなった人の中には施設と地域とをつなぐ懸け橋だった男性もいた。
初めて知る被害者の様子にけん太は…。
19人が殺され27人が重軽傷を負った今回の事件。
被害に遭った人たちは今どうしているのか。
事件で重傷を負った人の家族が取材を受けてくれた。
尾野剛志さんと妻のチキ子さん。
息子の一矢さんは首や腹など4か所を刺されたもののなんとか一命を取り留めた。
5針…。
尾野さんたちが駆けつけた時医師から命の保証はできないと言われたという。
一矢さんが意識を取り戻したのは事件翌日の昼だった。
一矢さんは現在県内の別の施設で暮らしている。
尾野さんたちは週に1度一矢さんの好物を作って会いに行く。
その貴重な時間同行取材をさせてもらった。
息子の一矢さん。
知的障害で自閉症とてんかんがある。
事件後車いす生活を送っていたが最近ようやく歩けるようになった。
しかし事件の傷が完全に癒えた訳ではない。
じゃあ何食べるの?何も食べない?チョコレートは?おしまい?おしまい?お腹いたいの。
事件後一矢さんの食欲は激減している。
手術の痕が痛々しい。
刺されたのはへその上の方…。
はいはいはいはいおしまいね。
事件の事を聞いていたその時…。
うんそうだね。
寝込みを襲われた一矢さん時々パニックに。
バイバ〜イ。
バイバ〜イ。
けん太にとって分からない事だらけだったこの事件。
少しだけ手触りのある取材となった。
リポートしてくれたのはけん太君。
どうでしたか?一矢さんですけども一矢さんはもうカラオケが大好きで。
カラオケが大好きっていう情報も入手した?僕もカラオケも結構好きですけども僕はね障害者は友達もつくれるしみんなもしゃべれるしだからみんなでフレンドリーにしようと思ったんです。
なるほど。
ちょっと佐江ちゃん今の聞いてどうですか?被害者に遭われた方々じゃなくてやっぱり容疑者をフィーチャーしたニュースがすごい多かった気がしたんですよね。
だからけん太君の話を今聞いて初めて聞く事がたくさんあるし。
こうやって今けん太君がいってくれて今これを見て私はすごくもっと内部事情を知りたいなってすごく思いましたね。
だって畑で芋を作ってるっていう。
そこだけでも報道と実際どういう人が生活されてたんかっていうところの乖離っていうか差があるよね。
とても刹那的になってる訳ですね報道が。
という事はきっとみんな見てると思うのは彼が容疑者が運ばれる逮捕されて護送される車の中で笑ってる映像。
思い出す。
すぐ思い出せる。
ああしたある意味で異常な攻撃的なそういった要素はどんどん使う訳ですよ。
その結果どうなるか。
モンスターになる訳ですよね。
結局理解不能なモンスターがやった事件だ。
でまあ大体使われるのが闇とかブラックボックスとかね。
もう常套句です最近は。
今回何か他人事っていう空気とか冷たい社会の空気があった。
そんな中でねそれだけじゃなくてあの容疑者の気持ちに共感できるっていうインターネットの中ではそういう声も出てきたりなんかしてね。
インターネットを見た時に容疑者の意見というか介護はしんどいとかやっぱそういう言葉が出てきて苦しいなって思って。
苦しい…。
そんなんじゃないって頑張らなきゃいけない時期がありましたねやっぱ。
それぐらい結構来るものはありましたね。
事件発生以降番組には500通以上のメールが寄せられています。
その中には容疑者の意見に賛同する声もありました。
その一つ30代の男性からのメールです
こんにちは。
こんにちは田中です。
メールをくれた田中さんです。
日頃抱いている疑問を話し合いたいと対談に応じてくれました。
なぜ田中さんは容疑者の考えに共感したのか。
玉木さんはまずその真意を聞く事にしました
生産性の低い障害者は社会に貢献していないという田中さん。
それに対し玉木さんはある問いかけをしました
そうですね何か…。
それはスッキリしたわ。
田中さんの考えの背景には個人の意思よりも全体の都合を優先する日本社会の在り方が関係していました
ちょっと今思いました。
ほんなら結局…
番組に届いた容疑者の考えに共感するという声。
実はその中には障害者自身からのメールもありました
こんにちは。
初めまして。
メールをくれた…
なぜ障害当事者である大村さんが容疑者の考えに共感するのか聞く事にしました
なるほどね。
グレースどうですか?田中さんのところでは表に出てきてない思いを素直に言ってくれていたのかなっていうふうに思いましたね。
田中さんねある大きな会社で正職で勤めてるけどいつクビ切られたり分からへんから一生懸命やってるっていうのがすごく伝わってきて…。
しんどい時には「しんどい助けて」って言える社会ではやっぱしまだなってないんだね。
なってないな。
真希ちゃんどうですか?私は大村さんの主張がすごく悲しくって。
悲しかった。
私もできない事があってシュウさんにもきっとできない事があってできないところを周りの支えで埋め合って生きていくのが社会でありたいし社会だと思うので前向きにポジティブになってほしいなと思いましたね。
なるほどね。
このVTRをご覧になって森さんどうでしたか?お二人とっても真面目なんですよね。
で例えばネットなんかでね容疑者の思想に共感したとかね障害者なんか社会から要らないって事を書いてる人がもしいたとして…いる訳ですよね。
多分これ書いてるやつはキーボード打ってる人はニヤニヤ笑いながらやってんだろうと僕らはイメージしちゃうけれどもしかしたら…そういう人もいるかもしれないけれどもっともっと多くの人は本気でそれを書いてるのかもしれない。
真剣に考えながらね。
という自分の中での意識も変わりました。
私今の対談を見させてもらって思ったのがどちらも思ったのは私腹くくってるなって思ったんですよその生き方に。
要は社会に対してのもう変な冷めた目じゃないけどこうしとかないともうだってどうにもできないじゃんみたいな。
日本社会っていう背景がすごく2人の意見と容疑者の心境にすごい私はリンクしたんじゃないかなと思って。
ただ例えば田中さん社会貢献ができなければ生きる価値はないと。
社会貢献が前面に来てる訳でしょ。
それは勘違いですよ。
いいんですよ社会貢献なんかしなくても。
できる人がやればいいんですよ。
でもやっぱりその辺で真面目だからこそ多分社会貢献しなかったら生きる意味って何なんだろうと彼はきっと考えちゃうんでしょうね。
やっぱみんなこう…自分もせっぱ詰まってて他人を思いやる余裕もないから他人を攻撃しちゃうっていうところがあると思うんですけど。
何でしょうねどう…。
あれやろ?ヘイトスピーチやってる人の気持ちとかよく分からんやろ?全然分かんないです。
だから逆に俺は分かりたいと思う訳。
「どうしたん?どうしたん?どうしたん?」っていう。
不安だから仲間が欲しい訳ですよ。
同じ仲間で連帯したくなるんです。
一人が怖いんですよ。
同じ仲間で連帯する時に同じじゃないやつは排除したいと。
なぜなら排除する過程で自分たちは連帯できる訳ですよ。
ある意味での差別的な社会っていうのはもう日本だけの問題じゃない。
世界的に広がってますよね。
だからこそ肯定的に私たちは生きる権利があるっていう事を伝え続けていく。
「どうしてそう思うの?私はこうだけど」っていうふうに向き合っていく事が結果この事件のような事を起こさない事につながっていくのかなっていうふうに思いましたね。
きれい事じゃないねんって。
しんどい事も痛い事も苦しい事もいっぱいあってそれでも命は生き続けてるんやでっていう事をやっぱ僕らは語りかけていかんとあかんかなって思う。
ず〜っとやっていかなあかんね。
僕らはどんどんこういう話していこうと思っておりますのでよろしくお願いしますこれからもね。
2016/12/11(日) 19:00〜19:30
NHKEテレ1大阪
バリバラ「突撃!障害者殺傷事件」[解][字]

19人が殺害された相模原障害者殺傷事件から4か月あまり。どんな人が犠牲になったのか?「障害者は生きている意味がない」と犯行に及んだ容疑者の言葉の背景には何が?

詳細情報
番組内容
19人が殺害され26人が重軽傷を負った相模原障害者殺傷事件。「重度障害者は生きている意味がない」と犯行に及んだ容疑者に対し、障害者たちは、怒りの声を上げている。しかし事件は早くも風化し始めている。犠牲者は匿名発表され、障害の程度や暮らしぶりなどがわからない状況が続いているからだ。番組では、障害のある当事者がリポーターとなり、事件の深層に迫るとともに、容疑者に共感するという人々の実像を探る。
出演者
【ゲスト】宮澤佐江,IVAN,ドキュメンタリー作家…森達也,【司会】山本シュウ,【コメンテーター】障害者総合相談支援センターにしのみや…玉木幸則,【リポーター】あべけん太,【出演】大橋グレースほか