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字幕書き起こし バカリズム脚本『黒い十人の女』「十人の女、全員、現る」 2016.10.27

(真衣)いらっしゃいませ。
お待ちしておりました。
そうですね結婚2年目あたりからなんていうかほら男女の関係がなくなってきて今はもう全く女性として見られてませんね。
どうやら外に若い女の子がいるっぽいんですよね。
ちなみにここだけの話私もしてるんですよ。
ええ…しかも旦那の仕事仲間なんですよ。
ちなみに…彼も既婚者なんですよ。
10股不倫プロデューサー風松吉
現在7人の個性的な愛人が発覚
(佳代)仲良くした方が幸せじゃない?私だけにしたら?
(久未)もうヤダー!付き合っちゃおうかな。
会いたかった!お互いがんばろ。
そして…
W不倫です。
今宵すべての愛人が登場!
この男の何がいいのか…
《すべては半年前のあの日から始まりました》ちょっと注意して…《女同士の罵り合い》あ?
(美羽)あ〜?《知らない女への土下座》崩壊よ〜!《オナニー劇団の観劇》
(夏希)このオナニー劇団ガマン汁が〜!《女同士の罵り合い》ガマン汁だぁ〜?《他にも挙げればきりがありません》何かもう色々あり過ぎて疲れた。
(彩乃)不倫?《そして今日私は不倫を卒業…》《するって決めたのはいいけどいつ言おう》《やっぱり直接言った方がいいよね。
…ていうか別れたいって言ったらなんて言ってくるかな》《絶対ないとは思うけど奥さんとも他の愛人とも別れるって言ってきたらどうしよう》《あと多分ないとは思うけど奥さんとは別れなくても他の愛人とは別れるって言ってきた場合はどうしよう…》《てかないとか言いながら何ちょっと期待してんの私》《ダメダメダメダメ何を言われても絶対別れる》《あ〜早く新しい彼氏できないかな〜独身で一途で私より背が高くてそこそこ収入もあってマメで車持ってて…あ》おはようございます。
《志乃ちゃんごめん私先に降りるね》何がごめんかはわからないけど。
ううん気にしないで。
私も夏希ちゃんの立場だったら取り乱しちゃったと思うし。
うん…うんそう思ってくれただけで嬉しいよぉ。
誰も悪くないしさ…そう悪いのはあの男だからさ。
まあまた今度ゆっくりご飯でも行こうよ。
あ撮影よろしくね…は〜い。
(風睦)ねえ夏希ちゃんってさっき言ってた脚本の?そう。
あんかけ焼きそばの?そう。
《確かに冷静になって考えてみれば悪いのは全部あの男。
人が徹夜で脚本書いている間にあの男は他の女と…ああああ〜…!》《偉くなってやる。
ヒット作バンバン書いて偉くなって見返してやる。
橋田壽賀子クラスの大物脚本家になってイケメンはべらせてその時にはジジイになって誰にも相手にされなくなってるあの男を見返してやる!》《あ待って。
あの男がジジイになってる時には私もそこそこババアじゃね?…ていうか大物脚本家になったらイケメンはべらせられんの?》《それっぽいの全然でてこない…》はぁ〜…。
《ちなみに私は今そこそこ売れてきてるけどイケメンどころか既婚者のおっさんプロデューサー1人にしがみついてる状態…》無理じゃね?おはようございます。
(志乃)おはようございます。
(沙英)志乃ちゃんこれ新しい台本と来週のスケジュール。
確認しといて。
は〜い。
《来週からいよいよ撮影か…どういう顔して現場行けばいいんだろ。
あ〜超憂うつ》《結局このあいだはうやむやのまま別れたけど》
(志乃)自分だって不倫してたんじゃないですか。
同じ人と。
敵だから蹴落とそうとしてただけでしょ!
(美羽)志乃ちゃんはうちらとリスクの大きさが全然違う。
これから始まるドラマだってもしかすると打ち切りになるかもしれないでしょ《あのババア嫌がらせとかしてこないよね》《まあさすがにそれはないか。
ていうかおしっこ行きたい》ちょっとトイレ行ってきます。
《ババアだ。
うわ気まずい…どうしよ…向こうがどんな感じでくるかだよな…さすがに局の廊下でこの前の話はしてこないとは思うけど。
でも他に誰もいないからな…》《あ気づいた。
…ええ挨拶はどうしよう…》《こっちはそっち次第だけど…え〜やだ何これ気まずい逃げたい》志乃ちゃんお疲れさま〜!あお疲れさまです。
《わ普通》今日撮影?はい。
そっかそっか。
あCM新しいバージョンになってたね。
あそうなんですよ。
ね〜。
前のも好きだったけど新しいのもすっごくいいね。
うん…ありがとうございます。
あ〜次のドラマ楽しみだなぁ。
はい私もです。
あ引き止めちゃってごめんね。
あいえ。
じゃあまた。
はい失礼しま…。
《わ〜…変な汗かいた。
すごいあの人超普通に振舞ってきた。
ていうか挨拶だけじゃなくちょっとしたミニトークまでしてきた》《なんか普通すぎて逆にこわい》《あ〜緊張した…無理してたのバレてないよね》
(ノック)
(沙英)は〜い。
お疲れさまです。
お疲れさまです。
今後のスケジュールのことで話したいんですけど撮影終わったらでいいんでちょっとお時間頂けますか?はい大丈夫です。
(美羽)お願いします。
失礼しま〜す。
はい。
(美羽)他にも男いるよ
(浦上)誰?風さん。
不倫…
(浦上)《自分で言うのもあれだけどこの人より俺のほうが若いし見た目もいいし仕事もできるし正直男として負ける気がしない》《それなのになんで志乃ちゃんはこんな男と…》
(風)はいどうぞ。
いや〜最近忙しそうだね。
はいおかげさまで。
フフ…でなんか話があるんでしょ?はい。
何何?志乃ちゃんとはどういう関係ですか?志乃ちゃんって相葉志乃ちゃん?はい。
どういう関係って?付き合ってますよね?誰に聞いたの?知り合いに。
知り合い?はい。
そっか…付き合ってる。
フフ…。
そうですか…。
別れてもらえないですか?えなんで?風さんには奥さんがいますよね。
いるよ。
だったら別れるべきじゃないですか?どうして?不倫だからですよ!僕は別に不倫だなんて思ってない…。
不倫じゃなかったら何なんですか?恋愛。
それを世間では不倫っていうんですよ。
そっか…じゃあまあそれはそれでいいや。
でもさ何でそれを君に言われなきゃいけないの?え?うちの奥さんとかね志乃ちゃんが言ってくるんならわかるよ。
でも何で久しぶりに会ったしかも違う部署の後輩の君に言われなきゃいけないんだ?おお…何だ。
僕は志乃ちゃんと付き合いたいと思ってます。
好きなのか志乃ちゃんの事が。
はい。
僕も好きだよ。
好きだよって…奥さんいるじゃないですか。
いるよ。
奥さんには悪いと思わないんですか?いや僕が奥さんに悪いと思うか思わないかなんて君には関係ないだろ?志乃ちゃんがかわいそうだとは思わないんですか?それも彼女と僕の問題で君には関係ないんじゃない。
関係ありますよ。
なんで?僕が志乃ちゃんを好きだからですよ。
志乃ちゃんは君のこと好きなの?はい。
付き合ってるのか?まだちゃんとはっきり付き合おうって言ったわけじゃ…。
じゃ付き合ってないんだね。
いやでもほとんど付き合ってるみたいな感じですよ。
こないだだってうちに…。
付き合ってないんだ。
僕は付き合ってるよ。
不倫ですよね?それは関係ないよ。
関係ありますよ。
なんで?そんなのまともな恋愛じゃないじゃないですか。
えまともな恋愛って?だから互いに一人の相手をちゃんと愛することでしょ。
いやいや…それは君の思うまともな恋愛だろ?世間一般の常識ですよ。
常識か…。
じゃあまそれはそれでいいや。
でもさだとすると僕と付き合っていながら君のことを好きになった彼女はまともじゃないって事になっちゃうよね。
そしてひとの彼女を奪おうとしている君の恋愛もまたまともじゃないよな?だから風さんに別れてもらって2人でまともな恋愛するんです。
志乃ちゃんは僕と別れたいって言ったの?いえ。
え?え〜…じゃあ君が自分でそう思ってるだけなんだ。
そうです。
じゃあ別れないよ。
どうしてですか?君に言われる筋合いがないからだよ。
彼女は悩んでるんです。
何を?不倫をしてることですよ。
彼女がそう言ったの?それも人に聞いたんだ。
あのさ彼女が君に相談したんだったらともかくそうじゃないんだから。
これはやっぱり君には関係のない問題なんだよ。
関係あろうとなかろうと自分の好きな子が不倫をしてたらとめようとするのは普通のことでしょ!じゃあ彼女を説得すればいいだろ。
え?この話彼女には言ってないんだろ?いやだから…。
言えなかったんだよな?まだ彼女がどれほど自分を好きかもわからない状態でいきなり頭ごなしに不倫をやめろなんて言ったら今の関係すら崩れてしまうかもしれない。
そう考えたからだ。
だろ?あれ?だから君は彼女じゃなく不倫相手の僕のほうに別れてくれとお願いをしてきたわけだ。
なぜなら今のご時世ドラマのPが女優と不倫をしてるなんてことになったら社会的に抹殺されても仕方のない行為だからね。
まあ君は君で正義とやらを盾に堂々と僕を責めることができるわけだし。
僕もさすがに「う〜んこれは別れを選ぶしかないか」とそう思うんじゃないかと考えたからだ。
だろ?でもさそれってお願いっていうより脅しだよね。
違いますよ。
違わないよ。
だってこれが不倫じゃなかったら君は僕にこんなこと言ってこないだろ?好きになった女の子にさ彼氏がいたらその彼氏のほうに向かって「おい別れてくれよ」なんて言う?普通は言わないよね。
言っとくけどさ君が好きになった子に彼氏がいるっていう問題とその子が不倫をしているっていう問題これは全然別だからね。
切り離して考えるべきだよ。
志乃ちゃんが僕と付き合って君とは付き合ってないのは単純に彼女が君より僕のことのほうが好きだ〜っていうだけで不倫は関係ないんだ。
だから僕に不倫をやめろと言ってくること自体そもそも論点がずれてるんだよ。
それでも君がどうしても別れて欲しいって言うんだったら君が僕以上に彼女から好かれるしかないと思うよ。
というわけで僕は彼女とは別れない。
以上。
じゃあね!バラしますよ。
バラすって?会社やマスコミに。
どうぞご自由に。
いいんですか?それで君の気がすむんだったらね。
全て失いますよ。
失うだろうね。
いいんですか?やだよ。
じゃあ何で別れないんですか!彼女のことが好きだからだよ。
は?少なくても君よりはね。
《正義を盾にしていたのに言い負かされてしまった》《だけどあの人がモテる理由がなんとなくわかった気がした》《まあ最後の言い方は何かキメにきた感じがしてちょっとぞわっとしたけどね》あっ…。
久未ちゃん!今から休憩?うん…。
そっかそっか。
じゃまたね。
ねえ。
ん?今日何時に終わる?今日?今日はさ仕事自体はそんなに遅くないんだけどその後予定入れちゃったんだよね。
そっか…。
どうして?ちょっと話があって。
うん何?今少し時間ある?ん…?それは佳代ちゃんが悪いわ。
そうかなぁ。
言っても全員恋敵なわけなんだからさそんな急に集めて仲良くしろなんて無理無理。
だって…どうせ何言ったってあの男には全く響かないしこっちから別れたところで平気な顔して次から次に女つくっちゃうんだしだったらせめてうちらは仲良くしたほうがいいかなぁと思ってさ。
気持ちは分からなくもないけどね〜。
この気持ちが分かる睦さんも異常だけどね。
だって!あんな旦那がいたらそうもなるわよ〜。
だいたい睦さんが悪いんだよ。
私のせいなの!?そうだよ。
睦さんがしっかり首輪をつけとかないからあんな不倫モンスターが生まれちゃうんだよ〜!言ってることは分かるけどそれを愛人の佳代ちゃんがあたしに言うのはおかしくない?うんおかしい!でしょ?それにしたって9人も愛人つくられてんのに許しちゃう奥さんなんてどこにもいないよ?別に許してるわけじゃないけどやめろって言ったところで意味ないんだもん。
確かにね。
ねえところで睦さんってさ9人全員のこと把握してるの?まあ…一応ね。
そうなんだ。
えっとね…。
メモってんの?一応ね。
へぇ〜。
あこれ。
なるほど…。
こうやって見ると9人って異常だね。
野球のスタメンみたい。
確かに。
っていうか知ってどうするの?どうするって事もないんだけど一応知っておきたくて。
撮るんだ…。
(シャッター音)ホントは仲良くしたいんだけどね。
全員と?うん。
言ってみればこれ被害者の会みたいなもんだからさ。
確かにね…。
え?いやいや…一番の被害者は私でしょ?そっか。
あそういえばこないだ2番と9番が来た。
え?美羽ちゃんと久未ちゃん?えっそうなんだ。
うん美羽さんってお子さんいるんだってね。
そうそう確かね旦那さんを早くに亡くしてるんだよ。
みたいだねぇ。
だったらなおさらあんな男から離れたほうがいいんだけどね。
ねぇ。
でもそう簡単にはいかないんだよきっと。
なんでだろうね…。
ねぇ〜今何してるんだろ〜。
仕事中かな?
(電話の呼出音)え?呼ぼうとしてる?うん。
…なんで?いや睦さんと美羽ちゃんには仲良くなってほしいんだよね。
そっか…。
え?なんで?あ!もしもし?美羽ちゃん?ん?今ですか…?今は仕事中ですね。
え?あ…今睦さんの所ですか。
あそうそう!睦さんに他の愛人教えてもらったよ。
そう全員!まあなかなか難しいかもしれないけど私としては仲良くしたいしとりあえず1回集まりたいよね。
だってケンカしても意味なくない?でしょ?うん。
え…?うん教えるのは…大丈夫?教えちゃって。
私は構わないけど…。
大丈夫だって。
でも聞いてどうするの?いや私も仲良くできるならしたいですよ。
そうです。
で…誰ですか?はいあ…ちょっと待ってくださいね…はい。
はい…。
はいはいはい…。
ねぇ全員の名前なんか教えたりして大丈夫なの?なんで?いやだって私はどうこうするつもりがないからいいけど揉めたりしない?大丈夫でしょ別に。
それならいいけど…。
美羽ちゃんもみんなと仲良くしたいんだって。
そうなの?うん。
ならいいけど…。
久未ちゃんも呼ぼう。
どうしたの?こんな人気のない所で。
あのね色々考えたんだけどね…。
おう。
(携帯のバイブ音)ごめん。
どうぞ。
(携帯のバイブ音)
(携帯のバイブ音)《ごめんなさいもう会うこともないんで》
(携帯のバイブ音)ごめんね。
大丈夫なの?うん大丈夫。
で話って?あのね…別れてほしいんだよね。
え?やっぱり私10分の1はやだ。
そっか…。
そらまあそうだよね。
うん。
わかった。
え?わかった。
そっか…。
今までありがとうね。
こちらこそありがとう。
さよなら…。
さよなら。
え?何その感じ。
ん?何が?いや…何か…ううんもういいよ!そっか。
うん…。
もう連絡先も消すから。
うん。
私のも消してね。
わかった消す。
連絡してこないでね。
しない。
何それ!?何が?いや…何かその感じ。
どの感じ?なんかすごいあっさりしてるけど。
そうかな?10人が9人になるだけだから痛くもかゆくもない?そんなことないよ。
チョー悲しいよ。
私にとっては1人だったんだからね。
いや俺にとってだって1人だよ。
ハァ?10人でしょ?久未ちゃんは世界に1人でしょ。
何それ!?だってこのまんま久未ちゃんと別れちゃったらもう久未ちゃんには会えないんだよ?久未ちゃんは久未ちゃんでしょ代わりはいないよ。
よくわかんない。
とにかく悲しいよ。
じゃあなんでそんなにあっさりしてるの?えっしてる?うん。
そんなつもりないんだけどなぁ。
じゃあどうだったらいいの?いやぁ…何かもっとこう…別れを告げられてるんだからさもっと悲しそうな表情しても良くない?ああ…。
でも悲しそうな表情したら別れるのやめてくれるの?やめないよ。
でしょ?だったら意味なくない?いやそうだけど…何かもっとこう…あるじゃん。
何が?諦めるのが早いっていうか…。
だってさ別れを告げたってことはだよもう僕から気持ちが離れちゃったってことだろ?だったら諦めるしかないじゃない。
違う?ほんとに気持ちが離れたと思ってるの?うん。
えっ?離れてないの?離れたよ。
でしょ?だったらジタバタしたって仕方ないじゃない。
離れてないよ。
離れてないの?ホント?だったらなんで別れるなんて言うの?離れてないのに。
そうだ!なに?来週どっかで暇な日ない?え?ご飯食べに行こうよ。
何言ってんの…。
だってほら〜まだお誕生日のお祝いしてないだろ。
何が食べたい?火鍋。
オッケー!じゃあね。
じゃあね〜。
《こうして私は不倫を留年した》
(美羽)とりあえずそんな感じでお願いします。
(沙英)はいお願いします。
あと…実はもうひとつお話がありまして。
はい。
志乃ちゃんのプライベートのことなんですけど。
志乃ちゃんのプライベートのことなんですけど。
(沙英)あの子何かしでかしましたか?
(美羽)いやあの実は…志乃ちゃん今…不倫してるんです。
え…!?相手は誰ですか?それが…うちのプロデューサーの…風なんです。
こちらとしては本当に申し訳なくてそちらの大事な女優さんに手を出してしまいしかも不倫だなんて…。
本当に申し訳ありませんでした!あいえ…。
志乃ちゃんいい子だし女優さんとして将来がある子だし。
何とか大ごとになる前に手を打ちたいなぁと思ってまして。
そうですよね…。
ただ私も別れさせてあげようと思って説得はしたんですけどなかなか難しくって…。
そうなんですか…。
あ志乃ちゃんのこと責めないであげてくださいね。
あくまで悪いのは風なんですから。
それに…長谷川さんも人のこと言えませんもんね。
え?君がどうしても別れてほしいって言うんだったら君が僕以上に彼女から好かれるしかないと思うよ志乃ちゃん。
なに?あのさ…。
(志乃)うん。
こんなタイミングで言うのも変なんだけどさ…。
なに?あの…。
あちょっと待って。
え?あの…俺と付き合ってください。
え…?いや前から言おうと思ってたんだけどなかなかタイミングが難しくてさ。
そっか…。
あのさ…。
うん。
少しだけ時間もらえない?わかった待つよ。
今ね色々とバタバタしてて落ち着いたら…。
風さんのこと?えっ!?バタバタしてるって。
え…誰から聞いたの?誰って言うか…。
美羽さん?ごめんなさい…軽蔑してるよね。
軽蔑してたら付き合おうなんて言わないよ。
(志乃)でも怒ってるでしょ?内緒にされてたことに関して言えば怒ってないかって言ったらウソになるけどでも俺たちまだ付き合ってるわけじゃないし怒るのも違うかなと思って。
そっか…ごめんね隠してて。
(浦上)それはもういいよ。
良くないよ。
いいってば。
今までのことはもういいから早く不倫なんかやめてちゃんと付き合おう。
志乃ちゃんがどんだけあの人の事好きなのか知らないけど不倫なんかしてたって絶対幸せになれないんだからさ。
わかってるよ。
わかってないよ。
わかってるってば。
わかってないじゃん!わかってないから別れられないんでしょ!もお!わかってるって言ってんじゃん!そんなことはもうずっとわかってんの!わかってるけどどうにもならないから悩んでるんでしょ?わかってるからって簡単に別れられるならこの世に不倫なんか存在しないよ!わかってるけど別れられないのが不倫なの!何も知らないくせに偉そうなこと言わないでよ!《やっぱりこうなるか…こりゃ完全に嫌われたわ》いえいえ…別に謝ることじゃないですから。
好きになったら仕方ないですよね?すみません。
(美羽)ちなみに風とはいつからですか?8ヶ月ぐらい前からです。
ああ〜けっこう最近なんだ。
はい。
ちなみに他にもいるのはご存知ですか?愛人がですか?そうです。
いや他にもいるのかなぁとは思ってたんですけど怖くて聞けませんでした。
なるほどねえ。
他にもいるんですね。
ええ…9人。
え?全部で9人おります。
え〜っ…。
ちなみに…私もです。
え?すいません。
ちなみにもう5年くらい。
そうなんですね…。
《簡単に別れられるなら不倫なんて存在しないか…》《なんか勢いで降りちゃったけど全然タクシー通らない。
失敗した…とりあえず乗っておけばよかった》《あ〜あもう浦上さんとは無理かな…嘘ついてたし不倫だし嫌われちゃったよね。
ていうかあのババアマジでムカつく》
(車の音)《あ来た!なんだかんだ言って心配して戻ってきてくれるんじゃん。
優しい》何?乗って。
《やった。
でもここですぐ乗るとかっこつかないから…》なんで?《と一旦渋ってみる》いいから乗って。
《そうそうやってちょっと強引に言われると…》うん。
《乗りやすい。
ありがとう》手を組む…というのは。
いやまあ手を組むって聞くとちょっとあれですけど要は志乃ちゃんには別れてもらった方がいいと思っててこれはドラマスタッフとして…。
だって万が一バレたら大変じゃないですか。
そうですよね…。
女優さんだし私たちとはリスクの大きさが違うと思うんですよね。
事務所的にも絶対その方がいいですよね?まあはい。
しかも愛人的にも10分の1が減るならば願ったりかなったりですよね?はい。
私たちは恋敵ですけどこれに関しては利害が一致しているのでそういった意味でも手を組みませんか?っていうことなんです。
《なんだかんだ言って私のこと好きなんだもんね》ねえ。
ん?さっきの話なんだけど。
何?あちょっと待って。
え?あのささっきの別れられるなら別れたいよとか言ってたくだりなんだけどさ。
何?なに言ってんの?は?別れたいけど別れられないんじゃなくて別れられるのに別れないだけでしょ。
え?なんかドラマのヒロインみたいな言い方でしれっと正当化してるけど不倫は現象じゃなくて行為なんだよ。
わかる?は?
(浦上)まるで不倫という現象に巻き込まれて抜け出せなくなってたみたいな言い方してるけどさ。
別にそんな言い方…。
君は自分の意思で既婚者と付き合って自分の意思で相手の家庭を不幸にしてるんだよ。
それが不倫っていう行為なの。
最初は結婚してるなんて知らなかったの…。
最初はそうかもしれない。
だけど既婚者と知ってからは君次第でしょ。
別に私だってしたくてしてるわけじゃない…。
もちろん一番悪いのは奥さんがいるのに君を誘った風さんだよ。
だけど決して君は被害者ではない。
れっきとした加害者だよ。
加害者のくせに悲劇のヒロインづらするのはやめた方がいいでしょ。
カッコ悪いでしょ。
滑ってるでしょ!もおお!なんで付き合ってもない人にそんなこと言われなきゃいけないの?マジでうざい!うざいのは図星だからでしょ?正論突きつけられて自分が間違ってることを明白にされることが恥ずかしいからでしょ?悲劇のヒロインでいられなくなるからでしょ?滑ってるからでしょ?うるさい!大嫌い!え?
(浦上)降ろさないよ。
は?何言ってんの?逃がさないっつってんの。
こんなところで感情的になって降りちゃうことで自分が滑ってるっていう現実をうやむやにしつつ降りられたこっちの後味まで悪くしてやろうっていう魂胆だろうけどそうはいかないよ。
そんなこと思ってませんけど。
ただ一緒にいたくないだけなんですけど!正論でしかないからでしょ?はあ?とにかく君のことは責任を持って家まで送り届けるから。
何言ってんの?降ろしてよ。
降ろさないよ。
あ〜もうマジでキモいんですけど。
キモくても正論ですけどね。
あ〜なんなのもう大嫌い!どんだけ嫌っても僕が正論なのは揺るがないしそんな僕の車に君は送り届けてもらうんだよ。
ん〜マジでうざい!どんだけうざがっても君は見事に送り届けてもらうんだよ。
あ〜もう降ろしてよ〜!マジで最悪!もうありえないし意味わかんない!《…とか言ってるけどなぜかこの感じの浦上さんに少しキュンとしてしまっている自分がいる。
なにこれ。
私М?》じゃあまた連絡しますね。
はいお疲れ様でした。
お疲れ様でした〜。
ええ一度お会いできたらなあって思って…。
もちろん別にことを荒立てようなんて気はさらさらなくて…。
ただ一緒にお酒飲みながら風の愚痴でも言い合えたらなぁって…。
情報交換もできるし。
今どちら?あお仕事終わったところ?じゃあ私職場の近くまで行きますよ。
ええもちろん私1人。
(火山)何話ってキャスティングのこと?いや…プライベートに関することなんですけどね。
(火山)プライベートって何?
(美羽)実は言いにくいんですけど…。
(火山)なんだ?怖いなあ。
火山さんの奥さん…真衣さんですよね。
そうだけど…なに?真衣さん…不倫してますよ。
は?誰からの情報?不倫相手の奥さんです。
そっか…。
あとこれも言いにくいんですけど。
なに?真衣さんの不倫相手…風さんです。
ええ…。
あちなみに風さんは真衣さんが火山さんの奥さんだっていうことは知らないっぽいです。
なるほど…。
真衣さんどうやら風さんには旧姓で名乗ってるみたいで火山さんの奥さんっていうことは隠してるみたいです。
(火山)教えてくれてありがとう。
いえいえ…ショックですよね?
(火山)いや…ぶっちゃけそうでもない。
え?って言うかいいこと知ったって感じかな。
そうなんですか?実はここだけの話さあいつとは離婚したいと思ってたんだよ。
えっ?いや別に何か大きな問題があったわけじゃなくてさ単に愛情がなくなっただけだからでもそんなんで離婚するってなると色々大変でしょ?まあ…。
だけど向こうが不倫してるってなると話は別じゃん。
そうですね…。
こっちが圧倒的に優位な状態できっぱり別れられるからさ。
正直棚から牡丹餅だよ。
ああ…。
(火山)いい情報ありがとう。
もし慰謝料もらえたら何かご馳走するから。
はい…。
何がいい?じゃあ…火鍋。
オッケー!《違う!思ってたのと違う!》《ほんとにただ送り届けられただけだった…》《で今ってどういう状態?もう会わないってことだよね?でもはっきりと言ってないしな…え?どっち?もうこういうのすごいもやもやする…っていうかあのババアマジで許さない》
(携帯の着信音)ん?もしもし?ねえ夢さん聞いて〜。
あのババアマジで最悪。
うん…今から?うん大丈夫だよ。
うん…だってなんかすごいあっさりしててさ悔しくなっちゃって…。
うん。
はぁどうしよう。
やっぱり私別れらんない。
ねえ彩乃今何してる?飲みに行かない?そっか…ううん約束があるなら仕方ないよ。
うん…じゃあまたね。
あ合コンはまたお願いします。
うん…は〜い。
《1人で飲むか》
(店員)いらっしゃいませ。
お好きな席どうぞ。
あはい。
あれ?あっ!久未ちゃんこんばんは。
こんばんは。
どうしたの?今日は1人?はい。
そっかそっか。
座る?どうぞ。
佳代さんもお1人ですか?私は知り合いと待ち合わせ。
そうなんですね。
あ知り合いっていうか愛人仲間…。
え?愛人仲間。
あそうなんですか。
そうそう私も今日初めて会うんだけどね電話で話した感じはすごくいい子そうだったから久未ちゃんにも紹介するね。
あはい…。
大丈夫ですか?大丈夫大丈夫。
今回は向こうも9人いるってわかってるからうんだから今更取り乱すこともないでしょ。
それならいいんですけど。
何飲む?ああ…。
(ドアの開く音)
(店員)いらっしゃいませ。
来たかな?
(彩乃)だいたいなんで不倫なんかしちゃったの?不倫なんか続けたって絶対に幸せになれないんだからさ文坂さんだよね?2016/10/27(木) 23:59〜00:54
読売テレビ
バカリズム脚本『黒い十人の女』「十人の女、全員、現る」[字][デ]

主演・船越英一郎、脚本・バカリズムでお送りする、史上最大の不倫劇!豪華女優陣が本気でぶつかり合う!衝撃の「不倫コメディ」!ついに「十人の女」が全員登場!

詳細情報
出演者
船越英一郎
成海璃子
トリンドル玲奈
佐藤仁美
  
佐野ひなこ
MEGUMI
平山あや
白羽ゆり
水上剣星
ちすん
新田祐里子

若村麻由美(特別出演)

水野美紀
番組内容
ドラマプロデューサーの風(船越英一郎)には妻のほかに、なんと9人の愛人がいた。
不倫関係に終止符を打とうとする女、2人の男の間で揺れ動く女、好きな女性に不倫をやめさせたい男、他の不倫女を蹴落としたい女…風をめぐって争う様々な人物たちの欲望・怒り・嫉妬が激しくぶつかり合う!さらに、新たな愛人たちが続々と発覚!そして、ついに9人の愛人全員が明らかに!
原作・脚本
【原作】
和田夏十(映画『黒い十人の女市川崑監督)
【脚本】
バカリズム
監督・演出
【演出】
山本大輔
音楽
兼松衆
【主題歌】
「愛/憎」CIVILIA